多田克己のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ鳥山石燕の『画図百鬼夜行』シリーズに登場する妖怪(特に京極夏彦の「京極堂シリーズ」に登場するもの)を解説した本。「姑獲鳥」、「魍魎」など計42種の妖怪について紹介、その背景を古典漢籍や当時の江戸の習俗など様々な知識を活用して解読する。
鳥山石燕の妖怪画には絵解きの要素が含まれているが(特に石燕による創作と目されているものはそれが顕著であるという)、著者は和漢の書物や江戸の風俗、民間伝承に言葉遊びといった広範な知識をフル動員してその解釈に当たっている。様々な要素を考慮して解説される絵解きの解釈には疑問符のつくものも幾つかあるが、絵の解読に当たって展開される知識の多くは見ているだけでも勉強になる(ただ、「蓑火」の解説[p141]で「井上円了が『不思議弁妄』にて蓑火の正体をガス体とした」というのは誤りである。『不思議弁妄』の著者は新井周吉であるし、井上円了は蓑火の正体を『迷信解』にて「燐の気」としている)。その上で、広範な知識を活用しなければならない妖怪研究の難しさを改めて思い知った。 -
Posted by ブクログ
「日本と世界の「幽霊・妖怪」がよくわかる本」3
編著 造事務所
監修 多田克己
出版 PHP文庫
p259より引用
“明治時代の日本が、躍起になって西洋から学ぼうとした
近代合理主義に、当の西洋が納得しきれずに苦悩していた
証だともいえよう。”
年間40数冊を編著する企画編集会社による、
妖怪や幽霊を紹介する一冊。
ゲゲゲの鬼太郎にもでてくる一反木綿から、
実在した歴史上の人物の怪しいエピソードまで、
幅広く掲載されています。
上記の引用は、
西洋の幽霊を紹介する章の前置きの一文。
科学的合理主義に寂しさを感じるというのは、
分からなくもないところです。
しかし、
その寂しさを感じる人の心の部分に、
付け入ろうとする人達が多いのは悲しい事実だなと思います。
巻末あたりの参考文献が豊富なので、
資料を探す入り口として。
ーーーーー