あらすじ
★ほぼ日代表・糸井重里氏絶賛!!
「どんな聡明な人でも、失敗はする。背筋が寒くなるけれど、読みだしたら止まらない」
★著作累計200万部突破!30カ国で刊行の世界的ベストセラー!
★世界的イノベーター・著名人が続々推奨!
・ダニエル・ピンク(『モチベーション3.0』著者)
・リチャード・ブランソン(ヴァージン・グループ創業者)
・ジェームズ・ダイソン(ダイソン創業者/発明家)
◎あらゆる失敗に通じる「原因」と一流組織が備える「学習システム」のすべてがわかる!
・なぜ10人に1人が医療ミスの実態は改善されないのか?
・なぜ墜落したパイロットは警告を無視したのか?
・なぜ検察はDNA鑑定で無実でも有罪と言い張るのか?
オックスフォード大を首席で卒業した異才のジャーナリストが、医療業界、航空業界、グローバル企業、プロスポーツチーム…あらゆる業界を横断し、失敗の構造を解き明かす !
■虐待事件で正義感に目覚めた市民が、役所の失態を責め立てた結果、どうなったか?
■「ミスの報告を処罰しない」航空業界が多くの事故を未然に防げている理由は?
■撃ち落された戦闘機に着目した天才数学者が、戦闘機の帰還率向上をもたらした洞察とは?
■治療法が発見されていながらも、「人類が200年放置し続けた病」があるのはなぜ?
<目次>
第1章 失敗のマネジメント
「ありえない」失敗が起きたとき、人はどう反応するか
「完璧な集中」こそが事故を招く
すべては「仮説」にすぎない
第2章 人はウソを隠すのではなく信じ込む
その「努力」が判断を鈍らせる
過去は「事後的」に編集される
第3章「単純化の罠」から脱出せよ
考えるな、間違えろ
「物語」が人を欺く
第4章 難問はまず切り刻め
「一発逆転」より「百発逆転」
第5章「犯人探し」バイアス
脳に組み込まれた「非難」のプログラム
「魔女狩り」症候群 そして、誰もいなくなった
第6章 究極の成果をもたらす マインドセット
誰でも、いつからでも能力は伸ばすことができる
終章 失敗と人類の進化
失敗は「厄災」ではない
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
なぜ失敗することが重要なのか?を集約した本。
なのだが、、、
事例として登場する失敗は、憤りを感じる医療事故や航空機事故など、胸が痛くなるものが大変多い。
これらの事例に登場する当事者たちの葛藤は、読んでいて本当に苦しく辛い。ただ、それでも。ここから生まれた失敗への対策が、未来への再発防止に活きているという事実に胸を打たれる思いがある。
私たちは皆、過去の失敗の先にある未来を生きている。だからこそ、私たちも失敗を恐れてはいけないのだと思う。
Posted by ブクログ
もっと早く読めばよかった、というのがまず最初に浮かんだ感想です。
本書は、様々な業界で引き起こされた悲劇的な失敗を丹念に紐解き、具体的かつ鮮やかな解決策を提示してくれる一冊です。
物語は、医療事故と航空機事故という対照的な二つの世界から始まります。失敗から学び、システムを改善し続ける航空業界と、個人の責任に帰結させてしまいがちな医療業界。この「失敗から学ぶことができる組織とできない組織」の決定的な違いに、冒頭から一気に引き込まれました。翻訳も非常に洗練されており、難解さを感じさせない読みやすさも本書の大きな魅力です。
中盤では、司法制度や政治の世界における「認知的不協和」が語られます。
かつてソ連で起きたルイセンコ事件や中国の大飢饉の例は、仮説から「失敗するチャンス」を奪うことがいかに危険であるかを浮き彫りにしています。
また、データ分析の重要性を説くエピソードとして、爆撃機の弾痕の話(生存者バイアス)も取り上げられており、多角的な視点で「失敗の正体」を科学しています。
「スケアード・ストレート・プログラム(不良少年への更生プログラム)」が、実際には逆効果を生んでいたという指摘には驚かされました。
組織論的な視点も説得力があり共感の連続でした。
なぜ人は失敗を隠したがるのか。その内因には認知的不協和があり、外因には世間や周囲からの非難というプレッシャーがあります。「懲罰はミスを減らさず、ミスの報告を減らすだけである」という指摘は、現代の組織運営において極めて重要な教訓です。懲罰文化か放任文化かという二項対立ではなく、心理的安全性を確保しながら責任を明確にする文化の構築が求められています。
