一雫ライオンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
切ない…
こんなに夢中で読んだ小説は久しぶり
一年ほど前にブク友さん達の間で話題になっていたから、その頃に予約したのかな?
今、手元に届きました。
1985年12月31日
札幌から知床半島ウトロへと向かう「北斗流氷号バス事故」
全てはこの転落事故から始まった
プロローグから一気に惹き込まれる
事故から15年
バスに乗り合わせた少年少女たちのその後の人生
身元不明の遺体
政界の重要人物殺人事件
事件を追う〝現場百遍〟の昭和の刑事と細眉の若手刑事のコンビ
これらが絡み合い、緊迫感を持ったまま物語は進んでいく。
ミステリーではあるが、登場人物たちの生きる姿こそが一番の読みどころかもしれない。
窓の外は雨だけど、雪なのかと錯覚するほど物語に入り込んでしまった。
読み応えたっぷりの一冊。
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Posted by ブクログ
ネタバレ頭脳明晰、容姿端麗な女性判事の主人公、礼子。
けれど礼子の幼少期は幸福とは程遠く、実の母の最後の言葉に深く心に傷を負っていた。母の名前も思い出せない、生きているのかも興味がない。
感情を消し、身勝手な夫、義母との関係性を淡々と続ける日々は、私から見ても決して幸せではない。
そんな時に、かつて礼子が懲役刑に処した元服役囚に出逢う。感情を消し去り仮面を被って生きていた礼子の歯車は、彼の存在によって狂っていく。
愛おしい物語だと私は思いました。
最後に、少年のように笑う蛭間と、少女のように笑う礼子。
決してハッピーエンドとは言えないけれど、物悲しい北陸の冬を最後のシーンに持ってくるのも素敵でした。
蛭間という人物が素敵過ぎて、真っ直ぐで優しくて、誠実で、我慢強くて。
器用で繊細で、男らしくて。
二人はきっと、本物の愛を知って、幸せだったんだろうと思えた。 -
Posted by ブクログ
面白かった。わかる、わかるよ、フィクションだよ。でも関係ないくらい没頭した。それくらい、久しぶりに面白かった
解説にも書いてあるけど、この本賛否(というか合う合わない)分かれるだろうな。
物語、終始暗いし礼子と蛭間の行動の理由付の部分があんまないしで、多分感情移入できる/できない人がはっきり出ると思う。
(あと、恥ずかしながら私も著者知らなくて初めてよんだ。経緯がまんま解説の方と同じでちょっとわろた)
ただ個人的には作中の雰囲気だったり、「強い」「つよい」だったり表現うまくてずっと物語入りっぱなしだった。
作中では本能って書いてあるけど、主人公礼子の感情の機微だったり、気持ちの揺れ動きだったりとても刺さった。特に7章最後の描き方、めちゃくちゃ良かった。個人的にはあそこで終わらせてよかったのでは?と思うくらい。
ということで久しぶりに大変面白い本でした。満足
蛇足だが、登場人物、気に入らないと人めっちゃ多い。できればこういう人には出会いたくない -
Posted by ブクログ
ネタバレ読み終えたあと、主人公の「その後」が気になって仕方がない。
昭和に「何も言えなくて。。夏」という曲があったが、
その歌詞が心に沁み入る。
「私にはスタートだったの。あなたにはゴールでも」
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綺麗な指してたんだね 知らなかったよ
となりにいつもいたなんて 信じられないのさ
こんなに素敵なレディが俺 待っててくれたのに
「どんな悩みでも打ち明けて」そう言ってくれたのに
時がいつか 二人をまた
初めて会った あの日のように導くのなら
二人して生きることの 意味をあきらめずに
語り合うこと 努めることを 誓うつもりさ
「私にはスタートだったの。あなたにはゴールでも」
涙浮かべた君の瞳に
何も言えなくて まだ愛してたから…
もう二度と会わない方が いいと言われた日
やっと解った事があるんだ 気づくのが遅いけど
世界中の悩み ひとりで背負ってたあの頃
俺の背中と話す君は 俺よりつらかったのさ
時がいつか 二人をまた
初めて会った あの日のように導くのなら
水のように 空気のように 意味を忘れずに
あたりまえの 愛などないと 心に刻もう
短い夏の終りを告げる 波の音しか聞こえない
もうこれ以上 苦しめないよ
背中にそっと「さよなら…」 -
Posted by ブクログ
ネタバレ浮気とか不倫ってマスコミでめちゃくちゃに叩かれるけど、どうして他人の恋愛にそこまで躍起になれるんだろうと思う。
もちろん許される行為ではないし自分がしたいとは思わないけど、ただ他人の話に首を突っ込むのはお門違いでは?と思う。
今回の物語はそんな恋心を描いていて、切なすぎる…
事件を発端として惹かれ合う二人、叶わぬ恋、ラスト…
旦那もその母親もゴミのような人間で、現実世界なら絶対に関わりたくない人間。
でもそんな人と結婚してしまった礼子は、言ってしまえばDVを受けているのと同じ状況。
一方で蛭間は全てを失っているが、思いやりのある心は決して失ってなくて、それこそ礼子の求めてるものだったんだなって。
礼子には幸せになってほしい。裁判官や政治家などではなく、もっと心が温まるような世界で。それがたとえ彼女の能力の高さを活かせないものだとしても。 -
Posted by ブクログ
/_/ 感想 _/_/_/_/_/_/
