あらすじ
日本中を震撼させていた連続老女強殺事件の犯人が逮捕された。しかし犯人の持ち物から、被害者の夫が旧日本軍で研究していた恐ろしい細菌についての遺書が発見され、公安調査官・霧坂美紅が調査に乗り出す。
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Posted by ブクログ
吉田恭教『凶血 公安調査官 霧坂美紅』角川ホラー文庫。
角川文庫の今月新刊4冊連続読みのラストを飾る作品。『ラストの大どんでん返しに、瞠目せよ!』と帯にあるので、じゃあ読んでやろうじゃないかと。著者とはTwitterで喧嘩したことがあるので良い印象は無いし、これまで文庫化された作品も読んでみたが大して面白くはなく、全体的に評価は低いのだが……
と、また前置きが長くなってしまった。
旧日本軍が開発したウイルス兵器を巡るサスペンス・ホラー小説。
悔しいが、まあまあ楽しめた。しかし、前半と後半のストーリー展開のバランスが悪く、所々直ぐには理解が難しい記述があったりと、諸手を挙げて絶賛出来る作品ではなかった。もう少し全体のバランスや文章の隅々まで練り上げれば、もっと読み易く面白い作品になったと思う。非常に勿体無い。
いきなり2021年春に主人公の元自衛官の公安調査庁調査官、霧坂美紅が10年間に及ぶ眠りから目覚める場面から始まり、10年前の2010年夏のブロローグへと突入し、そのまま本編へと雪崩れ込む。
何故、霧坂は10年間もの長い間、眠っていたのか……霧坂が調査する連続老女殺害事件に関連する旧日本軍の情報とカルト教団……女性刑事の中野千明が捜査する女子大生変死事件……
恐らくシリーズの第1弾という位置付けで、異形の最強ヒロイン誕生の巻といったところなのだろう。
本体価格720円
★★★★