後半では、失敗を科学的に分析する手法が紹介されます。
GoogleのA/Bテストに代表される「ランダム化比較試験(RCT)」の重要性や、特に印象深いのは、小さな改善を積み重ねる「マージナル・ゲイン」という考え方です。
「問題が大きすぎて手に負えないのなら、小さく分解すればいい」というアプローチは非常に実践的です。ただ、個人的には「数値にこだわりすぎて改善コストが無尽蔵に増えてしまわないか」という懸念も抱きましたが、停滞を打破する強力な武器であることは間違いありません。
そして最後に究極の失敗回避策として紹介されている「事前検死(Pre-mortem)」という手法は、プロジェクトの開始前に「あえて失敗した未来」を想像することでリスクを洗い出す、非常にユニークで効果的なアプローチだと感じました。
かつて野中郁次郎氏らが著した『失敗の本質』が、旧日本軍の組織論的視座から現代社会に通ずる高尚な示唆を導き出した一冊であるならば、この『失敗の科学』は、ビジネスの現場から導き出された、我々の日常にもすぐさま適用可能な実践的示唆に溢れた一冊です。
躍動感に満ちた筆致で描かれる数々のエピソードは、単なる知識としてだけでなく、明日からの行動を変える力を持っています。組織のリーダーのみならず、より良い成果を出し続けたいと願うすべての人に、自信を持っておすすめしたい名著です。
Posted by ブクログ
濃霧中の誘導灯となる本です。
仕事や人間関係、普段の生活において自分の能力を超えていると感じたときに読みたい。無我夢中、複雑で手一杯の状況に陥ったとき、何もうまくいかないと感じたとき、道筋を示してくれる本。
人生における失敗は、航空機事故のように大きな被害や損失が目に見えるとは限らない。むしろ、医療事故のように失敗を認められなかったり、よくあることだと処理してしまうことが多い。本書で紹介されている事案やマインドセットは、自分が犯してしまっているミスに目を向けるように促してくれる。困難な状況にも、叱咤や追及ではなく、やさしく手を取ってくれている。
目の前しか見えない状況でも、どこへ向かればよいか示す灯りとなってくれる。
Posted by ブクログ
[仕事]が存在し、より良いものにしたいと画策する限り、必読の本である。
私の会社も本社内のクローズドループ現象に陥り、暗闇の中でゴルフを打ち続けている。
今は利益が出せても、いずれは変化に対応できないので生き残れない。
結局資本主義において、会社同士は限られたパイの取り合いだ。この取り合いにおいて、客観的な失敗の検証は欠かせない。勿論個人レベルにおいで改善は可能だが、組織設計で導入している集団には太刀打ちできないだろう。
Posted by ブクログ
あらゆる失敗の根源と対策がもうら
マインドセットと改善により長期的アウトカムは変わる
対策や行動をやり抜く力
成長型マインドセット
2つの資質を鍛えることが重要
Posted by ブクログ
失敗を隠したがる病院と法的に全てのインシデントを明らかにして将来の改善に繋げる仕組みがある航空業界など、横断的にトライアンドエラーができる心理的安全性の仕組み・文化が備わった組織の違いを明確にしている。
Posted by ブクログ
失敗から学ぶ文化があるかどうかか非常に大事かとわかりました。
航空機業界では、事故が起これば原因を徹底的に調査し、情報を世界中で共有して起こらないように改善し航空機事故が大幅に減ったこと。
また医療ではミスを隠す文化があり、同じような医療事故が減らないとのこと。
大切なのは、失敗を分析して改善していくことだということが良くわかりました。
以前、杉本貴司様が書かれたユニクロという本を読みましたが、現在のユニクロになるまで、新たなことにチャレンジし失敗し改善工夫して新たに挑戦し成功していくところは、失敗の科学に当てはまること、新しい挑戦での失敗は、学びなることがよりいっそう理解できました。
自分も、失敗を隠さず、原因を分析し、次の挑戦に活かそうと思います。
Posted by ブクログ
