あらすじ
★ほぼ日代表・糸井重里氏絶賛!!
「どんな聡明な人でも、失敗はする。背筋が寒くなるけれど、読みだしたら止まらない」
★著作累計200万部突破!30カ国で刊行の世界的ベストセラー!
★世界的イノベーター・著名人が続々推奨!
・ダニエル・ピンク(『モチベーション3.0』著者)
・リチャード・ブランソン(ヴァージン・グループ創業者)
・ジェームズ・ダイソン(ダイソン創業者/発明家)
◎あらゆる失敗に通じる「原因」と一流組織が備える「学習システム」のすべてがわかる!
・なぜ10人に1人が医療ミスの実態は改善されないのか?
・なぜ墜落したパイロットは警告を無視したのか?
・なぜ検察はDNA鑑定で無実でも有罪と言い張るのか?
オックスフォード大を首席で卒業した異才のジャーナリストが、医療業界、航空業界、グローバル企業、プロスポーツチーム…あらゆる業界を横断し、失敗の構造を解き明かす !
■虐待事件で正義感に目覚めた市民が、役所の失態を責め立てた結果、どうなったか?
■「ミスの報告を処罰しない」航空業界が多くの事故を未然に防げている理由は?
■撃ち落された戦闘機に着目した天才数学者が、戦闘機の帰還率向上をもたらした洞察とは?
■治療法が発見されていながらも、「人類が200年放置し続けた病」があるのはなぜ?
<目次>
第1章 失敗のマネジメント
「ありえない」失敗が起きたとき、人はどう反応するか
「完璧な集中」こそが事故を招く
すべては「仮説」にすぎない
第2章 人はウソを隠すのではなく信じ込む
その「努力」が判断を鈍らせる
過去は「事後的」に編集される
第3章「単純化の罠」から脱出せよ
考えるな、間違えろ
「物語」が人を欺く
第4章 難問はまず切り刻め
「一発逆転」より「百発逆転」
第5章「犯人探し」バイアス
脳に組み込まれた「非難」のプログラム
「魔女狩り」症候群 そして、誰もいなくなった
第6章 究極の成果をもたらす マインドセット
誰でも、いつからでも能力は伸ばすことができる
終章 失敗と人類の進化
失敗は「厄災」ではない
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
とにかく面白いのでどんどん読める感じ。
失敗を恐れる、失敗を恥じる、社会に属する人間の心理。これにより失敗を隠してしまい改善のチャンスを逸してしまう。クローズドループ。もし、無人島に1人だったら人は何度も失敗してサバイバルするだろうに、と思った。それをうまく実践できているのが航空業界。
洗剤メーカーのノズル形状の改善の話では、流体や数学の専門家による改善案ではうまくいかず、生物学者らによる考えうる形状を多数試して、その中で一番良い結果が得られた形状をベースにさらに様々な改善を施した形状で試して、を繰り返して、最終的に改善に至る。まさに生物の自然淘汰である。採用されなかった形状は全て失敗である。要はたくさん失敗することで成功に辿り着く例である。宇宙もマルチバースなのではと思ってしまう。
その他にも、マージナル・ゲイン、リーン・スタートアップ、RCT、事前検死、など失敗から学ぶいろいろな手法があることを知れた。
著者は外国人であるが、なぜか日本の話が出てくる。
Posted by ブクログ
失敗から学ぶことの重要性、いかにして失敗を活かせる組織に変えていくかを述べた、得るところの多い本。
失敗から学習することができた業界として航空業界が、学習できない組織として、医療業界や警察、検察が例示されているのも、すごく説得力がある。
"人は誰でも、自分の失敗を認めるのは難しい。•••特に、何かミスをして自尊心や職業意識が脅かされると、我々はつい頑なになる。"
そして、"人は失敗を隠す。他人から自分を守るばかりでなく、自分自身からも守るために、失敗を記憶から消し去る"こともしているらしい。
だからこそ、検証すること、立場や組織の上下関係に関わらず、リスクを指摘し、打開策を相談し合える環境、そして上に立つ人ほどその指摘を受け入れられるマインドになることが重要。
失敗から学ぶことは最も「費用対効果」がよい。何か大きなプロジェクトを始めるときには、全てを「失敗ありき」で設計し、パイロット•スキームで検証する、ということを取り入れていきたい。
また、常に"誰でも、いつからでも能力は伸ばすことができる"と信じる「成長型マインドセット」でいることも重要。
日本は起業家が少ないと言われるが、それを打破するためには、子供や若手に成長型マインドセットの思考を植え付けていくことも大事だと思う。
Posted by ブクログ
失敗の原因は、失敗を失敗と認めない思考回路、「クローズド・ループ」にある、とする。これにはまり込むと、「失敗から学ぶ」というフィードバックが止まってしまう。
