吉田奈保子のレビュー一覧
-
-
-
-
Posted by ブクログ
北欧ミステリ。主役が分かりやすいヒーローではなく、やさぐれた訳ありくせ者の中年のおじさん。そしてワトソン役として存在感を出しているのがシリア系のアサド。今後のシリーズでアサドの過去や経歴も明らかになっていくようでし楽しみ。事件捜査中に銃撃に遭い、三人のうち自分を除く一人が死亡、一人が重傷で寝たきりとなる体験をして燃え尽きPTSDを負ったカールを持て余した上司が、政治家が突如作った「特捜部Q」という未解決事件を担当する特別部署のトップに任命、カールはしぶしぶながらも元来持っている正義感と刑事の素質、観察眼をもって難事件の見落とされ忘れられた手がかりを丁寧に追いかけ、真相に迫ってゆきます。シリアス
-
-
-
-
-
-
Posted by ブクログ
【消えたローセに一体なにが起きたのか?】
北欧ミステリーの人気シリーズ【特捜部Q】第7弾。
今回のテーマはデンマークの社会福祉政策の闇だ。
デンマークは社会福祉政策が充実しており、教育・医療・介護が無料であるほか、失業者への支援も手厚い。
しかし、今作にでも出てくるような、狡猾に生活保護の不正受給をしたりする輩が存在する。
そんな輩を対応しなければならない職員。
そしてある日芽生えた殺意。
また時を同じくして、特捜部Qの仲間であるローセの失踪を追うカール達。
今作では、精神を病んでしまったローセの壮絶な過去が明かされるので、ローセ推しの方は必読だ。
ローセ編は時に読むのが辛くなるほどで -
Posted by ブクログ
【カール 最大の危機迫る!?】
北欧ミステリーの人気シリーズ【特捜部Q】第6弾。
引退間際の警官からかかってきた一本の電話は、カールたちQのメンバーを十数年前に起きた異常な交通事故の捜査へと導いていく……
前作の【知りすぎたマルコ】と違い、こんがらがった複雑な糸をひとつひとつ解いていくようなストーリーだった。
展開もゆっくりめで、途中読みにくいエピソードもあったが、ラストの畳み掛けとどんでん返しはさすがである。
轢き逃げ犯は全く想像していなかった人物だったので、散りばめられた伏線を探す為にも再読しようと思う。
今作は新興宗教が事件に絡んでおり、ひとりの導師がキーマンとなっている。
と -
Posted by ブクログ
愉快な3人の未解決事件担当刑事が繰り広げるデンマークの警察小説第6段です。
前作のマルコ事件から3年が経った。今回は、デンマークの東、バルト海にあるボーンホルム島の警察官が自分の退官パーティで拳銃自殺した。カール、アサド、ローセのお笑いトリオならぬ刑事達は、現地に向かい自殺した警官ハーバーザートの息子に会いに行くと息子も自宅で手首を切って死んでいた。
生前ハーバーザートは、17年前に自らが発見した少女が亡くなった未解決の交通事故に執着していた。
カール御一行は、管轄外の島での捜査には訳がある。自殺した警官クレスチャン・ハーバーザートは命を絶つ前日に面識の無いカールに電話をし捜査協 -
-
-
-
Posted by ブクログ
シリーズ6作目。反目し合うこともありつつ基本的には良識のある上司だったヤコプスンから退職することを告げられただけでなく、後任がカールの天敵のようなビャアンで、前作でミイラと一緒に数日間監禁されるという猛烈な目に遭い、モーナとも別れ弱り目に祟り目のカール。10作で完結予定のシリーズ起承転結の転から結にかかる一作にあたるせいか、表題の事件だけでなく、シリーズを通して影を落としている2つの案件(カール自身が当事者として関わった釘打ち機の殺人と、おじの水死事故)もじわじわ展開しています。アサドの過去についての謎、ローセの心の傷、カール自身がPTSDを受けることになりいまだ正面から向き合う事も出来ないつ
-
-
Posted by ブクログ
未解決事件を扱う<特捜部Q>シリーズ第七作。
前作「吊るされた少女」事件から二年が経った2016年の設定。
一番気になっていたアサドの親指の状態だが、やはり無事というわけにはいかなかったようだ。だがアサドも特捜部Qリーダーのカールも、内面の混乱はともかくとして表面上は日常を取り戻しているようだ。
一方で前作の終盤から様子のおかしかったローセが、二年経った現在も仕事ができないほどの酷い精神状態に陥っている。そしてついには精神科に入院という事態で一時的に特捜部Qから離脱という状況だ。
今回の作品は今までと構成を変え、現在進行形の事件と特捜部Q側とで並行していくスタイルを採っている。
現在進行形 -
-