仕事に役立ちそうかなと本屋で手に取って買った。1912年時点で米国陸軍パイロットの14人に8人は事故で命を落としていた。2014年にはジェット旅客機の事故率は百万フライトに0.23回という水準まで改善されている。航空業界ではミスがオープンに共有され皆で対策検討とその実施が行われている。他方で医療業界では権威主義が残りプライドが失敗を認めない。
失敗を許容しない組織は失敗から学ばず隠蔽される。04年ハーバードビジネススクールが規律の厳しい組織とそうでないチームを比較調査した結果、厳しい組織では報告ミスは少ないが実際に発生していたミスは多かった。
ユニリーバは製造工程のノズル詰まりの改善を一流の外部専門家に委託したが改善はせず、社内の開発チームがトライアンドエラーで見付けた形状のノズルで解決に至った。意図的な失敗を重ねる成功事例。
著名なスポーツ選手は失敗に向き合い生涯技術の成長を実現している。他ある成長しない人は自身の得手不得手、生まれ持った能力のせいにしていまい努力をしない。
事前検死という失敗回避手法がある。プロジェクト開始前にプロジェクトが失敗したことにしてメンバーで失敗した理由をできる限り多く出し合い、責任者から順にその理由を発表していく。これを理由がなくなるまで行う。
Posted by ブクログ
「失敗から学ぶ」という言葉を、単なる精神論ではなく、膨大な事故調査や科学的研究データをもとに再定義してくれる一冊です。
なぜ同じ過ちが繰り返されるのか、そしてどうすればそれを防げるのか。航空業界の徹底した分析姿勢など、具体的な事例を通じた解説には「なるほど!」と膝を打つ瞬間が何度もありました。失敗を個人の責任に帰すのではなく、システムとしてどう向き合うべきか。ビジネスのみならず、人生のあらゆる場面に応用できる深い洞察に満ちた傑作です。
Posted by ブクログ
つい隠してしまう失敗。
恥だと感じ記憶から消してしまうことが多いが、失敗にこそ成長するための要素が多く詰まっている事に気付かされた。
失敗はチャレンジしたことに対するフィードバックだ。
それを活かすマインドセットと環境作りがとても大切。
多くの紹介されている事例からそれを学びました。
Posted by ブクログ
★学んだこと
実際に見たことより知ってることに記憶あわせる
講釈の誤り
★TODO
単純にすぐ誰かを非難するのをやめる
早計な非難をやめる
事前検死
マージナルゲイン
Posted by ブクログ
本書は失敗にどう気づき、どう学ぶかが具体的事例とともに解説があるので非常に分かりやすかったです。
私は失敗を嫌うマインドがあるので、失敗を自己成長の糧として自然に受け入れるマインドに切りかえようと強く思いました。
個人としても組織としても成長の仕方がクリアになる良い本と思いますのでぜひ読んでみて下さい!
Posted by ブクログ
上司のおすすめ 常に心掛けないと、弱さに飲み込まれてしまう。
失敗は成功の母といえば単純だが、それを多くの実例を通して説明する。
失敗を活用できず長期的に成功できていない例からメタに学ぶ。
Posted by ブクログ
5章まではとても面白く為になる内容だった。保身的な感情や自尊心で若者の意見を聞き入れなかったり隠蔽したようにみえる事故も、実は人間の認知機能のせいなので仕組みで防ぐ必要があるという内容。事例が豊富で文章も面白い。
ただ6章のスポーツ選手の話以降は著者自身がバイアスに陥っている感じがあった
Posted by ブクログ
組織で頻繁に行われている失敗をただ失敗に終わらせずに、上手く活用したいという気持ちで読んだ。
学びとしては、(1)小さな改善を積み重ねることが可能な仕組み、(2)失敗を受け入れて学習する風土、が大事だと学んだ。アクションとしては、小さな改善とか失敗を共有してみんなで学び合う機会(事前検死のようなものも良い)を設定し、組織の意識改革をし、それぞれの失敗を掬い上げて活用する仕組みを検討したいと思った。
Posted by ブクログ
個人として、組織として、社会として、失敗との付き合い方を見直さなければならない。その最強の原動力は、失敗から学ぼうとする姿勢。
クローズドループなどの認知的不協和から抜け出し、"わかっていないこと"も含めて検証する。
間違いを教えてくれるフィードバックがなければ、訓練や経験を何年積んでも何も向上しない。
