マシュー・サイドのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
もっと早く読めばよかった、というのがまず最初に浮かんだ感想です。
本書は、様々な業界で引き起こされた悲劇的な失敗を丹念に紐解き、具体的かつ鮮やかな解決策を提示してくれる一冊です。
物語は、医療事故と航空機事故という対照的な二つの世界から始まります。失敗から学び、システムを改善し続ける航空業界と、個人の責任に帰結させてしまいがちな医療業界。この「失敗から学ぶことができる組織とできない組織」の決定的な違いに、冒頭から一気に引き込まれました。翻訳も非常に洗練されており、難解さを感じさせない読みやすさも本書の大きな魅力です。
中盤では、司法制度や政治の世界における「認知的不協和」が語られます。
か -
Posted by ブクログ
濃霧中の誘導灯となる本です。
仕事や人間関係、普段の生活において自分の能力を超えていると感じたときに読みたい。無我夢中、複雑で手一杯の状況に陥ったとき、何もうまくいかないと感じたとき、道筋を示してくれる本。
人生における失敗は、航空機事故のように大きな被害や損失が目に見えるとは限らない。むしろ、医療事故のように失敗を認められなかったり、よくあることだと処理してしまうことが多い。本書で紹介されている事案やマインドセットは、自分が犯してしまっているミスに目を向けるように促してくれる。困難な状況にも、叱咤や追及ではなく、やさしく手を取ってくれている。
目の前しか見えない状況でも、どこへ向かればよいか -
Posted by ブクログ
オビの文句はダテじゃない!
「失敗の科学(Black Box Thinking)」もとても面白い書籍でしたが、この「多様性の科学」も秀逸な一冊で、大変読みごたえがありました。
原題は「Rebel Ideas: The Power of Diverse Thinking」。
「Rebel」は反逆・反乱・異端などという意味で、様々な事例やデータをもとに、副題にもある「多様な考えの力」や知識の共有の大切さを本書では論じていきます。
・CIAの人材は並外れているが、多様性のなさ故に9.11テロを防げなかったという失態
・エベレストでの大量遭難は支配的なリーダーに意見ができなかった故の結末
・融合の -
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ネタバレ漠然とよく聞く言葉の"多様性"だが、人権や人種に関する言葉と捉えていた。
本書は問題解決やイノベーションに必要な"多様性"について論じており、特に印象に残った言葉は下記。
P93 多様性には根拠が必要。対処する問題と密接に関連し、かつ相乗効果を生み出す視点を持った人々を見つけることがカギになる。
P197 イノベーションは、1個人が舞台の中央に立てば起こるというものではない。人々がネットワークの中で複雑につながり合う中で、新たなアイデアや技術が生まれるのだ。
単に多様な人間を集めるのではなく、問題に対する多様な意見を述べられる人間を選ぶこと、イノベーショ -
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人は、同じような考え方の仲間に囲まれていると安心する。ものの見方が同じなら意見も合う。すると、自分は正しい、頭がいいと感じていられる。この居心地の良さが、知の追求には障壁になる。
特に、複雑な状況下では、たとえどれだけ互いに献身的なチームであろうと、多様な視点や意見が押しつぶされている限り、あるいは重要な情報が共有されない限り、適切な意思決定はなされない。いわゆるエコーチェンバー現象を正しく理解し、それを回避しないといけない。
複数の人間が集まって様々な問題を解決したり、創造的なアイデアを捻りだしたり、戦略を決めたり、なんらかの活路を見出そうとするとき、多様性が加われば、さらに強い力を発揮で -
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失敗から学ぶ文化があるかどうかか非常に大事かとわかりました。
航空機業界では、事故が起これば原因を徹底的に調査し、情報を世界中で共有して起こらないように改善し航空機事故が大幅に減ったこと。
また医療ではミスを隠す文化があり、同じような医療事故が減らないとのこと。
大切なのは、失敗を分析して改善していくことだということが良くわかりました。
以前、杉本貴司様が書かれたユニクロという本を読みましたが、現在のユニクロになるまで、新たなことにチャレンジし失敗し改善工夫して新たに挑戦し成功していくところは、失敗の科学に当てはまること、新しい挑戦での失敗は、学びなることがよりいっそう理解できました。
自分も -
Posted by ブクログ
ネタバレ仕事に役立ちそうかなと本屋で手に取って買った。1912年時点で米国陸軍パイロットの14人に8人は事故で命を落としていた。2014年にはジェット旅客機の事故率は百万フライトに0.23回という水準まで改善されている。航空業界ではミスがオープンに共有され皆で対策検討とその実施が行われている。他方で医療業界では権威主義が残りプライドが失敗を認めない。
失敗を許容しない組織は失敗から学ばず隠蔽される。04年ハーバードビジネススクールが規律の厳しい組織とそうでないチームを比較調査した結果、厳しい組織では報告ミスは少ないが実際に発生していたミスは多かった。
ユニリーバは製造工程のノズル詰まりの改善を一流の外