西村健のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
西村健『バスへ誘う男』実業之日本社文庫。
連作形式のバス旅ミステリーの第2弾。
読み始めて、どうもシックリ来ないなと思い、最初の話を何度か読み直せば、主人公が交代したことが原因のようだ。
前作で主人公を務めた元刑事とその妻が探偵役として脇役に回り、本作での主人公は無償で路線バス旅のコーディネイターを始めた主人公の『私』に代わってしまったのである。
主人公の『私』が、客の依頼を受けて小さな旅をコーディネートする中で出会った日常の小さなミステリーをバスの中で知り合った元刑事の炭野に解き明かしてもらうのだ。そこが、どうにもまどろっこしい。
前作のように炭野が路線バスの中で見付けた日常のミステリーを妻に相談して解決するという設定の方がスッキリする。
また、前作で名無しの探偵役を務めた元刑事とその妻に本作で突如として名前が与えられた点も魅力を半減させたようだ。
路線バスや都内の名勝などに関する蘊蓄も盛り込まれ、面白いことは面白いのだが。
本体価格800円
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Posted by ブクログ
路線バス✖️ミステリーということで、西村京太郎さんのようなバスを使ったトリックを想像していたのですが、この作品では主人公が旅先で見たちょっと疑問に思ったことを解決していくミステリーです。
主人公は元捜査一課の刑事。定年退職し、余暇を楽しもうと妻の助言で、東京都シルバーパスを使って、色んなところを周ります。
ちなみに東京都シルバーパスは、東京都在住で70歳以上の方が使えるパス。東京都内のバスや都電、都営地下鉄が乗り放題です。
東京のコアなところや現地での歴史などを紹介していて、ちょっとした東京観光を味わうことができます。
旅先では、ふと疑問に思った人・場面を目撃し、元刑事の能力で解決!かと思いきや、事件を解くのは、その奥さん。主人公の話を元に解決していくという安楽椅子探偵のような存在で、一風変わった作品になっています。
この奥さんといったら、まぁ上品で、格好・言葉遣いが文章から清楚な雰囲気を醸し出していて、芸能人に例えてみると市毛良枝さんのような感じがしました。
その推理ぶりが秀逸で面白かったです。
内容としては殺人のような重めのテーマよりも、軽めなほんわかミステリーが多く、気軽に読めました。ちょっと物足りない感じがありましたが、「鬼のいる街」や「長い旅」の章では、本格的なミステリーが含まれていたので、色々楽しめました。
東京限定でしたが、自分の住んでいるところで、普段、車で通るところもバスを使ってみると、新たな発見があるかもしれません。新たな楽しみ方を味わうのも良いなと思いました。 -
Posted by ブクログ
このミス2013年版5位。三池炭鉱のある大牟田市を舞台とした重厚な大河ミステリー。1963年に警察官である父親を失った主人公が警官になってからの1974年から2010年までの約40年間を10年毎ぐらいに発生する事件を解決しながら、最後には未解決の父親殺しの真相に迫っていく話。半世紀のそれぞれの時代毎の大牟田のようすや、仲間との関係が克明に記録されている大作。郷土愛と歴史の記録者としての使命感に溢れており、書き切った感満載。その分読む方もかなり骨が折れた。背景説明等も多く緻密な表現も相まってかなり分量が多く退屈な部分が多い。読み進めるのは困難だけど読み終われば感動する系のやつはあんまり好きじゃないのだけど、この本は緻密な伏線と伏線回収時にもわかりやすく反芻してくれるとことか、ところどころ、興味をつなぐ工夫もあってなんとか最後まで行き着けたのでまあ良いかと。ガッツリ読みたい人や時間のある大作好きの人にはとても良い本ではないかと思う。軍艦島とかたまに写真で見ても何これって思うけど、この本読んで炭鉱の歴史ってのがすごく勉強になった。文庫本の解説も良かった。