失敗から学んで潜在的な問題を解決できれば、組織の進化につながる。
また、ミスを犯しても不当に非難されなければ、当事者は、偶発的なミスやそれに関わる重要な情報を進んで報告するようになる。すると、進化の勢いは増す。
Posted by ブクログ
医療業界の失敗を隠す文化と、航空業界との対比。
どちらも命に関わるのに。失敗と成功は表裏一体であり、失敗から学んでクローズドループから抜け出す必要がある。そして、データで検証していく必要性も。私は仕事で意識できているのか。
Posted by ブクログ
実例をもとに失敗について学べるので、楽しく読めました。
《学んだこと》
・集中しすぎによって時間感覚がなくなることが失敗の要因になり得る
・失敗のフィードバックはすぐに行う
・失敗から学ぶには
システム作りとスタッフ教育が必要
・認知的不協和
・試行錯誤をしなければ成功できない
・〇〇しなかったらどうなっていたか
→反事実
・人は物事を単純化して考えがち
・小さな失敗を繰り返しながら、正しく検証していく必要がある
・成長型マインドセットでやり抜く力が高いほど、合理的に判断して諦めるのも早い
・失敗したことを前提に対応策を考えることも有効
Posted by ブクログ
息子へ
「失敗は成功のもと」をとことん科学的に証明・説明した本。具体例(医療VS航空)など、業界によって失敗から学べているかどうかの違いが、うまく説明されていた。
Key takeaways
- 航空機事故は、とことん事故を追求するしくみになっているからかなりの安全率。
- 医療業界は、逆。隠蔽構造のため、事故が減っていない。
- 犯人検挙など、自分の判断の正当化が問題解明を阻む。
- 大事故をおこした当事者は、よかれとやっている。集中しすぎて時間が流れるが早くなりすぎる。
つまりは、失敗から学ぶ仕組みを組織的にも個人的にも構築するのが肝。
「失敗は成功のもと」。要は失敗から学べるかどうか。ということのようだ。
Posted by ブクログ
私たちは日々仕事をする中で、数多くの選択をしている。
しかし、その選択がすべて成功することは、まずあり得ない。
もちろん成功することもあるのだが、失敗することの方が多いのではないだろうか。
当たり前であるが、誰だって失敗しようと思って、目の前の選択を決断している訳ではない。
全員が成功を目指して決断しているし、その方針に則って現場は行動する訳であるが、なぜかその歯車が狂う時がある。
現場で修正できる時はそれでよいが、大抵戦略上の誤りは無視され、ミスは表面化せずに隠蔽されてしまう。
もちろん、そうではない健全な組織も多いはずだ。
隠蔽される組織ばかりだったら、そんな社会は成り立たないはずだし、もっと世の中が混乱していてもおかしくない。
それでは、今現時点の我々の社会をどう評価すればよいのだろうか。
先進国で安定している国家は、総じて健全な組織がほとんどだろうとは思う。
それでも尚、失敗が起こり続けてしまうのは、なぜだろうか。
失敗を繰り返してしまう組織と、失敗から学び改善していける組織とは、一体何が異なるのだろうか。
本書では様々な業界の実例を踏まえて、まさに失敗例と、その成功例を示している。
一番分かりやすい比較として、航空業界と医療業界を取り上げているのだが、読み進める内に様々なことを考えてしまった。
私が働く職場は、どちら側に近いと言えるだろうか。
少なくとも、航空業界とは言い難い。
業界内で横連携し、全体でミスを減らすために失敗を共有する文化は、残念ながらほとんどない。
こういう一つひとつのことが大切なはずなのに、それが実行されないのは、やはり業界の文化の違いだと言わざるを得ない。
航空業界はミスを共有する文化を作り上げ、医療業界や私が働く業界は、いまだにその文化を構築することができていないということだ。
現場で働く方々は、ものすごく一生懸命、目の前の仕事に日々向き合っている。
それはつまり、「組織としての、失敗との向き合い方」そのものに課題があるということだ。
医療業界に限って言えば、もし医療ミスが起きても、それが「個人の不注意」や「仕方のない不可抗力」として処理されやすい傾向があるのだという。
失敗を認め、公表することは、キャリアに傷がつくことや訴訟のリスクを伴うために、失敗から得られるはずの貴重な教訓が、組織全体で共有されにくい構造になってしまっている。
