多田克己のレビュー一覧
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妖怪に詳しい方々が、
トークイベント「ひどい民話を語る会」を開催した後、書籍化したもの。
民話ってその土地に伝わってるお話ですよね。
それは、作家の話じゃなくて、世間話に尾ひれをつけて、
夜な夜な囲炉裏ばたで子どもにせがまれて爺婆が面白く話して聞かせたエンタメだったんだ、と。
だから、いい加減な終わり方したり、他にも似てる話と混ざってしまったり、聞かせる相手が喜ぶからシモネタになっちゃったり、と素人っぽい雑さもあってひどい話になっちゃう。
イベントのそのまま書籍化されたらしく、対談形式でツッコミが入ったり、楽しい雰囲気が伝わってきます。
さくさくっと読めますが、いっぱい笑っちゃうので1人の時 -
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江戸時代の絵師、鳥山石燕が著した妖怪図典『画図百鬼夜行』シリーズ。全十二作のこのシリーズは、誰もが知っている有名所の妖怪に始まり、だんだんとあまり知られていない妖怪やこの図典にしか紹介されていない妖怪が増えていく。
水木しげるや京極夏彦、そして『妖怪ウオッチ』など、妖怪熱がなかなか覚めない人なら誰でも知ってるこのシリーズ。実は、石燕の遊び心満載の見立絵画集でもあった!
画図百鬼夜行シリーズの中から、京極夏彦氏の妖怪シリーズ内に掲載された妖怪四十二種を徹底解説した、現在も妖怪専門誌にて連載中の妖怪ガイド。
なぜ「狂骨(きょうこつ)」は井戸桶から登場しているように描かれているのか。
「 -
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【一言感想】
学術的な価値は無いかもしれない民衆が作り上げてきた芸術作品
娯楽の無かった時代に子ども達を楽しませる手段として先鋭化されてきた民話
今も昔も子どもはシモネタを好む傾向があるのか、昔の民話では思いの外取り上げられているけれど、そういう作品は民俗学者から敬遠された結果遠ざけられた作品は多いそう
「子どもが喜んで面白がってくれりゃいいか」で創作されているので、オチも無ければ謎が残ったままの話が多いが、キレイにまとまっていないから話として何度も聞きたくなったり、自分流にアレンジをしていくことで無数に民話が生まれていった側面もあるのだと本を読んで思いました
民話をくだらない話だと切 -
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2020〜21年頃、判で押したように「同じ時期、同じ場所」へ修学旅行に行っていた当地の小学校も路線変更を余儀なくされたと聞いた。
コロナ禍のためである。
中止にするのはしのびないが、人が大勢集まるところに子どもたちを連れて行くのはリスクが高すぎるという判断で、学校により時期もまちまち、行き先は近場の史跡がある場所などになったようだ。
テーマパークを楽しみにしていた子たちはさぞやがっかりしただろうが、先生たちにとっても苦肉の策だったはずだ。
一方で、"地元の史跡"みたいな場所には(近すぎて)あまり行かないもので、この体験をきっかけにして「車で2時間ほど走ればこんなに面白い場所があったんだなあ -
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村上先生の妖怪スポット本には大変お世話になっている。妖怪大好き、聖地巡礼·フィールドワーク楽しい!というオタクにはかかせない情報をくださるので手放せない。
その村上先生と、多田先生、編集者による妖怪珍道中。奇行?謎発言?の多田先生、それに文句のある村上先生。
途中京極御大も参加しているのだが、強行軍が過ぎて居たか居ないか…御大の本のインパクトとはまったく間逆な影の薄さ。これは帯のキャッチコピー詐欺なのでは…。
とまれ、現地での調査でしかわからないこと、現地の人との交流で得られる知られていない情報など、生のフィールドワークならではの発見や楽しさが読み取れて楽しい。
本で知識を得るのはもちろん重 -
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ネタバレ鳥山石燕の『画図百鬼夜行』シリーズに登場する妖怪(特に京極夏彦の「京極堂シリーズ」に登場するもの)を解説した本。「姑獲鳥」、「魍魎」など計42種の妖怪について紹介、その背景を古典漢籍や当時の江戸の習俗など様々な知識を活用して解読する。
鳥山石燕の妖怪画には絵解きの要素が含まれているが(特に石燕による創作と目されているものはそれが顕著であるという)、著者は和漢の書物や江戸の風俗、民間伝承に言葉遊びといった広範な知識をフル動員してその解釈に当たっている。様々な要素を考慮して解説される絵解きの解釈には疑問符のつくものも幾つかあるが、絵の解読に当たって展開される知識の多くは見ているだけでも勉強になる( -
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「日本と世界の「幽霊・妖怪」がよくわかる本」3
編著 造事務所
監修 多田克己
出版 PHP文庫
p259より引用
“明治時代の日本が、躍起になって西洋から学ぼうとした
近代合理主義に、当の西洋が納得しきれずに苦悩していた
証だともいえよう。”
年間40数冊を編著する企画編集会社による、
妖怪や幽霊を紹介する一冊。
ゲゲゲの鬼太郎にもでてくる一反木綿から、
実在した歴史上の人物の怪しいエピソードまで、
幅広く掲載されています。
上記の引用は、
西洋の幽霊を紹介する章の前置きの一文。
科学的合理主義に寂しさを感じるというのは、
分からなくもないところです。
しかし、
その寂しさを感じる人