吉田恭教のレビュー一覧
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吉田恭教『凶血 公安調査官 霧坂美紅』角川ホラー文庫。
角川文庫の今月新刊4冊連続読みのラストを飾る作品。『ラストの大どんでん返しに、瞠目せよ!』と帯にあるので、じゃあ読んでやろうじゃないかと。著者とはTwitterで喧嘩したことがあるので良い印象は無いし、これまで文庫化された作品も読んでみたが大して面白くはなく、全体的に評価は低いのだが……
と、また前置きが長くなってしまった。
旧日本軍が開発したウイルス兵器を巡るサスペンス・ホラー小説。
悔しいが、まあまあ楽しめた。しかし、前半と後半のストーリー展開のバランスが悪く、所々直ぐには理解が難しい記述があったりと、諸手を挙げて絶賛出来る作 -
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シリーズ第5弾。
今作の始まりは鏡探偵事務所に舞い込んだ人探しの依頼。
簡単に目的の人物は見つかり、調査は終了したかに思えたが、すでに亡くなっていた目的の人物が別人の可能性があることから、槙野は捜査一課の東條に相談する。
すぐに捜査に乗り出すと、そこには槙野が警察を辞める際に担当していた未解決事件との関係が出て来て…
と言う内容。
槙野の過去が清算されると言う意味では、これまでの集大成と言えるだろう。
今作では「オカルト」がテーマであった今シリーズのオカルト要素は一切なく、本格的なミステリ作品に仕上がっている。
主要舞台を作者が住んでいる島根にしているところなどからも、今作への意気込みが見受け -
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槙野・東條シリーズ第4弾。
昆虫学者だった祖父が7年前に広島にある山に入ったまま、行方不明になった大学生の春日は、その祖父の意思を継ぎ、祖父が消息を絶った山に、大学の登山部の仲間と入ることに。表向きは遺骨を探すためだったが、何故か、その後一緒に山に入った仲間が次々と殺される。
一方、その春日の母から依頼を受けた槙野も「入らずの山」の謎に迫っていく。
訳ありの山、元は人里離れた村だった集落に隠された秘密。
このあたりは、このシリーズの得意とするところ。
大学生の不審死の事件を追っていた東條も加わり、今までのシリーズの中で一番展開としては面白かったと思う。
動機はかなり「う~~~~ん」と言う感じだ -
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ネタバレ槇野・東條シリーズ最新刊!キターー!!♥
毒婦の涙か、それとも聖女の涙か――。
依頼は単なる人探しだった。すぐに解決すると思い込んでいた依頼だった。
しかし、事態は急転直下、槙野の忌まわしい過去へと繋がり、迷宮の如き様相を呈し始める。
「卒園者を探していただきたいんです。名前は五十嵐靖男」
児童養護施設の園長から依頼を受けた探偵・槙野康平は、五十嵐が昨年結婚し、今夏に亡くっていることを調べ上げる。
しかし、五十嵐の妻に会いに行った園長が何故か罵声を浴びせられて門前払いされたことから、槙野は園長から新たな依頼を受けて五十嵐が失踪した理由と死因を調べ始めるのだった。
そして突き止めた予期せぬ結 -
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槙野シリーズ第2弾。
盲目のバイオリニストから持ち込まれた依頼。
それは25年前に旅先で1度だけ会った人を探して欲しいと言うもの。
名前しか手掛かりがないまま、行方を捜す槙野は、その人物が4年前に平和島で起きた猟奇的な連続殺人事件との関係性に疑いの目を向ける。
その槙野から相談された捜査一課の東條もまた、平和島事件の真相に疑問を抱き、待機中だった班を挙げて、再捜査に乗り出す。
途中まで、全く事件の核心が見えないまま、物語が展開する。純粋に「どうなるのだろう?」と興味をそそられる展開。
そして、たどり着いた真実はあまりにも唐突で、この作家さんの唯一の欠点とも言える、真相解明時の説明文の多さがやは -
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厚労省・向井シリーズ第3弾。
偽の外交官ナンバーで、起きた死亡交通事故を追う警視庁捜査一課の視点と、不正年金受給詐欺を追う向井の視点、2つの物語で進められる今作。
たくさんの病院関係者が登場するが、二つの事件の交点は見えそうで、見えない状況で中盤まで話が進む。
二つの事件の接点が見えた時、そこにはただの交通事故でも、不正年金受給でもない、もっと壮大な事件の背景が隠されていた。
これまでだと向井一人の推理で、強引に謎解きがされてきたが、今回は準主役とも言える警視庁の南雲・茂木の推理などもきちんと組み込まれ、これまでの作品よりも、かなりミステリーとして、仕上がりが良かった気がする。
警視庁の二人に -
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槙野シリーズ第1弾。
ずっと前から読みたかったが、なかなかこの本が手に入らず、やっと読めた。
