あらすじ
財界の頂点と徒手空拳の宗教家。国を憂う気持ちは同じでも、團と日昭の立場はあまりに対照的だった。戦争、震災を経て、社会不安が広がった時代に、日昭は革命を目指して「一人一殺」を掲げ、体制の象徴・琢磨を狙う。吉川英治文学新人賞&大藪春彦賞受賞作家が、近代日本の転換点となった大事件を描き尽くす。
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Posted by ブクログ
中盤以降で日召サイドの物語の雰囲気がガラリと変わり、革命家として扇動していく姿には心ならずもカリスマ性が感じられた。決して共感はできないが、革命のために無関係な被害を出してはいけないという信念と冷静な態度が魅力を放っていたのだろう。下巻に関しては
團パートよりも日召パートの方が興味深かった。この2人に加え、富士隈、山海駒吉の4人の視点が回転していく終盤は、結末は分かっているのに先を追いたくなる緊張感と疾走感があり、作者の技量を感じた。
驚いたのは、彼らテロリストが皆恩赦で、太平洋戦争後も生き続けたこと。團目線では酷いバッドエンドと言えるかもしれない。