平岡陽明のレビュー一覧
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カメラマンとしての仕事がなくなり、アルバイトのゴミ収集を本業にするしかないのかと思っていた時岡直志。
妻に先立たれ、一人息子は高校に入って間もなくひきこもりになっていた。
師である大山にカメラマン廃業を伝えに行ったが、まだ迷いはあった。
久しぶりの撮影仕事が最後だろうかと思いながら出張に出た直志が、けっして逢うことのない人物と出逢い…。
16歳で父を亡くした直志が、30年前にタイムスリップして同じ歳の父に逢う。それは父が死ぬ4日前…。
父の息子の関係がどのようなものなのか、想像でしかないが、父に最も掛けて欲しいと願っていた一言が聞こえたときは最高に嬉しかったのだろうと想像できる。
父と息子の -
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ネタバレ古本屋を営む上の知識、盲目の人に関する知識や感覚と読んでいてそうなんだと学べるところがありました。
話の展開としては主人公の女性の昔の話が出てきたあたりから、なんとなく予想ができる展開ではありましたが、驚きの展開がなかったというだけで、全体的に心温まる話でした。
若い頃の青春がそのまま身を結ばないというところが、胸が締め付けられる内容ではあるもののそれが何年もあとになって、また当時の二人に戻るという切ないながらもこれからの二人の未来はきっと明るいと感じさせてくれる良い終わり方でした。
他の本を読んでいても個人的にこの方の文章は読みやすくて良いです。 -
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本書は、大分別府の幼馴染である俊介、一平、湯太郎の友情、そして住宅地図会社「キョーリン」の苦難と発展の歴史を描いた物語です。
父の背中を追うようにキョーリンの調査員となった俊介の視点で、中学時代から人生の節目節目を切り取り、軌跡が綴られていきます。
キョーリンのモデルは明らかに『(株)ゼンリン』で、本作の読み処は、住宅地図を作るための調査員の仕事でしょう。
江戸時代に日本国中を測量して周り、初めて実測による日本地図を完成させた伊能忠敬。住宅地図作成の調査員の仕事の根幹は相通じるものがある気がします。地道な作業以外の何者でもありません。
ただただ、人々の生活に役立ち、喜ばれる地図 -
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盲目の書評家よう子がエッセイや小説を書くことに挑戦するのと並行して、古書店を営むバツイチの本間が一人息子と元妻との関係に悩むストーリーが展開され、最後には2人が繋がる話。神楽坂に馴染みがあるので手に取ったが、想像以上に面白かった。
まず神楽坂のお店が随所に出てくるので、思い入れのある人にはたまらない。龍公亭やボン・グゥ、テオブロマなどなど現存するお店ばかりで情景が目に浮かんだ。
盲目の方がどのように本を読み、文章を書くのかについてもリアルに描写されており、なるほどと思った。また古書店を営む本間は自分の店の本一冊ずつへの思い入れが強く、開催するフェア案の内容はなかなか興味深かった。妻を亡くした夫 -
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22才の女の子がそんな言動するかよという位おっさんくさいですが、書いている人がおっさんのまま書いているので仕方が無いかもしれません。肢体とか熟れた体とか言わんでしょう。プロならちゃんとキャラクターになりきって書いて欲しいという切なる希望です。
ところが内容的には新興弱小出版社の生き残りを掛けた戦いに、ロートル元編集者が参加して、過去に挫折に導いてしまった天才小説家を担ぎ出そうという胸が高鳴る話でした。かっこいいおじさんが大活躍し、しかもちょっと苦味も有る展開なので文句なしです。
本関系を題材にした小説って最近多いですが、僕みたいなものを獲りこむには絶好の題材です。一般受けってどうなんでしょうか -
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野球の話が続く。
この前に読んだ本に挟み込まれていた新刊案内で偶然本のタイトルを見つけた。
全くノーマークの本だったので、得難い出会い。
贔屓のチームは子どもの頃からライオンズ。だって地元のチームだからな。
地元って?埼玉じゃなかとよ、福岡たい。
おいたちにとってライオンズといったら西鉄たい。
この本でも触れられる“黒い霧”に巻き込まれ弱体化したチームは、西鉄から太平洋クラブ、クラウンライターの手に渡り、それでも本拠地は福岡にあったとばってん、おいが学生の頃に西武に売られ埼玉に行ってしまったと。
遠くに行ってしまったばってん、どこか他のチームを応援しようかと思うたとばってん、やっぱ、ライオ