一雫ライオンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ浮気とか不倫ってマスコミでめちゃくちゃに叩かれるけど、どうして他人の恋愛にそこまで躍起になれるんだろうと思う。
もちろん許される行為ではないし自分がしたいとは思わないけど、ただ他人の話に首を突っ込むのはお門違いでは?と思う。
今回の物語はそんな恋心を描いていて、切なすぎる…
事件を発端として惹かれ合う二人、叶わぬ恋、ラスト…
旦那もその母親もゴミのような人間で、現実世界なら絶対に関わりたくない人間。
でもそんな人と結婚してしまった礼子は、言ってしまえばDVを受けているのと同じ状況。
一方で蛭間は全てを失っているが、思いやりのある心は決して失ってなくて、それこそ礼子の求めてるものだったんだな -
Posted by ブクログ
/_/ 感想 _/_/_/_/_/_/
なかなかに重みのあるストーリーでした。
前作の「鎖」に心を引きずられていたせいか、悲しみのラストが来る気配をジンジンと感じながら読み進めていました。最後の方は少しわけがわからなくなる展開でしたが、その混沌さも作品全体の余韻を深めているように思います。
1980年代という一昔前の時代設定も印象的で、釜利修一と同世代ということもあり、当時の空気感が懐かしく感じられました。
また、「24時間捜査」という表現が特に心に残りました。眠っていても酒を飲んでいても、常に事件のことを考えている——そんな刑事の覚醒状態に強く共感しました。私自身 -
Posted by ブクログ
みんみんさんのお勧め本です。
ありがとうございます。とてもよかったです。
時は1985年(昭和60年)12月31日。
夜の北海道。
札幌市内から知床半島ウトロへと行く北斗流氷号の豪華観光バスツアー。
車内には大晦日でNHKの紅白のラジオから旭川市出身の道民のスターである安全地帯の「悲しみにさよなら」が流れています。
載っているのは乗客46名と運転手。
その中には乗客として小学校6年生の能瀬由里子。小学校4年生の釜利修一も乗っていましたがバスは転落事故を起こし、由里子と修一は一命をとりとめますが由里子の母は死亡し、バスの運転手だった修一の父も亡くなります。
事故の原因は運転手の飲酒運転とさ -
Posted by ブクログ
『二人の嘘』も良かったが、こちらもとても心に響くものがあった。
1985年、バブル時代に北海道のバス転落事故に遭い、すべてを失った少年と少女たちのその後…。
1999年に新宿駅の歩道橋で首吊り遺体が発見されて、定年間近の刑事・間宮がそこで見た男女。
自殺かに思われたこの首吊り遺体のポケットに入っていた不可解なもの。
間宮が若手の香下と一緒にこの不可解なものの正体を探りだそうとした後に別の殺人事件が起こる。
この事件の真相を追うべく動き出すと北海道のバス転落事故に繋がっていることに気づく。
復讐を果たして逃げきれるのか…
悲しみを隠して生きてきた彼らとそれを感じていた間宮刑事の心情 -
Posted by ブクログ
450ページ近くある厚い小説だったけれど、読み始めたらどんどんお話の世界にのめり込んで、夢中で読んでしまった。
最後の最後に「あっ」と驚く作品。ネタバレになるから、感想も書きにくいけれど、登場人物の一人一人が、余計なことは言わないけれど、言葉の一つ一つに重みがあると感じた。
登場人物たちは、みな、出生に訳があって、生きづらい子供時代を送った。自分が悪いわけではないのに、生まれた時から、重いものを背負わされている・・・・。
そして、その境遇の中でやってしまった事に、苦しむ。でも、たった1人で苦しんだのではなかったところが、読んでいて救われたところ。
ラスト、余韻の残る、でも、じんわりと優しい気持