もちろん病院によっては、そういうことはなく、失敗を共有し、改善を繰り返しているところもあるだろう。
傾向として、医療業界は失敗が共有されにくい構造にあるということなのだ。
それでは、航空業界はなぜ上手くいっているのか。
航空業界であっても、かつては事故が頻発する非常に危険な状態だったらしい。
彼らは失敗を「個人の責任」として片付けずに、事故が起きた際は必ずブラックボックスを回収し、徹底的に事故の原因を追究したのだという。
「なぜそのミスが起きたのか」を客観的に分析し、二度と同じことが起きないように、業界全体のシステムを愚直に改善し続けてきたことが、今の差を生んでいる。
結果、航空機は世界で最も安全な乗り物の一つになっている。
なぜ、航空業界にできて、医療業界にはできないのか。
良いものは取り入れて、真似すればよいだけなのに、それがなぜできないのか。
もちろん航空機の場合は、1回でも墜落した際の被害が大きいことは言うまでもない。
命の重さは比べられないが、一瞬の判断ミスによって多くの人命が失われることを考えると、そのノウハウを共有した方が、航空会社同士でお互いにメリットになる。
医療の場合は、そのミスがどうしても個別案件になってしまうために、全体での共有に繋がりにくいのかもしれない。
私が関わっているビジネスの現場でも、個別案件のミスはなかなか情報共有されずに、似たようなミスが今でも他部署で起きることが、繰り返されてしまっている。
私は今は人事部に所属しているため、仕事柄組織のトラブルや不祥事に向き合うことも多い。
こういう文化は何とか変えていきたいところであるが、簡単にはいかないとも感じている。
何かミスに発展しそうなことが起きた際に、その事実を正確に把握できればそれに越したことはないのだが、なぜか我々は、自分自身の間違いを認めるのが非常に難しい性質を持っている。
「認知的不協和」という心理的メカニズムが働いているらしいのだが、要はその「失敗」という不快感を解消するために、無意識のうちに事実を捻じ曲げ、自分を正当化してしまうというのだ。
「本当か?」と疑ってしまうのだが、冷静になって自分自身を振り返ってみると、確かに身に覚えがある。
人間は自分にとって都合よく考える生物なのである。
こんな「認知的不協和」が、個人だけではなく、集団の単位でも行われてしまうのだから、とても厄介だ。
「我々は悪くない」
この言い訳自体が、自分たちの自尊心を守るための自己防衛と言える。
この呪縛から脱しない限りは、同じ失敗を何度も繰り返すことになってしまうだろう。
自分たちを正当化し続けている限り、「そこからの学びが得られることはない」と著者は断言している。
日本人は特に、周囲の空気を読み過ぎる強固な「同調圧力」や、「恥」を恐れる文化を持っている 。
失敗を極端に恐れる思考になるのも、本能と言えばしょうがない部分もあるだろう 。
しかしながら、失敗を一度もせずに、一生安全に生きていけることなど、絶対にあり得ない。
むしろ、どんどん失敗して改善を繰り返すことで、経験を積み上げた方が、結果的に実力がついて良いはずなのだ 。
頭では理解していても、一歩を踏み出すのは確かに怖い 。
だからこそ、失敗を「個人の資質」の問題にするのではなく、失敗を許容し、そこから学ぶ「仕組み」を作ることが何よりも重要になると、著者が説いている。
本当にその通りなのだと思う。
本書の中の好きなエピソードで、「撃ち落された戦闘機に着目した天才数学者」の話があるのだが、こういうことこそ「本質を掴む」ということなのだと思う。
帰還した戦闘機の弾痕を調べ、どの場所の装甲を補強すべきかを議論していた際に、なぜ「弾痕が全くない場所」を補強しようと思ったのか。
答えは驚くほどシンプルで、軍が調査していたのは「無事に帰還できた機体」だけだったからだという。
要は、翼や胴体に穴が開いた状態でも帰還できたということは、その場所は撃たれても致命傷にはならないことを意味しており、逆に、帰還した機体の「エンジンやコックピットに弾痕が無い」のかは、それらを撃たれた機体は一機も帰ってこれなかったから。
この論理に従って、弾痕がなかったエンジンや燃料系に装甲を施したところ、戦闘機の帰還率は劇的に向上したという。