あらすじや帯などを見ると、ホラー色が強そうなイメージだが、中身はオカルトを絡めてはあるが、絶対実現はしなだろう、と突っ込みたくなるような部分は一切なく、作者のもう一つの代名詞と言える向井シリーズより、楽しく読めた。
幽霊画を巡る猟奇的な殺人の真相を、警察を辞めて、探偵になった槙野と、姉を惨殺され、感情を持たない捜査一課の東條と言う女性刑事の二つの目線から探っていく。
ラストの犯人の独白部分は、向井シリーズでも感じる、トリックの説明文みたいで、少しだけ嫌になるが、全体的には面白い。
トリックが明かされる -
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初読みの作家。この手を作品は好き。猟奇死体の描写は苦手だが芸術という孤高の世界に見え隠れする狂気。人間の中に潜む鬼はきっと誰しもが持ち合わせているのではないだろうか。最後まで興味の尽きない一品でした。
あらすじ(背表紙より)
目を背けたくなるほど悍ましい幽霊画。その「作者を探してほしい」という依頼をうけた探偵の槇野康平は島根県へ向かう。作者・秋田と会えたが、なぜか怒りを買い追い返されてしまう。それから一年後、秋田は神奈川県で自殺。疑問を持った槇野は調査に乗り出すが、連続猟奇殺人事件に巻き込まれ…恐怖の本格ミステリー!(『可視える』を改題・改稿) -
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ネタバレ評価は4。
内容(BOOKデーターベース)
夕刊ニッポンの記者、周防正孝は8年前に起きた実父の事件を追っている。実父は新潟の漁港で元最高裁判事の首を模造刀で切断、自らも拳銃自殺したのだが、謎が多い。ある日、厚労省の向井俊介から「スクープネタがある」と電話があった。向井は医療ミス疑惑の調査過程で、首切り事件の真相に関わる重大な事実に気付いたという。そこには世間をにぎわす猟奇殺人、人権派弁護士の息子惨殺事件が絡んでいた―。
※作者は違うが「ネメシス」続きの書籍を読んでしまった。
厚生労働省の向井君シリーズ。悪いことをした人にはそれ相当の罰を!
私も含め、日本には司法制度があるんだから当然そ -
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槙野&東條シリーズ。今回はオカルト色があまりないけれど。面白さは相変わらず。槙野が自身の過去に決着をつける部分もあるのが読みどころです。
一見関係のなさそうな様々の事件が繋がってくるのには驚愕。まあわざわざ記されるからには繋がっているのだろうとは思いますが。いったいどういう関連性があるのかということはまったく読めなかったなあ。これはもう槙野と東條それぞれの独自の調査があってこそのお手柄でしょうね。
意外なところから見えてくる登場人物の繋がりにも驚かされたけれど。またしても驚かされた驚愕のトリック。うわー、そんなものがあるのか! これは全然知らなかったし。知っていてもこのトリックに結びつけるのは -
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げ、るーん・・・ぐ、グロい・・・久々に本読んで食欲失くしたわー。。。
あ、でも、めっちゃおもしろくて、一気読みでしたけどw
元刑事の探偵・槇野と警視庁捜査一課の女性刑事・東條の二人が活躍するシリーズのスピンオフで、今回は東條刑事が大活躍~♡
ところで、あの女性・・・やっぱり死刑になるのかしらん?
だったら、もっと死刑になって欲しい人、いっぱいいると思うんだけど?
基準、よくわかんないよねー?
ま、自殺はやめた方がいいよね、うん。
心神耗弱で発作的にってこともあるけどね。
男にフラれて自分が死ぬくらいだったら、相手の男を殺しちゃったほうがいいかもねー?w -
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祖父の遺骨を探すために山に入った学生たちを襲う不審死事件。槙野と東條それぞれの関わる事件が結びついてきて、やがて同一の事件に繋がっていくのはまあ予想したことだけれど。次々起こる事件と、「山の祟り」にまつわる禍々しい雰囲気にぐいぐい惹きつけられます。事件そのものについてはきちんと論理的な解決がなされるのだけれど、本当に祟りもあるかもしれない、というホラー的要素が残るところも好みです。
最後の最後までまったく気を抜けない展開でした。真犯人、なかなかに恐ろしいです。まさか動機がそんなことだったとは。そして今回登場した探偵助手の正体も気になるところ。続編で明かされるのでしょうか。 -
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禁断の地に関わった者たちに訪れる非業の死。
これは祟りか? それとも…。
いや~、「禁断の地」に「連続死」に「化身」ですよ?
吉田恭教さんですよ?
読まないわけがないじゃあありませんか?w
ちょ~っと人が次々と死に過ぎる感はありますが、面白かった~~!!!夏にピッタリ!?w
ジャコウアゲハに、アイゾメヒカゲタケ♡
ジャコウアゲハの蛹は、怪談『皿屋敷』の「お菊」に由来し「お菊虫」と呼ばれてるし~、アイゾメヒカゲタケは、幻覚作用を起こすマジックマッシュルームだし~、小道具の好みとしてもバッチリ♪
・・・実はもっとオソロシイ小道具があるんだけど、それはナイショw
7年前に消息を絶った祖父の痕