誤審を認めない検察、医療過誤を認めない医療施設、犯罪者の更正プログラムが機能していると疑わない行政など例が続く。
逆に失敗を共有し再発防止に役立てる、「オープン・ループ」が機能すると目覚ましい成果が上がる。好例が航空業界、とする。
人は失敗から学ぶ姿勢がある人とそうでない人に分かれ、会社も成長型企業と固定型企業に分かれる。
ではどうする?という次の思考につながる、ヒントになる一冊。好著。
Posted by ブクログ
1章
医療事故と
航空機事故を比べている。
医療のほうは失敗に対するフィードバッグが少ない傾向にり、失敗の教訓から再発防止につながらない側面がある。
航空機事故は事故原因を究明し、対策が取られ、全パイロットがその情報にアクセスできるようになっている。またそれらを研修などで習得するシステムが出来上がっている
のちのフィードバッグがない状況では、成長が鈍化する。検査技師は目の前の判断が時間を経てどんな結果につながったのかを確認する手段が少ない。医師は事故があっても「まれにあること」として原因究明につながらないことがある。また、「検死」の実施が少ない。検視はっ状況把握や、死の原因を探ることができる貴重な機会で情報の宝庫だ。しかしなされていない。
医療事故に対する医師の対応の差が書かれていた。
事故正当化をする医師は・・・?ここ内容忘れた
事故を認めた医師は、所属する病院全体の意識がかわり、事故対応や情報共有が進んだ。今全米で安心できる?病院の上位ランクにいるらしい。(手術中に造影剤と消毒液を間違って注入し、女性が片足切断、のちに12日ぐらいだったか?死亡する事故が起こっている。要因の一つに2種類の自販機が同じ色?形?の注射器に入っていたからだとされていた。◆なかなか衝撃的だ。改革の中で、ミスは自分で申告、ミスを見つけたら伝え合うことで、原因の共有対策が進んできた。はじめミスした人は叱責されるのでは?と不安に思っていたが、聞いた人より、そんな可能性があるのか、教えてくれてありがとうとプラスのフィードバックがあり、お互いにミスを報告しやすい環境になっていった。)
過集中では時間間隔がゆっくりになる。
航空機事故を起こしたパイロットは、危機対応中、副操縦士の燃料不足について申告があるも。時間はまだそんなに立っていないと無意識的に誤認し、時間を見誤っていた。予想より早く燃料が不足し・・・
医療事故では、看護師は器官切開の準備をして声をかけたが、医師らは自分のできることに固執し、無視した。器官切開時点で危険な時間に入っており、医師の時間間隔が伸び、体感が長くなっていた。
礼儀正しさ、年上を尊重する気持ちが失懸念点を強く指摘できないことにつながる。
気管支切開を準備した看護師は、今処置しているベテラン医師はじぶにょり優れており、今話しかけると、集中を途切れさせると思い、強くいうのを中所した。
状況が切迫してきた航空機ピッtpでは副操縦士がパイロットに懸念をしっかり伝えられずにいた(◆ここの副操縦士の心境について覚えていない。後で確認して書こう)
2章
努力は事実を誤認させる
間違えを正当化する人は自分の考えに固執し、自分都合の言い訳を並べる。失敗を認めることは過去の自分を批判することにつながり、恐怖感を抱かせる。逃避行動として自己弁護に走る。
教祖の世界崩壊説を信じた信者の観察が載っている。
世界崩壊日に実際何も起きず、信者は何もなかったという事実を、リフレーミングし、自分都合の内容に思い直した。預言は正しく、世界崩壊を信じていた人々がいたので、神はお目こぼしで世界崩壊を阻止した。我々がいたから世界は救われた。世界崩壊は起こらなかったが、わたしたち崩壊を阻止し新しい世界が始まったの。今から素晴らしくなると主張している。(◆生存者バイアスでその当時はおかしかったが、今から見ると正しいかったとされることが多くある。過ちが正当化され、多くの人がそれに無関心か信仰を持つようになると一般化されることにつながる。・・・この感想自分で書いてるけど、世界崩壊が何度も出てきてゲシュタルト崩壊w)
読みたいこと
失敗とは、ある目的や目標を達成できなかった、期待した結果を得られることができなかったこと。そもそも、目的や目標を自分の中で把握していなければ起こらない事態だ。
だが失敗とは認識できない過ちがある。
今の失敗を見返して、あぁあの時も間違っていたんだと気が付くあれだ。
法律では知らなかったでは済まされず、自分に過失があれば裁かれる。
だが明文化されていない、自分でも気が付いていない思い込み、マイルールを大きく否定、破壊されたらどうなるのだろうか?もちろん否定し、考えを停止する。
その後人はどう行動しどうとらえていくのか・・・そんな答えがこの本にあるのかなぁ?
