木村泰子のレビュー一覧
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インクルーシブ教育の必要性を再認識した。
その一方、まだまだ現場は、特別支援教育と通常学級とを区別する個別支援教育を行なっている。自分もその一員として、交流学級に来る特別支援学級の児童の児童に難しさを感じている。
真面目に勉強する児童の迷惑になる行為があるのも事実である。
ただ、筆者の主張するインクルーシブ教育の必要性も理解できる。
特別支援学級の児童であっても、通常学級のみんなとともに活動することで、通常学級の児童にプラスになることもあり、特別支援学級の児童の成長につながるからだ。
日本の教育における課題点の一つとして、しばらくは解決しないであろう。 -
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みんなの学校が教えてくれたこと
木村泰子 小学館
大空と言う公立小学校の初代校長になった著者の
教師と言う人生を思い返した3290日の記録
こんな型破りな授業が
公立の義務教育で出来るのかと
驚くような話である
面白く思ったのは
第三章の「私の原点」である
中学の教師を目指していたのに
小学校に魅入られてしまい
かなりの頑固者らしく
分離教育に逆らい
あらゆる児童が同じ場で学ぶことの多様性を大事にする
自説をまげずに押し通しているうちに
仲間ができ学級解体を始めとする
全クラス合同授業を広い講堂を使って
各担任を説き伏せ
それぞれが専門分野を受け持つという
異例の教育方針を打ち出す
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Posted by ブクログ
映画「みんなの学校」を観て、どうしたらこんな学校ができるのだろうと考えた。木村さんの講演を聴きに行き、この本も手に取った。
そのなかで、大空小学校のすばらしいところは校長のカリスマ性というよりも、その教育理念と教育システムが見事に一致し、徹底して「子どもの声を聴く」ことを大切にしていることだと次第に理解できてきた。
地域と保護者を「サポーター」として学校に巻き込むこと。そのために、教員は学校を開き、保護者や地域と対等な関係を作る。文句は受け付けないが意見は歓迎する。保護者や地域も、学校をつくる主体になる。
最近、コミュニティスクールということがよく言われるが、地域が学校を評価し、ご意見番にな -
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ドキュメンタリー映画『みんなの学校』を観る機会があり、非常に感銘を受けた。ちょうど本書発刊のタイミングもあったので、さっそく読んでみた。
映画では実名だった子どもたちが仮名になり、本筋を変えない程度にエピソードが少し変更されていることを除けば、半分はほぼ映画に収録のままだ。もちろん、本書には取り上げられなかった映像、映像にはなかったエピソード部分もある。また、木村氏の教師としての原点部分に触れた箇所もあり、内容のすべてが大空小学校での取り組み実例かと、勝手に期待していたのとは若干違っていた。
だがそのどちらでも同じように、教育における主体は子どもで、子どもも大人もあるべき姿は学び合い育ち合い -
Posted by ブクログ
子どもたちが通う学校の先生と、はるか昔の自分の子供時代の先生を思い浮かべながら読んだけれど、批判されているような先生はほとんど思い浮かばない。たまたまいい先生に当たったのか、あるいは、その逆か。ちゃんと「分からない」と言える子どもに育てるべきという意見に、今この歳になると納得できる。子どものころは「分からない」と言うことは悪いことだと感じていて、自分は言えなかったなあ。ついていけない子はレールから外して平均点を良くするという話は、成績(県別の順位など)を軸にしているなら起こっても不思議ではない。ただ、しょせん日本の中だけでの話なので、そんなことをやっているうちに海外の国にはどんどん置いていかれ