西村健のレビュー一覧
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路線バスを乗り継いで目的地に行くことを楽しみにしている面々の「ちょっと不思議」な謎を追うミステリ短編集。日常の謎系かと思いきやラストには・・・
路線バスとその地域のあれこれの話をしつつ、ふとした謎があって、それをアームチェアディテクティブな感じで探偵役が解明、という流れ。路線バス乗り放題のシルバーパス持ち前提の話だったりするので登場人物が基本的に高齢者です。
シリーズもの、なんですね。読んでいていかにもそういう箇所があったので。でも過去作を知らなくても楽しめます。
一話一話がかなり短いのでさらっと読める印象。もうちょっと濃いというか読み応えのある話も好みではあるんですが、最終話は、長くはないも -
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西村健『バスへ誘う男』実業之日本社文庫。
連作形式のバス旅ミステリーの第2弾。
読み始めて、どうもシックリ来ないなと思い、最初の話を何度か読み直せば、主人公が交代したことが原因のようだ。
前作で主人公を務めた元刑事とその妻が探偵役として脇役に回り、本作での主人公は無償で路線バス旅のコーディネイターを始めた主人公の『私』に代わってしまったのである。
主人公の『私』が、客の依頼を受けて小さな旅をコーディネートする中で出会った日常の小さなミステリーをバスの中で知り合った元刑事の炭野に解き明かしてもらうのだ。そこが、どうにもまどろっこしい。
前作のように炭野が路線バスの中で見付けた日常のミス -
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路線バス✖️ミステリーということで、西村京太郎さんのようなバスを使ったトリックを想像していたのですが、この作品では主人公が旅先で見たちょっと疑問に思ったことを解決していくミステリーです。
主人公は元捜査一課の刑事。定年退職し、余暇を楽しもうと妻の助言で、東京都シルバーパスを使って、色んなところを周ります。
ちなみに東京都シルバーパスは、東京都在住で70歳以上の方が使えるパス。東京都内のバスや都電、都営地下鉄が乗り放題です。
東京のコアなところや現地での歴史などを紹介していて、ちょっとした東京観光を味わうことができます。
旅先では、ふと疑問に思った人・場面を目撃し、元刑事の能力で解決!かと思 -
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このミス2013年版5位。三池炭鉱のある大牟田市を舞台とした重厚な大河ミステリー。1963年に警察官である父親を失った主人公が警官になってからの1974年から2010年までの約40年間を10年毎ぐらいに発生する事件を解決しながら、最後には未解決の父親殺しの真相に迫っていく話。半世紀のそれぞれの時代毎の大牟田のようすや、仲間との関係が克明に記録されている大作。郷土愛と歴史の記録者としての使命感に溢れており、書き切った感満載。その分読む方もかなり骨が折れた。背景説明等も多く緻密な表現も相まってかなり分量が多く退屈な部分が多い。読み進めるのは困難だけど読み終われば感動する系のやつはあんまり好きじゃな