長い。事例が重い!
ニアミスからので生還パイロットの話が泣ける(´;ω;`)ウッ…
Posted by ブクログ
まあ、読み物的には面白かったと思います。
航空業界が徹底的に失敗をあぶりだし、機内デザインからオペレーションから要員配置など多くの日常業務を「失敗」から得られる教訓をもとに洗練化している、と。
それに対し、医療機関はミスを偶然と見做し、その間違いを分析せず、むしろ分析や調査結果を信じず、自分の考え(まさに信念?)に固執するという。
医療機関の旧態依然たる状況に背筋が冷えるとともに、英国自転車チームの「マージナル・ゲイン」の考えなど、勇気づけられるお話もありました。
またある事象とその結果との因果についてRCTという手法を使い、政策やアクションの効果の有無を確認し、「そうなると思う」をデータで検証(データで否定・肯定する)方法などは興味深かったと思います。
・・・
では、この本を読んですぐに現実に応用できるかというと、それはちょっと難しいと感じます。
・・・
私のやっている仕事は数字をまとめるような仕事なのですが、DBからデータをダウンロード、エクセルを駆使してピボットテーブルを作る、マクロで集計をする、最後に報告用フォーマットにコピペするなど、兎に角マニュアル作業が多い(マクロを組んで大分楽になりましたが)。
私もかつてシコタマ間違いをしまくって、自分で作ったミスを発見するのに数時間かかるのが良く続いたものです。
いま部下が同じ状況ですが、やはり失敗に対して自己認知が出来ないと、失敗を生かすことはできないよなあ、と感じています。
彼女は、自分が作った成果物にも関わらず「これ、数字が合いません」とか平気で言います。「何故ですか? どうやって作ったのですか? 調べてください。手順を一つずつ追ってください」などと突き返し、時にミスは見つかるし、時に見つからない。
その間違いについて毎回ここがこうだああだと一応指摘してるのですが、一向に改善しません。むしろ彼女をうまく引き上げられない私がおかしい、と思われている節もあります。ただ、自己認知を促すべく禅問答みたいに質問に質問で返すことが多いのですがこれが悪いのかもしれません笑
かつて私が一人で業務をこなしていた時は「あー、こんなクソみたいな仕事で、しかも自分の仕出かしたミスで午前一時まで仕事するなんて耐えられない!」と切れたときから自分のミスを直したい、と強く感じ始め、どういうミスがどういうタイミングで起こるのか、自分に興味が出てきました。またこうやって省察できるとプロセスの余分な部分や時間がかかっている部分についても良く見えるようになったのですがねえ。
・・・
で話は戻りますが、本書。
失敗に取り組むにはまさに組織的にやらないと難しいでしょうね。ミスを取り仕切るような人材が必要でしょうが、ただミスを指摘するだけの部署を作ってもどうしようもないでしょうし、所謂「(失敗を尊ぶ)カルチャー」の醸成も必要でしょう。でまたこれが難しい。
RCTについても統計の専門家がいれば、何らかのイニシアチブの効果を社内で確認する、或いは外注して調べることもできると思います。ただそういう余資があるような団体も今日び珍しいでしょうね。
・・・
ということで、一時有名になったビジネス書を読んだという事でした。
ビジネス読み物としては面白いです。が、仕事に生かそうと意気込む人は空振りする可能性が高いと思います。
までも、参考にはなります。自分の仕事の在り方を改善したいという方は、読んでおいて損はない本だと感じました。