一雫ライオンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
全く知らなかった作家さん、フォローしている方々のレビューに強く惹かれて読んでみた。
東大法学部の最高成績を塗り替え、引手あまたの官僚の誘いを断り裁判官の道を選んだ片陵礼子の物語。
類まれなる美貌を持ち、いちいち「美しい横顔で見る」「美しい目を見ひらいた」「美しい口元を歪める」「美しいまなざしをむけた」と描写され、どれだけ美人さんなことか。
そんな彼女の裁判官としての日常が描かれたかと思えば、かつて判決を書いた男が出所してきて“門前の人”となった謎を追う話になる。
まずは裁判所の世界やそこでの人間関係、裁判員裁判の進み方などが興味を惹いて、“門前の人”蛭間に深入りしていってからは、礼子の裁判官としての優秀さが描かれれば描かれるほど、その生い立ちも相まって彼女に欠落したものが顕わになり、なかなかにヘビー。
くるくると話の趣が変わり、話の筋も予想外の展開を見せて、少し厚い本だがグングンと読まされる。
少しずつ明らかにされていくかつての事件の真相とそこに隠されていた関係者の心情は、お話として予断を許さない作りになっていて最後の最後まで楽しめた。
ただ、最後の金沢から能登の旅のふわふわした描写には惹かれず。並んで歩けない二人の絵は映像になると映えるのかもしれないが、急にそこらのTVドラマになったような違和感があった。 -
Posted by ブクログ
ブク友さんのレビューを見て読むことにした作品。
理知的で冷静な女裁判官・礼子が主人公の司法小説。司法のことや裁判員のことなど、初めて知ることも多くて興味深かった。
愛情に欠けるけれど何事にも完璧な礼子は、身近な人も裁く人も冷静に観察して分析し、そつなく対応する。夫がいることが意外なほど、愛情や人情を持たない。
夫は礼子に対してモラハラ気味で、なんでこんな人と結婚したのか、初めは謎だった。礼子自身に感情がないので、うまくやっていけている状態。なんだか不穏な空気を常に漂わせながら、物語が進んでいく。
かつて礼子が担当し、懲役4年の刑に処した男・蛭間が、門前の人になっているという話があがる。門前の人とは「裁判所の玄関前に陣取って、自分に不利な判決を下した裁判官の実名を挙げて糾弾する人」とあるが、どうも様子が違うようだ。
彼の存在が礼子に影響を与えていく。読者は冒頭で礼子になにかがあったことを知らされているので、不穏な空気の中、いつ事が起こって、状況が一変するのか、後半はハラハラして一気に読んでしまった。
結末はハッピーと断言できないけれど、読んでよかったと思える作品だった。ブク友さん、ありがとう! -
Posted by ブクログ
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感情を持つことはすべてを狂わせる。
間違ってはいけないのだ。
母のように-。
幼い頃から頭が良いことも、容姿が良いこともわかっていた。それをひけらかさないことが上手く生きていく術だということも。
何も間違わずに生きてきたはずだ。
感情は正しい判断をもっとも狂わせる。間違えないために一切の感情をも排除してきた。
高い志も 強い意志もなく裁判官になったのも 私には正しい道だった。
家柄の良い男と結婚し 豪邸に住むことも。
いづれ最高裁判事になることは確定的で、私のキャリアには微塵の汚点もなかった。
彼に再会するまでは-。
蛭間隆也。過去、蛭間の起こした事件に懲役四年の判決を下した。その彼が”門前の人”となって裁判所前に現れるようになった。
私の下した判決に間違いがあった?
そんなはずはない。
何の不服があるのか?
こんな事に意味などないと思うが、彼のことが気になり過去の事件を調べ始めた。
これが間違いの始まりだったのか…。
私はどこまで堕ちていくのだろう。
「私の手はいつも間違える」と
哀しく微笑む彼と一緒に。
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「はい、そうなんです。今回のレビューは依頼人のゆーきさんのご要望により礼子(北川景子さん)になりきって書き上げました。【ゴーストライター1Q84O1さんのコメントより】」
いっきゅーさん 今回もありがとうございます
(꜆ ._.)꜆¥¥
いやーせつねー
なんか素敵な言葉で語りたかったけど
もう せつねーですよ
「魂の番」は52ヘルツでしたか?
そんな言葉を思い出しました。
他人から見たら不埒な行為でしょうか。
でも純愛。
傷を負った二人。
互いの感情が溢れだすところなんか…
ライオンさんが「忍びの恋には金沢が似合うかな」とインタビューで仰ってました。
あぁ いつか私も金沢へ逃避行の旅に…
なんてね
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Posted by ブクログ
レビューを拝読して読みたくなり、手に取った作品。
将来を嘱望されている女性判事・片陵礼子はかつて彼女が懲役刑に処した元服役囚が裁判所の前に佇んでいる姿を目撃し、違和感を覚え、彼と当時の公判について調べ始める。
法廷もののドラマや映画は結構好きなのに、裁判官について詳しいことを全然知らなかった…!
礼子を通して描かれる裁判官の仕事がとても興味深かった。
裁判官には上司部下という概念がない、「判事」と「判事補」の違い、裁判においてのそれぞれの役割、互いが互いを監視し合っているなど…
精神的にも肉体的にも想像以上に負担が大きく、とても大変な仕事だなと改めて感じた。
序盤の礼子は「片陵礼子」という役を演じているかのよう。
毎日決まったルーティンをこなし、夫、義母など周りの人からよからぬ感情を持たれないよう、緻密に考え行動している。
あんなに感情を持つことを嫌っていたのに、あんなに自分を律していたのに…蛭間と出会い、人間らしさを取り戻していく礼子から目が離せなかった。
蛭間が抱えていた謎の更なる真実、彼の想いが語られる場面では、言葉にはできなくても蛭間の礼子に対する距離の取り方、行動の端々に彼の気持ちが表れていたのだな、と、蛭間の礼子への接し方が思い返され、たまらなく切なくなった。
名前を呼び合うことも、隣を歩くことも、許されなかった2人。
隣同士でいられたあの一時は2人にとって至福の時だったのだろう。
この作品で一番印象的だったのは、手を繋いだ様子を例えた言葉。
あれに例えるのか…!と。
作家さんって、すごい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ物語全体を通して哀しさ、美しさを感じる内容でとても引き込まれました。
ただ一方で現実味がないところもあり、ドラマチックな展開を作り上げている感が否めず残念な部分もあります。
また辛い背景のある登場人物たちが、ひと時の幸せを感じる時間は一部あったとしても、みんな最終的には、そこから抜け出すことができなかったり、辛い記憶がさらにできてしまったりと救われない部分があるため、それが現実なのかもしれませんが、いたたまれない気持ちになりました。
間違いなく文章などが美しく面白い内容ですが、読む人の好みによって感想が大きく分かれそうだなと思いました。