平沼義之のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
意図しない廃道歩きは大変だ。廃道だと思わないまま道に突っ込んでみたら廃道だった、というパターンだ。
思い出すと、秋田県の夜明島渓谷から太平湖に抜ける夜明島林道、長野県の朝日村から木祖村への鉢盛山林道は完全に廃道だった。
道が崩れ落ち、背丈より高い木が林立し、そういうところに限って棘のある草が生えていて引っかかって痛い。
そんな道にはクマも闊歩して、出合頭に口と目をひん剝いたクマの驚いた顔を覚えている。
オブローダー(廃道マニア)にとって最も有名なサイトが「山さ行がねが」通称、山行がである。
数十年前に離散した村が建設した林道だったり、
上高地に至る幻のスカイラインだったり、
南アルプスを走った森林鉄道の長大路線跡だったり、
華厳の滝を正面に未だ残る渓谷の橋だったり。
失われた道の記憶をたどる。
そこに今でも挑戦するアホがいる。
道は人が通ってこそ道だ。
道としての機能を呼び起こすオブローダーの生態の一端に触れる。 -
Posted by ブクログ
日本各地には驚きの道路がある。
現役もあれば過去もある。トンネルがあれば隧道有り。
橋があれば水門有り。更に、標識にも仰天が潜んでいる。
新旧の名残りの二階建てトンネル。
トンネル内の分岐。屋根付き。
独特の可動橋。ぐるんぐるんしているループ橋。
設備がすごい風雪防護のパーキング。
水門上の集落。え、通れるの?な洗い越し。
階段県道。海上国道。歩道橋もぐるんぐるん。
各地に遺る旧式の標識。出会ってみたい標識。
延伸中止や遺跡保存などでの未成道や廃道があれば、
自然災害の影響での復旧と仮復旧道路の存在もある。
絶景、珍景、謎を秘めた、100+αの光景。
運転できない自分にとっては、知らない景色を
多く見せていただき、好奇心を満たせました。 -
Posted by ブクログ
日本の道路網は、隅々まで舗装が行き届いた世界屈指の完成度を誇るが、その完璧な網の目の随所に、合理性では説明のつかない「歪み」や「綻び」が潜んでいる。2025年に出版された『日本の仰天道路』を手に取ったのは、かつて47都道府県を巡る男旅を敢行した私にとって、道とは単なる移動の手段ではなく、その土地の歴史や人々の営みが剥き出しになる「境界線」だと感じていたからだ。本書は、そんな私の既視感と未知の好奇心を激しく揺さぶる一冊であった。
本書の核心は、日本の複雑な地形と、時に強引な公共事業の爪痕が作り出した「異常な光景」の記録にある。著者が紹介するのは、軽自動車がようやく通れるほどの極狭の国道、通称「酷道」や、途中でプツリと断絶し、どこにも接続されないまま放置された「未成道」など、地図上では把握しきれない道路の生態系だ。そこには、自然の猛威に屈した跡もあれば、予算や計画の頓挫という極めて人間的な事情が透けて見える場所もある。
特に印象的だったのは、常に水が路面を流れている「洗い越し」の光景や、かつて水門だった場所がそのまま街の一部として機能しているような、インフラの転換点に関する記述だ。私の地元である山梨県のエピソードが登場した際には、知っているはずの風景が「仰天道路」という視点を通すことで、一気に異質な、まるで異界への入り口のような物語性を帯びて見えた。男旅で実際に通過したルートの数々も、当時はただ「走りづらい」と感じていただけだったが、その背後にある地形的制約や工事の背景を知ることで、道自体が意志を持ってそこに存在しているかのような感覚に陥った。
本書を読み進める中で湧き上がったのは、効率化と安全性の名の下に、こうした「無駄」や「歪み」が消え去っていくことへの、名残惜しさに似た感情である。廃墟化した道や、不自然なカーブを描く高架下など、一見すると失敗作のように見える道には、当時の設計者が抱いた執念や、その道が結ぶはずだった未来への期待が結晶化している。
私自身の価値観に照らし合わせれば、道とは人生そのものだ。順風満帆な高速道路のような時期もあれば、本書に登場するような、先が見えず、行き止まりに突き当たる酷道のような日々もある。しかし、たとえ接続されない道路であっても、そこにアスファルトが敷かれたという事実が消えないように、私たちの無駄に思える足跡にも確かな意味があるのではないか。
この本を閉じた後、私は再びあの「知らない世界」へ足を運びたいという強い衝動に駆られた。整然とした都市計画の裏側で、今も静かに朽ちていく道や、川と共存し続ける道。それらは、日本という国の隠れた素顔であり、私たちが忘れ去ろうとしている不自由な豊かさの象徴でもある。
『日本の仰天道路』は、地図をなぞるだけの旅では決して到達できない、日本の地表面に刻まれた「生きた記憶」を掘り起こす、極めて刺激的な一冊であった。道の終点は、決して行き止まりではなく、新たな好奇心の始まりである。
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購入済み
最初はタイトルを見ても全然わからなかったのですが呼んでいくうちにわかるような内容で良かったです。美少女だけかなと思いましたが しっかりと 廃道 あるあるが組み込まれてるのがわかってよかったです。
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Posted by ブクログ
文庫版"山行が"2巻は伝説の道編。
廃道を行く者たち、オブローダー。彼らは道無き道を行くのではない。かつてそこには道があったが、今は無い。そんな、道の記憶が完全に失われる前に、その痕跡を辿るのに喜びを見出すのが彼らなのだ。
かくいう俺もオブローダー的なことをたまにやる。今年は妙義荒船林道とか鹿曲川林道とか。人工物が自然に飲み込まれていく姿に、ポストアポカリプスをリアルに感じる。人類が消滅すると、世界はこうなるのだ。あぁ無情。
さて、南八甲田を御鼻部から猿飛に突っ切る昭和一桁年に作られ放棄された、旧県道を行く。道では無くなった道は90年を経てどうなったのか。地獄峠と名のついたおどろおどろしい廃道行く。
ほか、清水国道一部の綾戸隧道、森吉森林鉄道跡などの走破レポ。 -
Posted by ブクログ
<目次>
第1章 加須良林道
第2章 数坂隧道
第3章 三郷スカイライン
第4章 千頭森林鉄道大間川支線
第5章 束松新道
第6章 鵲橋
第7章 鳥越林道
第8章 武陵洞
<内容>
最近ブームの「酷道」シリーズかと思いきや(いやいや「酷道」なんですけどね)、初めから「国道」とは名乗っていないさまざまな「道」を辿る話です。著者は自転車と徒歩でこうした道(多くは「林道」なので結構な山道、時に「酷林道」)を踏破していますが、「国道」ではないので、かなり事前調査しています。そこで今回の本に登場する「道」に歴史を感じ、そこを意識しながら実態調査しています。「道マニア」の方の中には、こうした”感傷的”なレポを嫌われる方のいるでしょうが、私は「ツボ」でした。歴史好き、地図好き、旅好きなので…。ただ体力には自信がないので、読書で済ましてしまいましょう。