木村泰子のレビュー一覧
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ここに書かれている提言とか手法(?)を100%丸飲みにするのも違うだろうな…と思いながら、でも、その根底にある本質的に大切なものを自分のものにしたいと願いつつ読んだ。
自分も含め、多くの日本人が「人に迷惑をかけないように」生きることが美徳であり、それが行動の基準なっている。しかし、それこそが人の失敗を許すことができず、排除へとつながる考え方であるとの指摘にハッとした。記憶に新しいコロナ禍での自粛警察がそうだ。「迷惑をかける子」は一人もいない、その子は「困っている子」。なるほど。「人を大切にする力」を私自身ここから育てていきたいし、関わる子供たちにも育つように働きかけていきたい。
もう一点、子供は「説得しても動かないけど、納得したら動くんです」(p161)との言葉は大いに共感。しかしながら、説得上手な人を真似して、説得力をつけたい、なんて心の中で考えている自分もいたりする。子供たちの心の底から湧き上がってくる行動をサポートできる存在でありたい。 -
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インクルーシブ教育の必要性を再認識した。
その一方、まだまだ現場は、特別支援教育と通常学級とを区別する個別支援教育を行なっている。自分もその一員として、交流学級に来る特別支援学級の児童の児童に難しさを感じている。
真面目に勉強する児童の迷惑になる行為があるのも事実である。
ただ、筆者の主張するインクルーシブ教育の必要性も理解できる。
特別支援学級の児童であっても、通常学級のみんなとともに活動することで、通常学級の児童にプラスになることもあり、特別支援学級の児童の成長につながるからだ。
日本の教育における課題点の一つとして、しばらくは解決しないであろう。 -
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みんなの学校が教えてくれたこと
木村泰子 小学館
大空と言う公立小学校の初代校長になった著者の
教師と言う人生を思い返した3290日の記録
こんな型破りな授業が
公立の義務教育で出来るのかと
驚くような話である
面白く思ったのは
第三章の「私の原点」である
中学の教師を目指していたのに
小学校に魅入られてしまい
かなりの頑固者らしく
分離教育に逆らい
あらゆる児童が同じ場で学ぶことの多様性を大事にする
自説をまげずに押し通しているうちに
仲間ができ学級解体を始めとする
全クラス合同授業を広い講堂を使って
各担任を説き伏せ
それぞれが専門分野を受け持つという
異例の教育方針を打ち出す
その延長線で新設の小学校を任されて
校長に抜擢され
定年までを存分に運営し
職員全員で児童全員を見守るというユニークさと
子どもたちの自律した成長ぶりが評価されて
テレビやドキュメント映画となっていく過程を経て
退官するまでの話である -
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映画「みんなの学校」を観て、どうしたらこんな学校ができるのだろうと考えた。木村さんの講演を聴きに行き、この本も手に取った。
そのなかで、大空小学校のすばらしいところは校長のカリスマ性というよりも、その教育理念と教育システムが見事に一致し、徹底して「子どもの声を聴く」ことを大切にしていることだと次第に理解できてきた。
地域と保護者を「サポーター」として学校に巻き込むこと。そのために、教員は学校を開き、保護者や地域と対等な関係を作る。文句は受け付けないが意見は歓迎する。保護者や地域も、学校をつくる主体になる。
最近、コミュニティスクールということがよく言われるが、地域が学校を評価し、ご意見番になることばかりが強調されていて違和感を覚える。地域と一緒に学校をつくってきた大空小学校の教育こそがコミュニティスクールそのものだと思うし、こういう形でコミュニティスクールが全国で実施されれば教員も子どもも歓迎するのに、と思った。
また、教員が子どもに対して上から指導せず、たったひとつの約束「自分がされていやなことはしない、言わない」だけを大切にしているという点についても、「画期的」だと言わざるを得ない。(こんな本質的な実践が「画期的」に見えること自体、公教育の、教員の反省すべきところなのだが。)
職員室が子どもを守る場所、校長室が子どものやり直しの場所になっていること。大人が子どもの声から学び、自分を過信しないこと。学級単位ではなく常に学校単位で考えること。子どもたちを温かく見守る大人がたくさんいること。
それら一つ一つに子どもを中心に据えた教育の理念が根付いていること。
大空小学校が公教育の「理想」ではなく、「当たり前」になるべきだと改めて感じた一冊でした。 -
Posted by ブクログ
ドキュメンタリー映画『みんなの学校』を観る機会があり、非常に感銘を受けた。ちょうど本書発刊のタイミングもあったので、さっそく読んでみた。
映画では実名だった子どもたちが仮名になり、本筋を変えない程度にエピソードが少し変更されていることを除けば、半分はほぼ映画に収録のままだ。もちろん、本書には取り上げられなかった映像、映像にはなかったエピソード部分もある。また、木村氏の教師としての原点部分に触れた箇所もあり、内容のすべてが大空小学校での取り組み実例かと、勝手に期待していたのとは若干違っていた。
だがそのどちらでも同じように、教育における主体は子どもで、子どもも大人もあるべき姿は学び合い育ち合いだ、という一貫した姿勢は繰り返し語られていて、木村氏が教育実習生の当初から変わらないものである。
いつもこれでいいのかと迷い続けている、正解はない、という言葉に勇気をもらった。
今目の前にあることを一生懸命やる、変えたいならば自分が変わる、そして今そこにいてくれる人に感謝する。
木村氏も、自分と同じように日々向き合っていることを知り、また明日から頑張れる気がした。