松井優征のレビュー一覧
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感動の名作
殺せんせーのビジュアルを見た第一印象は「なんかキモい。」その一言につきた。ウネウネした触手だらけの身体に丸い頭がちょこんと乗っている。得体の知れない生物の外見は、誰が見ても気味悪い印象しか抱かないだろう。だがそれが最終巻に近づくにつれ不思議なことに、かわいい、愛らしい、そんな思いが込み上げてくるのだ。
作者が思いを載せた殺せんせーの言葉や彼の真剣な教育に、いつの間にか心を打たれる自分がいた。そしてそんな殺せんせーのことがどんどん好きになって、最初は気味の悪かった外見が最後は全く気にならなくなり、それどころか愛くるしいキャラクターとして自分の中に受け入れてしまった。
必ず最期が来る、それが教室。と作中で語られたが、現実世界では別れが訪れるのはなにも学校だけではない。学生を卒業した後も、同僚との別れ、親しい人との別れ、最愛の人との別れ、別離は色んなタイミングでそこら中に転がっている。でもそれは悲しいだけの出来事じゃない。別れ行く人から学んだことは自分の武器になり、形を変えながらも私たちの側でずっと支え続けてくれるのだ。そんなことをこの作品は教えてくれた。
別れと旅立ちのこの季節、居心地の良かった場所との別れを悲しみ、新しいステージへの不安で一杯のひとも多いと思う。かく言う私も実はその一人だが、そんな人たちへのエールとなる作品だ。
感動をありがとう、殺せんせー。 -
Posted by ブクログ
卒業の時間。
師を超えていくことが、弟子の定め。とはいえ、この師弟の場合、物理的に「殺す」ことが超えるための通過儀礼という残酷さ。なぜだろうか。師匠との死別というのは、過去何度もいろんな作品で読んできたシチュエーションなのに、達成感よりも喪失感のほうが強いのは。
いつの間にか、E組面々のように殺せんせーとの絆を感じていたからか。先生だったり大人だったり友人だったり。ただただ教え導くでなく、お互いに対等な関係で遊ぶことすらできた関係だから、達成感より喪失感なんでしょう。
卒業おめでとう。
あ、俺さま柳沢のやられ方はいいと思います。みじめさ、挫折を心底味合わせてあげるという。