なかなかに重みのあるストーリーでした。
前作の「鎖」に心を引きずられていたせいか、悲しみのラストが来る気配をジンジンと感じながら読み進めていました。最後の方は少しわけがわからなくなる展開でしたが、その混沌さも作品全体の余韻を深めているように思います。
1980年代という一昔前の時代設定も印象的で、釜利修一と同世代ということもあり、当時の空気感が懐かしく感じられました。
また、「24時間捜査」という表現が特に心に残りました。眠っていても酒を飲んでいても、常に事件のことを考えている——そんな刑事の覚醒状態に強く共感しました。私自身の仕事にも通じる部分があり、常に何かを抱えている日々の中で、「解放される日」のことを想像すると、それがどれほど楽なことかと考えさせられました。
/_/ あらすじ _/_/_/_/_/
物語は1985年、あるバス事故から始まります。
そこから一つの首吊り自殺をきっかけに、いくつもの事件が連鎖的に展開していきます。
刑事・真宮を中心に、じわじわと真相に迫る捜査が進んでいく中で、時代を超えて繋がる人々の過去と因縁が浮かび上がっていきます。
/_/ 主な登場人物 _/_/_/
【1985年】
能瀬由里子 小6
釜利修一 小4
釜利紀一 修一父、運転手、40歳、飲酒運転、死亡
能瀬杏子 由里子母、死亡
浅地恒雄 中2
【1999年】
真宮篤史 58歳、母痴呆
沙世子 妻
駒田徹 警視庁刑事部長、真宮同期
能瀬由里子 26歳、達観している印象、父はいない
楠木保 陽栄ホーム創始者、昭和50年5月21日生まれ、24歳、釜利修一に18歳の時に名前変更
能瀬昴 由里子弟、精神薄弱者
大山又一郎 筆の逆襲オーナー
相沢誠彦 まさひこ、運輸省特別顧問、殺害
木内博也
佐竹満 筆の逆襲元記者
八田晋平 修一殺害
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Posted by ブクログ
みんみんさんのお勧め本です。
ありがとうございます。とてもよかったです。
時は1985年(昭和60年)12月31日。
夜の北海道。
札幌市内から知床半島ウトロへと行く北斗流氷号の豪華観光バスツアー。
車内には大晦日でNHKの紅白のラジオから旭川市出身の道民のスターである安全地帯の「悲しみにさよなら」が流れています。
載っているのは乗客46名と運転手。
その中には乗客として小学校6年生の能瀬由里子。小学校4年生の釜利修一も乗っていましたがバスは転落事故を起こし、由里子と修一は一命をとりとめますが由里子の母は死亡し、バスの運転手だった修一の父も亡くなります。
事故の原因は運転手の飲酒運転とされます。
そして時はミレニアム1999年12月24日に移ります。
新宿南口でひとりの身元不明の男が首を吊って死にます。
新宿警察署の刑事真宮篤史58歳は、その事件を追いかけていますが、その事件に能瀬由里子19歳と楠木保こと本名釜利修一17歳がかかわっており二人は他にも罪を犯していると確信します。
真宮は二人の関係性を知ると「二人を救ってやりたい」という一心で刑事生命をかけていくつかの二人のかかわった事件を追っていきますが…。
この本一雫ライオンさんの旧刊だと思って読んでいたのですが最後のページをみたら今年出た新刊だったのですね。前作の『二人の嘘』より数倍よかったです。
今年私が読んだ本のベスト3に入ります。
子供たちの犯罪であることや安全地帯の曲の使い方等々小技もドラマティックで泣かせます。
作中の謎の部分も全く最後まで展開がわからず、読まされました。
今度からこの作家さんも新刊チェックします。
みんみんさんありがとうございました! -
Posted by ブクログ
『二人の嘘』も良かったが、こちらもとても心に響くものがあった。
1985年、バブル時代に北海道のバス転落事故に遭い、すべてを失った少年と少女たちのその後…。
1999年に新宿駅の歩道橋で首吊り遺体が発見されて、定年間近の刑事・間宮がそこで見た男女。
自殺かに思われたこの首吊り遺体のポケットに入っていた不可解なもの。
間宮が若手の香下と一緒にこの不可解なものの正体を探りだそうとした後に別の殺人事件が起こる。
この事件の真相を追うべく動き出すと北海道のバス転落事故に繋がっていることに気づく。
復讐を果たして逃げきれるのか…
悲しみを隠して生きてきた彼らとそれを感じていた間宮刑事の心情を思うと逃げ続けるよりはよかったのかもしれない。
何十年経とうと彼らの約束は消えないはず。
ラストが言葉もいらないくらいに観せてくれた。
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Posted by ブクログ
450ページ近くある厚い小説だったけれど、読み始めたらどんどんお話の世界にのめり込んで、夢中で読んでしまった。
最後の最後に「あっ」と驚く作品。ネタバレになるから、感想も書きにくいけれど、登場人物の一人一人が、余計なことは言わないけれど、言葉の一つ一つに重みがあると感じた。
登場人物たちは、みな、出生に訳があって、生きづらい子供時代を送った。自分が悪いわけではないのに、生まれた時から、重いものを背負わされている・・・・。
そして、その境遇の中でやってしまった事に、苦しむ。でも、たった1人で苦しんだのではなかったところが、読んでいて救われたところ。
ラスト、余韻の残る、でも、じんわりと優しい気持ちになれる終わり方だった。