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日本国際児童図書評議会「おすすめ!日本と世界の子どもの本 2025」選定図書 中2の初夏、氷川薫はある出来事から学校に行けなくなってしまった。家からも離れたくて、自分で見つけた全寮制のフリースクールに行くことに決めた。森の中にあるスクールには時間割はなく、なにをしても自由、勉強するのも自分次第。同い年の二人と仲を深めながら、ゆっくりとした時間を過ごし、薫は川辺で静かに自分の心に向き合う。そして、ずっと気がかりだったことを告げるために、ある人に会いに行く。
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Posted by ブクログ
不登校から全寮制のフリースクールに入所することにした中学2年生の主人公がの1年半にわたる生活を描いた小説です。 「学校に通う」ということだけがすべてではない。相手がどのように感じ、考えているかは決してわからないのだから、思い悩んで苦しむのではなく、自分の気持ちに正直に生きればいい。他人から指示され...続きを読むたことや望まれることに従うのではなく、自分が何をしたいのか、自分はどう考えたいのかということにじっくりと向き合うことがよい。 そんな、「ありのままでいること」の価値を改めて感じさせてくれる物語でした。 ぎくしゃくしていたり、どうしてもわかり合えずに反発している家族であっても、しばらく距離を置いてみたら以外とわだかまりが融けて、想像していたよりもストレスなく接することができる、なんてこともあります。 作中のセリフにもあるように、「スタンドバイミー(そばにいて)」と願う関係性だけでなく、「スタンドバイユー(世界が敵になっても、あなたのそばにいてあげる)」といえる関係を築くことができるような人生を、目指したいと思います。 人に自分の悩みや辛さを「話す」ことは、その痛みを「離す」ことにもつながる、だから人に話を聞いてもらうと楽になる、というセリフには説得力がありました。
ブク友さんの本棚にお邪魔した際に、見つけました。 タイトルにまず食いついてしまいました。 うるっとしました。 色々な経験から、思うことが色々ありました。 たくさんの経験をして逞しくなった主人公達は、自分の居場所ややりたいことを見つけることができて良かったな。 実際の私の周りの中高生も、色々悩み...続きを読む考え色々なことを選択しているんだろうな。応援したくなる。 実際、自分の居場所を探していたり、やりたいことを探している子ども達のための場所が、たくさん増えたらいいなと思います。
親友兼弟分のセアの死に責任を感じる薫。 離婚した母と再婚者と2人の間に生まれた弟との関係に行き詰まりを感じたイズミ。 育児放棄され養父母の元可愛がられて育った銀河。 森の中のフリースクールに通う子どもたちの話。 「話すっていうのは離すって意味にもなるんだって。だから嫌なことは話した方がいいって」が印...続きを読む象に残った。
森の近くの全寮制フリースクール。そこで過ごした日々。 中2の薫を中心に、そこにいる子どもらの想いや願いや変化が丁寧に描かれる。 学校に行かない理由。親元を離れる理由。乗り越えるというよりは、自分の気持ちに向き合う。そんな余地が森にはある。
中学2年生の夏、学校に行けなくなってから引きこもり気味だった主人公の少年が、東京の山の中にある寮制のフリースクールに入る話。小中学生向けかな。 そこにいる子供たちは、皆心のどこかに傷を抱えている。 最初は心を開けず、ぶつかり合っていた子供たちが、そこで共に過ごすことによって心の内を打ち明け合うこと...続きを読むが出来るようになり、少しずつ心の傷を癒していく。 主人公の抱えていた傷が痛くて、スタバで涙してしまい、慌てて読むのを止めた。そして家に帰って続きを読んで号泣した…。 スタンド・バイ・ミー(そばにいて)より、スタンド・バイ・ユー(そばにいるよ)。 とても心に響いた。
舞台は、森と川の近くにあるフリースクール。 主人公、14歳夏、薫がフリースクールに来てから15歳冬までの出来事。それぞれの理由でここに来た子ども達と、それぞれの理由でここに関わる大人達。 少しずつ、お互いが自身のことを話せるようになる。そんな自分たちの関係は友人でもなく家族でもないが、なんだか心地...続きを読むよく感じる薫。 友人の死、親の再婚、ネグレクト、重そうなワードが並ぶ。森の中の風景描写に癒される。 現実こんなに甘くない、理想すぎるのかもしれない。それでも良いと思う。 学校は好きだったがそれでも、こんな場所が当時あれば生活したかったなあ。
こんなフリースクールがあったらいいなぁ。 でもきっと、家や学校から遠く離れた場所に一人で飛び込むのは相当な勇気がいるだろう。 そうまでして主人公薫が選んだのは森にある寮付きのフリースクール。 何を学ぶかは自分次第。 これまでの生活や勉強との違いに戸惑うが、やがて自分なりのペースを掴み、同い年の仲間...続きを読むとも友情以上のものを築いていく。 そしてここに来ることになった、自分の心の中の傷にもゆっくりと向き合えるようになっていく... そう、今の時代は何でも速すぎるのだ。 流れ作業のように短期間で課題の答えを出さなければならない。 でも人生はそう簡単に答えが見つかることばかりではない。 本当はちょっと立ち止まったり、遠回りしてもいいんだよ...物語を通してそんな風に励ましてくれているような気がする。 2024.6
中学。中二の薫は、ある出来事から学校に行けなくなる。家から離れるため寮付きのフリースクールに行き、同年代の子どもたちと生活しながら、自分と向き合う時間を過ごす。 主人公の僕の悩みに向き合う場面の終わりからが、他の友人達の悩みに寄り添ったり、出会った人との別れがあったりと、大人っぽい落ち着いた読後感が...続きを読む味わえる。
だれにも言えなくて、自分で抱え込んで苦しんでしまうこと。そこまでではなくても、言いづらいな、とか、もし自分の言葉でだれかが傷ついてしまったら…とか、ふと考えてしまうことは結構あると思う。 そんな時、斉藤さんの言葉を思い出したい。 「話すことは、離すこと。嫌なことは話したほうがいい」 時には逃げ...続きを読むたっていい。 相手がどう思っているかなんて分からないから、自分が思うようにしたらいい。 自分にはどうにもできなくて、でも何とかしなきゃいけない、と思っている人を励ましてくれる本。
不登校になった薫、山の中の全寮制のフリースクールに入ることになる。 そこには色々な事情を抱えた子ども達がいた。 そこで生活しているうちに同じ学年のイズミと銀河と心を通わせるようになる。 薫が抱えている心の闇は親友の死に原因がある。 他の2人は家庭に問題があるようだ。 このフリースクールは、学習をする...続きを読むところではなく、生活する力をつけ、元の社会へ戻っていく。 理想的な環境のようだ。 学校へ行けなくなった子どもだけでなく、みんなこんなところでは成長できれば、なんて思う。 生きづらい世の中、ここはきっと理想郷だ。 近所の一人暮らしのおばあさんの最期に偶然にも出会ってしまうのだが、今の社会、こんな風に人の死に出会うことも少なくなっているのかも。 こんなところでは思春期の一時期を過ごせた子どもは本当に幸せだろうなぁ、と思った。
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