あらすじ
メディア大注目!「未来の食堂」誕生の物語。
2015年9月、神保町のビルの地下に、たった12席の小さな食堂がオープンしました。その名は「未来食堂」。
「まかない」「あつらえ」「ただめし」といったユニークなシステムを導入したその店には、客はもちろんのこと開業当初から現在までメディアの取材が引きも切りません。
事業計画書・月次売上もすべてウェブで公開するという「飲食業のオープンソース化」を目指して、元エンジニアならではのまったく新しいコンセプトによって生まれた「未来食堂」誕生のドキュメントを、外食チェーンでの修業の日々やコンセプトメイキングの過程を中心にオーナーの小林せかい氏が開業に先立って公開していたブログをベースに日記形式で紹介します。
巻末には事業計画書全文も収録。
飲食業界だけではなく、これまでにない新しいビジネスの形をインスパイアする一冊です。
【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
今までの飲食業の考え方を一蹴している。この本のすごいところは通常自分の事業計画書やマニュアルを載せない。しかし、著者がIT業界出身者だけにオープンソースの考え方でこれからの飲食業の事を考えて出し惜しみをしていない。各メディアに取り上げられるだけのことはある。これから開業を考える方は必読だし、それ以外の方も学ぶべき事は多い。
人間味溢れる一冊
人間の変わらない性質、心模様など開業の手ほどき書には書かれて来なかった事も盛り込まれています。
表現しにくい感情も言葉で丁寧に表されていてとても理解しやすいです。
不器用さも武器にしてしまう。でも嫌味がない。作者の人柄と情熱に自分も焚き付けられました。
起業、開業を考えている方はオススメです。背中を押してくれます。
Posted by ブクログ
自分がやりたい飲食店を立ち上げるまで進み方や修行の様子、その時の心情などが分かりやすかった。お店をあったあとに書こうと思っても書けないものなのかなーと思った。
結果的にはうまく行っていても、それまでの過程で苦労したこと、悩んだことなどは多分、誰でも経験することなんだとうと思う。その苦労や悩みをどう考え乗り越えたか、事業計画書などなどとても参考になった!
Posted by ブクログ
「未来食堂」が、一人の思いつきから、いかにして具体的な形になっていったのかがわかる一冊でした。特に、事業のすべての過程をオープンにし、多くの人を巻き込んでいくプロセスは、何かを始めようとする人にとって大きなヒントになると思います。
Posted by ブクログ
未来食堂。
2015年開業、開業当初からメディアで注目され、店主の筆者は、日経WOMANのウーマン・オブ・ザ・イヤー2017を受賞。
そんなことは全く知らずにこの本に出会って、そうなんだ、ふぅ〜んと思い、パラパラとページをめくって、書かれているそのコンセプトに興味をひかれ、一気読み。
面白かった(笑)。
私にとってのツボは、都会ど真ん中のキャリアウーマンを辞めて飲食店バイトで修行の日々のつぶやき「去年仕立てた総カシミヤのロングガウンコートを着る日は来るのだろうか・・・(P40)」
東工大に着物通学etc.、そもそも「違う」人だよねー、としか思えない彼女だけど、このつぶやきがとても身近に感じられました(笑)
↑この本読んで一番ツボったのが、そこ⁉︎ という批判は、甘んじて受けます。
Posted by ブクログ
定食屋を開業する際、エンジニアを退職してバイト修行するところから、開店数ヶ月までのブログのまとめ
感じたことや考えられたことが時間順に並んでいて、様子が伺えて非常に興味深い。飲食店を開こうとされる人にはとても貴重な資料になりそう。そうでなくても、この方の視点や考え方は面白い。
Posted by ブクログ
食堂経営を分かりやすく書いた名著。
サイゼリヤにリスペクトしていることに共感。
店をもつ気はないが学生時代に読んだら成長的なバイトをしただろう。
Posted by ブクログ
飲食開業に興味を持ってるところに、よく名前を聞く未来食堂のタイトルを見つけて読んでみたく。
オーナーであるせかいさんのこだわりがすごく、「まかない」「ただめし」「あつらえ」など飲食業からしたら斬新なシステムがすごい。
これから飲食開業を目指す人には非常に参考になる一冊。
一度食べに行かねば!
