吉田恭教のレビュー一覧
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警察小説と本格ミステリのハイブリッド、とのこと。確かに、途中でいきなり館トリックめいたものが出てきて、本格ミステリっぽくはあったのだけど、トリックがちょっと強引かな。それに、最初の警察捜査で見逃されることもないような気がするし。この作者の他の本でもそうだけど、警察捜査を無能にし過ぎではないかな、とちょっと引っ掛かってしまう。
刑事と元刑事の犯罪ジャーナリストのコンビ感は良かった。今回、身内がもろに関わる事件だったので暴走気味ではあったけど、このコンビならまた別の事件で読んでみたい気も。ただ、特殺を扱う班として、猟奇殺人なりを取り上げるのはいいのだが、猟奇殺人なのか、トリック殺人なのか、詰め込み -
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オカルト、医療物を得意とする作家さんの刑事もの。
警察小説はすでに1冊出ているが、いまいちだったし、今作のタイトルも「う~~~~~ん」と言う感じなので、読むのを迷ったが、ここまで全作読んでいるので、とりあえず読んでみることに。
東京で見つかった謎の性転換手術を受けた男性の遺体。大阪刑務所で起きた襲撃事件。この2つの事件を軸に、遺伝性の病気の為、紫外線を浴びることが出来ない捜査一課の女性キャリア・堂安一花の代わりに、若手の舟木がフィールドワークをこなしながら、事件解決していくと言う内容。
一応警察小説になるのだろうけど、解説にもあるようにどちらかと言うと推理小説を読んでいるような感覚。
個人的に -
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紫外線を浴びると皮膚が火傷を起こし、死に至る事もある難病の女性警視が主人公の、(多分)新シリーズ。警視は自宅で日光を遮断しながら暮らし、部下にスマホで逐一指図しながら捜査させる。それで「ドラキュラ分室」という訳。
なんか最近、こういう特殊設定のミステリが増えた気がするなあ。この女性警視を異常な病気にして安楽椅子探偵にする必然性がイマイチ分からない。
尤も、事件そのものは面白かった。大阪刑務所襲撃と、性転換をした死体と、連続して起きた誤嚥性窒息死。関係の無さそうなこれらが見事に繋がっていく。この著者の真骨頂と言えるだろう。今回は真相の重さが辛かったが、楽しみなシリーズになりそう。 -
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大好きな作家さんの初の警察小説。
出たのを知らなくて、本屋で見つけて、即買い!そして、一気読み。
主人公は捜査一課のエースにして、ジョーカーと呼ばれる佐倉。
佐倉には10年前に行方不明になった妹・悦美がいた。
悦美の生死を気にしながら、日々を送る佐倉が担当した連続焼殺事件の中で、悦美が行方不明になった時に乗っていた車に残されていたDNAと一致する被害者がいた。身元は分からないながらも、関係者と見なされた佐倉は捜査を外される。
そんな佐倉は、元刑事でジャーナリストの有働と組んで、独自の捜査を始める。
連続焼殺事件の話かと思いきや、中盤、突然大手企業の別荘で起きるオーナーの殺害現場の状況が描かれた -
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槙野&東條シリーズのスピンオフ?今回は槙野の出番はほとんどなく、東條が山梨県警と富士山麓の樹海で起きている失踪事件の謎に迫る。
渋谷で通り魔事件が発生。一人だけ生き残った女性の身元は分からないものの、鬼の刺青を体に入れていた。
同時期に樹海で、若い女性の遺体が発見される。
渋谷の女性の身元を探っていた警視庁の東條と、樹海の事件を担当していた山梨県警の2人の刑事は、ある宗教団体に行きつく。
樹海で起きていたと思われる連続拉致事件、関係者の年齢不詳な容姿など、物語が進むほど、最初の事件の内容がどこへ行ったやら…と言う感じ。
今までの作家の作品よりは、後半の急な事件解決はなく、全体的にまとまっていた -
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槇野康平・東條有紀シリーズ、3作目。
シリーズとは言えど、今作は東條有紀一人がメイン。前2作を読んでいて、探偵と警察の捜査が上手い具合にハマっているなぁという印象だったのだが、今作はほぼほぼ警察捜査のみ。事件のショッキングさ、グロさ等、ストーリー的には悪くないのだが、正直なところ、探偵槇野が登場して来ない分、今作は警察捜査しかないのに、その肝心の警察捜査に全くリアリティを感じなかった。民間の探偵捜査だと、勘を頼りにぐいぐい進めていくのもアリだと思うけど、、、警察捜査に違和感だらけで、描写が何だか素人っぽい。これまでこの作家さんの作品を読んできた時にはあまり感じなかったんだけどな、、、。まぁ、 -
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吉田恭教『凶眼の魔女』実業之日本社文庫。
『可視える』の改題文庫化。初読み作家ではあるが、作家の存在は知っていた。この作家の作品では初の文庫化ではなかろうか。猟奇連続殺人事件を描いた探偵ミステリー小説。無駄に残虐描写が多いだけで、ドッと疲れる作品だった。
なかなか面白そうな感じで物語が幕開けしたのだが、登場人物の設定や物語構成の無茶苦茶さ、無理矢理過ぎる犯人設定、終盤での犯人の有り得ない饒舌さ、挙げ句にサイコパスへの作家の理解不足とトンデモな作品だった。
以前、この作家にTwitterでフォローされたことがきっかけで、ばらのまち福山ミステリー文学新人賞の受賞作家であることを知っており、作