吉田桃子のレビュー一覧
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多くの人が見た目を気にしていて、それは思春期であればなおのこと。
主人公・拓郎は自分が撮った映画でコンクールで念願の賞を取る。
喜ぶ拓郎だが、ふたを開けてみれば審査員に褒められているのは主演を飾ったクラスメートの涼子。涼子は、みんなからブスだとバカにされている女子なのだが、拓郎は映画にぴったりだと思い主演に抜擢したのだ。しかし、涼子が主演だということは外部には秘密だったため、拓郎はこれを機会に秘密がバレるかもしれないと焦り出す。
なんとか秘密を守ろうとする拓郎。それは、たまたまクラスメートから涼子を守る行動にもなっていって、その偶然が読んでいて面白い。
さらに、この出来事をきっかけに拓郎は -
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Naffyさんの、ちょっとクールでバランス感覚が独特な、美しい絵を見たくて借りた本書であったが、読んでいく内に、犬のかけがえのない素晴らしさを知ることができた、吉田桃子さんの物語も、少女の成長とともに印象深いものがありました。
物語の主人公「斎藤美咲」は、その両親と兄も含め、家族みんなに愛されていた、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの、「レオン」が亡くなったことが、一年経った今も忘れられず、いわゆるペットロスのような喪失感に苛まれていたが、彼女に関しては、それだけではなく、幼少期から声が出ない、精神的な苦しみも抱えていたことから、その辛さは尚のことであり、学校ではひとりぼっち -
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ネタバレいつの頃からかの猫ブームに押されて脇道に追いやられている犬本。犬派かつスパニエル推しの私にはどストライクな表紙に惹かれて読み始めました。
自分の思いをうまく言葉にできない小5の女の子、美咲。
日常生活はもちろん、卒業式での6年生を送る言葉の自分のパートでも声が出ない。これも物語の中で美咲の成長を表すための、わかりやすい縦軸バロメーターですよね。
そして美咲が生まれたときから寄り添って生きてきたキャバリアのレオンの死。
冒頭からレオンは骨壷に入った存在。でも美咲にとっては、たとえその状態でも、大きすぎて受け止められない喪失感を癒す存在なんですよね。
4・5年生くらいから読めるやさしい文章 -
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題名と表紙が素敵で読んだ作品です。
両親が別居したのを機に、田舎の商店街に引っ越しをしたおしゃれ好きな女の子の話。
恋の話ばかりではなくて、商店街の人との交流とか、自分の好きなことへの姿勢とか、女の子が成長していく描写がとてもよかった。
オシャレったって、男にモテるためだけじゃないのに、周りから不思議がられて嫌な思いをする気持ち、すごくよくわかった。
激情的でカッとなったらすぐ言葉にしちゃう杏都ちゃん。
自分のことで自信を持てきれなかったり、他人と比較しちゃったり、威勢がいいように思えて実はナイーブだったり。
葛藤がさらっと描かれていて、共感しやすかった。
杏都ちゃんが頭の中でぐるぐる -
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中二の時、気に入らないクラスメートをイジメていた『穂花』。でも、三年になったらクラス中から無視されるよになってまるで透明人間みたい・・・「友達なんかいない」小林深雪
クラスは違うけど仲の良い幼馴染の『加部慎太郎』。彼のクラスには顔に痣のあるいじめられっ子の男子生徒がいる。誰も名乗り出ないアンケートを取り続ける先生。でも、初めて✖がついた、そう加部慎太郎は言った・・・「これは加部慎太郎に送る手紙」戸森しるこ
「どうせ私なんて」その言葉を口にする度中学生にループしてしまう『詩織』。イジメている三人組から逃げて屋上でお弁当を食べていると、同じくイジメられている『弥生』と知り合う。『今』が終わりが