Posted by ブクログ
日本IBMやクックパッドでのエンジニア経験を経て夢であった飲食店未来食堂を開業した小林せかい氏が未来食堂開業までの紆余曲折と開業してからの想いやこだわりなどを掲載したブログをまとめた一冊。
「誰もが受け入れられ、誰もがふさわしい場所」という理念のもと、あつらえ、まかない、さしいれ、ただめしといった他にはない独創的な制度で飲食店として発展してきた未来食堂。そんな同店を開業のための修行時代や開業までの大変さや苦悩、心境の変化を本書を読むことで当事者の立場を知ることができました。
修行時代の飲食店での修行ではチェーン店や個人が営んでいる店などそれぞれの特色を知ることができ、また物件やロゴなど自分のお店を上手く表現するためのこだわりも知ることができました。
店舗が出来てくるにつれて店主としての覚悟を感じながらも15歳の時に決めた夢に向かって前進する著者の姿には心打たれました。
また、それぞれの店で学んだことから取り入れるべきことを取り入れながらもエンジニアとして飲食界では考えられないような事業計画の公開など革新的な施策を行なっている事は新しい飲食店のカタチだと感じました。
本書の中でも開店後に今までにない飲食店として多くのメディアに取り上げられるなかでの自身のイメージとの著者の葛藤は印象的でした。
また、顧客が調理や接客を行うまかないの制度はまかないガイドを参考にする事で曖昧さや双方の不安を無くし、オペレーションがしっかりしていると感じました。
開店後も新しい事を導入したり、逐次状況を見て、変化し、発展してきた未来食堂が今後飲食業界にどんな影響を及ぼすのか楽しみになるとともに、閉鎖的な飲食業界を変えようとする著者の姿に心を打たれ、そして著者の経験を通して飲食店の裏側を知ることのできた一冊でした。
Posted by ブクログ
目的志向で非常にロジカル。マイケル・ポランニーは「われわれは語れる以上のことを知っている(we can know more than we can tell)」と言ったが、彼女は自身の行動の源を的確に言葉にしていると感じる。もしくは、書いてある以上のことをさらに考えているのであれば、さらに驚きである。そして、事業計画書やレシピを暗黙知にせず、オープンソースのように形式知化することに非常に共感した。
Posted by ブクログ
未来食堂は、東京・神保町にある定食屋さんです。
私が、この食堂にひかれた理由は、
ランチタイムは、メニューが1品のみ、
「まかない」というお手伝いの制度はありますが、
基本的に、一人でやっているということです。
小林さんは、東工大数学科卒、日本IBM、クックパッドのエンジニアを経て、未来食堂をオープンしました。
この本には、エンジニアが、まるでシステムを構築するように、お店をつくっていく様子が、描かれています。
(なんとなくこうなった…は存在しません。)
未来食堂は、定食屋さんにもかかわらず、
経営情報をホームページで公開しています。
これは、IT業界が、オープンソースにより
スピィーディーに発展したことから、
情報共有という考え方を、飲食店業界に持ち込むために、公開しているそうです。
このようにIT業界の仕事のやり方が、随所に見られます。
「まかない」という制度は、
50分お手伝いすると、1食分900円が無料になります。
この「まかない」は、クラウドソースからきています。
クラウドソースとは、
「不特定多数の人を募り、必要とするサービスや、アイデア等を取得するプロセス」です。
ブラックになりかねませんが、
実際には、将来、飲食店をやりたい方が、
この制度を利用して、お手伝いしています。
タスクを細分化することにより、一人ひとりの負担を少なくし、全体として大きなタスクを成し遂げる…
職場でも、これができれば、大きなことが、もっと迅速に進むのでしょう。
18時からは、「あつらえ」という、
お客様の要望に応えた料理を提供するサービスがあります。
しかし、基本は、デフォルト(あらかじめ設定されているもの)のメニューで満足していただくことが目標です。
カスタマイズにより、それぞれのお客様に合わせることは、実は、誰にでもできることであり、
隙のないデフォルトを作り上げることこそ、
プロなのではないかと思いました。
下記は、小林さんの、アイデアを現実にするまでの流れです。
1 自分にとっての息苦しさを見つめ続ける
→自分自身が絶対にイヤを掘り下げる
2 一枚の絵がひらめく
3 現実に落とし込む(定石)
4 現実に落とし込む(独自)
小林さんは、世間でよいとされているものを集めて発想しても盆栽にしかならない、といいます。
自分にとっての息苦しさ、不便さ、
それは、解決されていないからこそ感じることであり、そこに商機があるんですね。
近いうちに、「未来食堂」に行ってみたいと思います。
Posted by ブクログ
業界の常識やナレッジを飲食業界で上手く活用したことを実体験を元に語っている。
そしてコンセプトを根本軸に「未来食堂」のあるべき姿がしっかり見えてきた。
思考がエンジニア出身らしく、理論立てているので、参考になる。0から何かリアルビジネス(特に閉鎖的な業界)をしていこうという人にはオススメ!
Posted by ブクログ
コンセプト設計から、ビジネスモデル、物件探し、工事、資金などかなり具体的に立ち上げの話が書かれていて面白い。
飲食店として重要なことを多角的に学べる一冊だった。
Posted by ブクログ
ご飯どころのお話なので、美味しい料理の話が出てくるのか?という期待はできない本です。
この本では、さまざまなアイデアや、アイデアを支えるプラン、斬新な考え方などが紹介されており、新しく店を始めたい人におすすめ。
できるまで、というタイトルにふさわしい。
修業時代には、アルバイトの中で料理の研究や、スピーディな提供の仕方などを分析されています。
みている観点が大変興味深く、論理的でわかりやすい。
なによりもお店を考える前から大まかなビジョンが決まっており、イメージを具現化するための具体的プランが立脚される過程があるので安定感がある。
計算し尽くされた効率的な回転システムがすごい!
昼食を一食に絞ることで一人で切り盛りできるようになっていて、感心しました。
ありそうでなかった「まかない」などのシステムも興味深い。
思いついたからやってみたというレベルではなく、コンセプトである「誰もが受け入れられ、誰もがふさわしい場所」に合うものになっているのがすごい。
昼食が一食というのはどうだろうとも思いましたが、毎日変わるのなら飽きないのかも。
残念なのは、本書では売りである「あつらえ」の良さがあまり感じられなかったこと。
理論や既存のシステムの分析、プランや発想、考え方は大変細かく述べられていますし、実践した結果の報告もあるのですが、具体的な食堂の姿が見える記事が少ない気がしました。
なにかを成し遂げようとする人がどんなことを考えているのかが伝わる本です。
目標をもつ人に読んでほしい。