西村健のレビュー一覧

  • バスに集う人々

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    路線バスを乗り継いで目的地に行くことを楽しみにしている面々の「ちょっと不思議」な謎を追うミステリ短編集。日常の謎系かと思いきやラストには・・・
    路線バスとその地域のあれこれの話をしつつ、ふとした謎があって、それをアームチェアディテクティブな感じで探偵役が解明、という流れ。路線バス乗り放題のシルバーパス持ち前提の話だったりするので登場人物が基本的に高齢者です。
    シリーズもの、なんですね。読んでいていかにもそういう箇所があったので。でも過去作を知らなくても楽しめます。
    一話一話がかなり短いのでさらっと読める印象。もうちょっと濃いというか読み応えのある話も好みではあるんですが、最終話は、長くはないも

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    2023年06月02日
  • 東京路線バス 文豪・もののけ巡り旅(小学館新書)

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    ICカードが1日乗車券になるなんて、知らなかった!
    それも、運転手さんに「これ、一日券で」と頼むだけだなんて。世の中便利になっているのね~。


    作者のバス愛が、「鬼平」愛が、あふれて
    くすくす笑いながら読みました。

    乗り降りステップが少ないバスって助かるのよね~。

    作者の次回作?永井荷風「日和下駄」を下敷きに犯行現場を予告する場所探しも兼ねて?
    のバス旅、これゃ現場に行ってから読むか、
    読んでから行くか?楽しみができました。


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    2023年04月27日
  • 東京路線バス 文豪・もののけ巡り旅(小学館新書)

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    <目次>
    第1章  永井荷風『日和下駄』を歩く
    第2章  鬼平の「墓」と「家」を探せ
    第3章  『四谷怪談』のお岩さんは実在した!
    第4章  飛び回る生首が描いた北斗七星をぶらり

    <内容>
    ブログにそぞろ書いていたことを、講談社Webマガジンの編集者が目に留め、そこで連載が開始されると、小学館の編集者が注目し、単行本化という流れ。ただこのレベルの知識はこのへんのマニアは持っている気がする(自分も大半は知っていた)。あとは書き方なんだろうな?もともと小説や旅系の文章を書いていた人。それはうまいよね…

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    2023年04月16日
  • バスへ誘う男

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    西村健『バスへ誘う男』実業之日本社文庫。

    連作形式のバス旅ミステリーの第2弾。

    読み始めて、どうもシックリ来ないなと思い、最初の話を何度か読み直せば、主人公が交代したことが原因のようだ。

    前作で主人公を務めた元刑事とその妻が探偵役として脇役に回り、本作での主人公は無償で路線バス旅のコーディネイターを始めた主人公の『私』に代わってしまったのである。

    主人公の『私』が、客の依頼を受けて小さな旅をコーディネートする中で出会った日常の小さなミステリーをバスの中で知り合った元刑事の炭野に解き明かしてもらうのだ。そこが、どうにもまどろっこしい。

    前作のように炭野が路線バスの中で見付けた日常のミス

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    2023年02月07日
  • バスを待つ男

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    いわゆる連作物。

    ちょっとした謎を解き明かす安楽椅子ものだが、あまりの妻の切れ物ぶりが凄すぎます。

    舞台設定は土地勘のある所なので楽しめますが、謎解きそのものは安易すぎてどうなのかなと思うところもあります。

    最後の終章で最初に提示されていたモヤモヤした謎が、綺麗に解き明かされるます。思わず涙ぐんでしまいました。

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    2021年07月10日
  • バスを待つ男

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    某雑誌にて新種のトラベルミステリーとして紹介されていた作品で、定年退職した元刑事が都営バスで都内を旅し、そこで遭遇した日常の謎を自分の妻に解決させるという安楽椅子探偵もの。土地勘のある場所が数多く登場するので、都内在住者としては結構楽しめる。名所巡りと謎解きがミスマッチだったり、キャラクターの人物造形が前時代的で乗り切れない部分も多々あるが、それでも「居残りサベージ」や「鬼のいる街」なんかは実に良い塩梅ではないだろうか。外勤の頃、バスを利用する機会が多かったので、バス移動の旅情感を久方ぶりに味わいたいな。

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    2021年06月14日
  • バスを待つ男

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    そこが大事なんだとは思うんだけど、日本地図覚えきれないナビなんて絶対無理なわたしにはバス路線の説明が。
    ちょっと高速で飛ばし読みしてしまって申し訳ない。
    奥様が素敵で賢くて奥ゆかしくて最高だということは間違いない。

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    2020年10月16日
  • バスを待つ男

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    路線バス✖️ミステリーということで、西村京太郎さんのようなバスを使ったトリックを想像していたのですが、この作品では主人公が旅先で見たちょっと疑問に思ったことを解決していくミステリーです。

    主人公は元捜査一課の刑事。定年退職し、余暇を楽しもうと妻の助言で、東京都シルバーパスを使って、色んなところを周ります。
    ちなみに東京都シルバーパスは、東京都在住で70歳以上の方が使えるパス。東京都内のバスや都電、都営地下鉄が乗り放題です。

    東京のコアなところや現地での歴史などを紹介していて、ちょっとした東京観光を味わうことができます。
    旅先では、ふと疑問に思った人・場面を目撃し、元刑事の能力で解決!かと思

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    2020年07月08日
  • ギャップ GAP