我々は見えているものだけで物事を判断してしまいがちになるが、見えていない部分にも本質が隠れていたりする。
そこにどうやって光を当てるかが、本当に難しい。
「失敗の科学」とは、究極的には「謙虚さ」を問い続けることなのかもしれない。
社会は益々複雑化し、高度化している。
未来を予測することが、これほど困難になるとは思わなかった。
だからこそ、失敗を恐れずに挑戦し、そこから真摯に学んでいく力があれば、これからの未来を生き残れるかもしれない。
そんなことを考えて、日々失敗を反省しながら、科学的に改善していきたいと思う。
(2025/11/9日)
Posted by ブクログ
航空業界と医療業務の実際に起こった事象の失敗に対するアクションの違いがわかりやすく説明されていた。
1番印象に残ったのは、1989年11月12日に起こったブリティッシュエアでのボーイング747での事象が悲しかった。航空業界は、失敗に対する対処が進んでるとはいえ、やはり間違いは起こり、このような犯人探しや、個人攻撃はしてはならないと思った。この事件で優秀で無実な人間を無くしてしまったことが悲しい。
Posted by ブクログ
なぜ失敗が起きるのか、そこから何を学ぶのかについてが示唆された本。主語がでかいけど確かに最近は何か失敗があったら犯人探しが始まる社会だよな、と思いながら読んだ。失敗の犯人探しをしたところで何一つ良くならない、これは結構重要だなと読んで思った。
Posted by ブクログ
タイトルから、何か失敗した人に…どうして失敗したのかなど、少し残念な類似案件等を紹介して教訓を得る…的な内容かと思ってしまっていましたが大きな誤解でした。
この本を読んだ事で、得た経験を糧にどういう姿勢でその後過ごすのかで、自分や組織を進化させることができるのかできないのかの違いを学ぶことができました。
言うなれば成功の科学というタイトルでも良いというか、成功したい人が読む本です。いい方向に裏切られました。
Posted by ブクログ
Audible
失敗の本質は歴史書だったけど、こちらは現代社会における人間関係から解析している。聴きながら、自分の周りに溢れている事例だなぁ、と感じた。科学的に理由が分かっても人は変えられない
Posted by ブクログ
外国のビジネス書の割に読みやすくてよかった
びっくりするくらい事例が載っててしかもそのどれもが恐ろしかった
なぜミスした時に報告しにくいのか、認識がどうなってるのかが飲み込みやすかった
ミスはするものだからのマインド大事
Posted by ブクログ
マシュー・サイド著の世界的ベストセラーで、航空業界のような「失敗から学ぶ組織(オープンループ)」と、医療業界のように失敗を隠蔽しがちな「学習できない組織(クローズドループ)」を比較し、なぜ組織や個人は失敗から学べないのか、どうすれば失敗を成長の糧にできるのかを、心理学と組織論を交え、具体的な事例(医療ミス、航空機事故、冤罪など)を通して解き明かす本です。成功する組織は、失敗を「恥」ではなく「貴重なデータ」と捉え、徹底的に分析・共有する仕組み(ブラックボックス思考)を持つと主張しています
失敗を成長の糧とする方法
航空業界の事故分析や医療ミスの事例を通じ、失敗を隠す文化が学習を阻害し、イノベーションを妨げることを指摘。
失敗をオープンに共有し、システム改善につなげる航空業界のアプローチを高く評価し、対照的に医療業界の隠蔽体質を批判。
心理学や経済学の知見を交え、失敗を恐れず試行錯誤を重ねることの重要性を説く。
特に「エラー関連陰性電位」や「事前検死」などの概念は新鮮で、個人や組織のマインドセット変革に示唆を与える。
日本の失敗を避ける文化にも一石を投じる内容だ。文章は具体的で読みやすく、ビジネス書ながら物語のように引き込む。
ただし、事例が多岐にわたり、結論に至るまでやや冗長な印象も。
Posted by ブクログ
たくさんの組織的な大きめの失敗の例と、失敗から学ぶ効用、失敗を無かったことにする心理について書かれている。
失敗するかもしれないと思って怯えるのでもなく、失敗するはずないという心理から隠蔽に向かうのでもなく、積極的に失敗しにいく姿勢が必要。結果のチェックとフィードバックが必須。
著者の経歴すご。