渡辺多恵子のレビュー一覧
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ネタバレ藤堂平助をとても素直で純粋な青年として
描かれていることにとても好感をもつ。
良い人だが真面目すぎる、影が薄い、
というような扱いをフィクション上受けがちな藤堂さんを
男らしさも出しつつ、相応の年齢らしい若さを表現してくれたと思う。
新選組と言えば池田屋、というフィクションも未だ多い中で
多摩で近藤さんたちがどうしていたか、を描いてくれる作品には
概ね好感を持つ。
沖田の幼少時を描いてある今巻も、面白いと思う。
十歳近く歳の離れていた近藤、土方から見れば
沖田は可愛い弟分だったろうし
そんなふたりにしてもまだ若い盛りで
微笑ましいし、現代と比較していろいろ考えると複雑にもなる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ単なる華やかさと切なさばかりにクローズアップされがちな遊女に関して
作者が史実を調べ抜いて話を作っているのでリアルでとても面白い。
小花さんのエピソードは、リアルな遊女の切なさが感じられる。
手配書すら似顔絵だった時代
他人に成り済ますことも多々ありかつ容易だった状況下で
新選組の沖田と名乗って信用されない
というのも、些細なエピソードながら面白い。
だからこそ新選組のネガティブキャンペーンだったり
単に人のせいにしたかったりで
新選組の名を騙って押し借り等の悪さをした者もいた訳で
事実を物語る重要な設定だ。
大阪撤退時の局長の発言が非常に恰好良い。 -
Posted by ブクログ
史実を調べていると、西本願寺については
いろいろ思うところがある。
この巻の展開も興味深い。
実際西本願寺の案内板には本願寺とあったし
新選組に対して良い思いは抱いていなさそうな印象だった。
ギンさんの描き方はとても”ぽい”なと感じた。
また、壬生から島原、西本願寺へ歩いたことがあるが
それなりの距離はあったし
現代においても整備された観光地とはいえ
綺麗な街中と民家の立ち並ぶ町という差異はあった。
この当時ならばやはり、セイたちのように感動したことだろう。
斎藤さんが兎に角良いキャラをしている。
また、この巻の風光る日誌の散華のエピソードはとても好きだ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ芹沢一派の粛清と、土方と山南の対立は
新選組モノの序盤の見せ場でもあると思う。
とかく、身勝手だったり野蛮だったりで片づけられがちなこのエピソードを
うまく少女漫画の中におさまるように
綺麗な物語に仕上げてあるところがすごいと思う。
個人的に、今まで接してきたフィクションで
一番好きな芹沢さんを描いてくれたのは、
大河ドラマの”新選組!”なのだが
手向かいもせず愛しい人と安らかに眠ったまま逝ったというのも
それに対して、好きだからこそ自分が斬りたいと沖田さんが願ったというのも
これはこれで美しいと思う。
また、山南さんと土方さんに確執があったとする話が多いが
案外こんな謙虚と照れ屋なだけだ -
Posted by ブクログ
ネタバレこの巻の密偵のエピソードは、緩急ついており
シリアスな面もあればオチもついていて面白い。
この坂本龍馬の描き方は、新しいと思う。
個人的なイメージとは違うものの、インテリな龍馬というのは
あとがきにもあるように司馬先生の竜馬のイメージが
あまりに世間に強く浸透しているため中々いない。
が、こんな龍馬も”あり”だと思う。
個人的には、”竜馬”よりこうした能天気で人懐っこい人物像の方が
歴史上の数々の逸話に納得がいく気がする。
こういった歴史を扱ったフィクションを読んでいると
驚くのはそれを事実だと信じ込む読者の多いことだ。
坂本龍馬に限らず、フィクションをきっかにして
自分で実像を調べて学ん -
Posted by ブクログ
ネタバレ買い損ねていたことに気がつき、購入。
どうしても、史実上この先新選組には厳しい事件がいくつも待ち受けているだけに
読み進めるのがつい憂鬱にもなる。
また、沖田さんの鈍感さはあまりにも不自然。
まぁ、それに対する斎藤さんが面白いので良いのだけれど。
伊東一派について、大概の新選組モノは伊東さんを悪者にするか
土方さんを残酷な人扱いにするかだが
風光るは本来の史実に対して自分がよく思う、
誰か悪役がいるわけではなく、それぞれの立場で
それぞれの信じることのためにただひたすら戦った、という描き方。
中村さんが神谷を救わなくては、と考えるシーンはぐっときたし
伊東さんの遊説について土方さんにも織り