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    西村健『ギャップ GAP』集英社文庫。

    西村健の初期作品。多重人格をテーマにした作品というと犯人が多重人格だったという場合が殆どなのだが、本作では探偵が多重人格という変わった設定である。

    ストーリーは単純なのに、主人公の探偵の人格が目まぐるしく入れ替わり、その度に事件捜査が停滞するので読んでいて苛々する。

    サイコセラピストで私立探偵を営む小塚原は5人の人格を持つ多重人格であった。ある日、一人の少女が小塚原の事務所を訪ね、自分の本当の父親を探して欲しいと依頼する……

    本体価格552円(古本110円)
    ★★★

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    2020年07月05日
  • 光陰の刃(下)

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    地の底のヤマに比べると没入感は無かった。井上日召、團琢磨、まさに陰と陽の二人が日本に与えた衝撃。全てが運命。この時代は本当に熱い。

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    2018年07月18日
  • マネー・ロワイヤル

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    世界最大のウィスキー・メーカー、サンシャインで誘拐事件が発生。ウィスキーの味を決める超重要人物がさらわれた。身代金は5億。大胆かつ巧妙な手口で現金強奪を狙う犯人に、必死の捜査網で挑む警察。だが彼らを翻弄するかのように、第二、第三の犯行がー。危機管理の盲点を突く斬新なアイデア、止まらないどんでん返し。

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    2018年06月05日
  • 地の底のヤマ(上)

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    長い。
    そして暗い。
    1人の男の人生と町の歴史の話。
    壮大。
    まだ、上巻と折り返し地点。
    先は長いです。
    話の長さ、そして重さ。
    読み応えが凄い

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    2017年08月01日
  • 地の底のヤマ(下)

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    このミス2013年版5位。三池炭鉱のある大牟田市を舞台とした重厚な大河ミステリー。1963年に警察官である父親を失った主人公が警官になってからの1974年から2010年までの約40年間を10年毎ぐらいに発生する事件を解決しながら、最後には未解決の父親殺しの真相に迫っていく話。半世紀のそれぞれの時代毎の大牟田のようすや、仲間との関係が克明に記録されている大作。郷土愛と歴史の記録者としての使命感に溢れており、書き切った感満載。その分読む方もかなり骨が折れた。背景説明等も多く緻密な表現も相まってかなり分量が多く退屈な部分が多い。読み進めるのは困難だけど読み終われば感動する系のやつはあんまり好きじゃな

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    2017年05月14日
  • 地の底のヤマ(下)

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    下巻は昭和から平成に。主人公の猿渡鉄男は、幼い娘を不慮の事故で喪い、妻とも離婚…父親の死の真相を追う猿渡…

    本当に日本冒険小説協会大賞受賞作なのか…そう思う理由は…

    主人公が心配になるくらい、やたら飲み食いする。特に酒の方は読んでいて、主人公の身体が心配になるくらいだ。結局は主人公が父親の死の真相を暴くのだが、あまり主人公には積極性が感じられない。娘の不慮の死、離婚といった主人公の人生を左右する出来事が、やけにさっぱりと描かれ、旧知の友との飲み食いばかりが、やたら描かれる。

    冒険小説ではない。

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    2015年03月07日
  • 〈博多探偵ゆげ福〉 はしご

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    エンタテインメント作品としたら事件解決は薄い内容で見せ場すらないが、福岡のラーメン屋の名店が実名で登場するところが食べ歩きの参考になるかな。

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    2014年06月15日
  • ビンゴ

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    ハリウッドのアクション映画そのまま。
    ダイハードとストリートオブファイアを混ぜたらこうなるのかな。
    いや、大沢在昌と東直己のミックスか。
    都合よく進むストーリーはチープ感が拭えないが、これだけ見事に打ち上げると爽快感で一杯。
    メチャクチャだけど面白さは半端ない。
    エンターテイメントはこれでいいんです。

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    2014年05月10日
  • ギャップ GAP

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    「解離性同一性障害」、俗に「多重人格症」の主人公の話。
    設定の奇抜さ、特に後半のバタバタとした展開を
    作者は確かな筆力で描いている。

    別の作品も読んでみたい。

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    2014年02月06日
  • 笑い犬

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    大部分が刑務所内の生活描写で占められている。
    これがリアルなのか創作なのかも分からず、肝心の復讐譚がほんの少ししかなく、何がメインなのか良く分からなかった。
    腐敗権力に立ち向かう市井の弱者という構図は西村氏らしかったけど、このモヤモヤはオダケンのようなスーパーヒーローがいないせいか?

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    2013年06月17日
  • 〈博多探偵ゆげ福〉 はしご

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    博多を舞台にした一風変わった連作探偵小説。ラーメンに関する薀蓄はなかなか面白く、少し人情系の作品なんだが、パンチが無い。何かひと味足りない読後感。

    西村健とは相性が悪いのかな。今まで読んだ作品で絶讃出来るような作品と巡り合っていない。日本冒険小説協会大賞を受賞している作家なのだが、どれを読んでも納得出来ないんだよな。

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    2013年01月20日
  • マネー・ロワイヤル

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    アウトローながら人間的な魅力溢れる面々が権力に立ち向かうところは西村作品の定番ながら、本作は正義ではなく詐欺をはたらくところがやや異例かも。
    それなりに面白かったけど、敵役に凄味が欠けているため緊張感が不足していたことと、最後が中途半端に終わってしまったのが不完全燃焼で、西村作品の中ではやや残念な部類に入ります。

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    2012年12月30日