小林せかいのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「未来食堂のランチメニューは日替わり一種類」
こんな小さなことが、飲食業界では異端だ。
「お客様がメニューを選べる」方が常識。
それは、お客様にとって選択肢が多いことがプラスだから。
しかし著者の小林せかいにはそれがどうしてもプラスに見えない。
メニューが多いから、厨房はてんやわんや。
だからお客様が座って食事を提供するまでの時間がどうしても長くなる。
食材効率も悪い。
つまり原価率がUPし、販売価格も上げざるをえなくなる。
「これが果たしてお客様のためだろうか?」
ここまで気が付く人はある一定数いるだろう。
しかし「どうやって改善をしたらいいか?」までが想像が付かない。
これは飲食業の「既成概念」が、改善策について思考停止を促しているのだろう。
異業種から来たこの著者には関係がない。
しかも自分の責任で起業したお店だから尚更関係がない。
イノベーションはこういうところから生まれるのだろう。
・食材効率を考え、メニューは日替わり一種類
・お客様が座って最短6秒で料理を出す
・ご飯はお櫃で出し、お客様によそってもらう
・ご飯茶碗は割れるから、木のお椀にした
これらの改善はほんの一例だ。
まだまだ「目から鱗」の改善が沢山ある。
現状を嘆いていないで、我々にはもっともっとやれる事があるはず。
ただ愚直にやるだけなんだ。
ダメなら元の方式に戻せばいい。
簡単な事をなぜやらないのか?
やはり「既成概念」「思い込み」こそが一番の敵なのかもしれない。
(2018/8/20) -
Posted by ブクログ
日本IBMやクックパッドでのエンジニア経験を経て夢であった飲食店未来食堂を開業した小林せかい氏が未来食堂開業までの紆余曲折と開業してからの想いやこだわりなどを掲載したブログをまとめた一冊。
「誰もが受け入れられ、誰もがふさわしい場所」という理念のもと、あつらえ、まかない、さしいれ、ただめしといった他にはない独創的な制度で飲食店として発展してきた未来食堂。そんな同店を開業のための修行時代や開業までの大変さや苦悩、心境の変化を本書を読むことで当事者の立場を知ることができました。
修行時代の飲食店での修行ではチェーン店や個人が営んでいる店などそれぞれの特色を知ることができ、また物件やロゴなど自分のお店を上手く表現するためのこだわりも知ることができました。
店舗が出来てくるにつれて店主としての覚悟を感じながらも15歳の時に決めた夢に向かって前進する著者の姿には心打たれました。
また、それぞれの店で学んだことから取り入れるべきことを取り入れながらもエンジニアとして飲食界では考えられないような事業計画の公開など革新的な施策を行なっている事は新しい飲食店のカタチだと感じました。
本書の中でも開店後に今までにない飲食店として多くのメディアに取り上げられるなかでの自身のイメージとの著者の葛藤は印象的でした。
また、顧客が調理や接客を行うまかないの制度はまかないガイドを参考にする事で曖昧さや双方の不安を無くし、オペレーションがしっかりしていると感じました。
開店後も新しい事を導入したり、逐次状況を見て、変化し、発展してきた未来食堂が今後飲食業界にどんな影響を及ぼすのか楽しみになるとともに、閉鎖的な飲食業界を変えようとする著者の姿に心を打たれ、そして著者の経験を通して飲食店の裏側を知ることのできた一冊でした。