蜂須賀敬明のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
土地神同士の戦いをメインに描いたバトル風の前作と異なり、土地神の持つ人間性や、人間との関わりが色濃く描かれていて、バトル・ロマンス・ミステリー混合のような全く系統の違う作品として大変楽しめた。
このひと月、たくさんの本を読んでたくさんのことを考えた。この本を読んで、またひとつ、自分と今後のことについて考えを深められた(?)ような気がする。
まだ、なんのために生きるのか、何を目標に日々を過ごすのかは見えない。でももう少し、自由に生きてもいいのかもしれない。
『私が強くなれば、情も弱さから強さに変わる』
出会いが増えれば、その分大切な気持ちや思い出も増える。その出会いがいつか終わりを迎えた時(絶賛今がその時だが)、その出会いを辛く悲しいものとしてではなく、宝物として大事にしていけるようになりたい。 -
Posted by ブクログ
幕末まではちっぽけな寒村だった横浜が、開国とともに発展をつづけて早160年。中区、西区などの市の中心部と、鶴見区、神奈川区、磯子区、金沢区、以外は海に面していない。それ以外の区の住民はこれら海に面した区の住民からたびたび、海に面していないくせに横浜を名乗るな、とけなされる。しかし、現状はというと、これら山側である横浜市民のほうが圧倒的に多い。十数年前に横浜に引っ越してきた自分から客観的に言わせてもらうと、他県の人がイメージする横浜はほぼ中区、西区にのみ集中しており、あとはすべて横浜の周辺である。
例えば大都会東京を思い浮かべるとき、それは千代田区や港区、新宿区や渋谷区の高層建築群であり、練馬区や杉並区の住宅地ではあるまい。北区や荒川区でもない。それと同じだ。
本書は、ある日、横浜18区の土地柄を擬人(神)化した土地神たちが、誰が横浜ナンバーワンかを決める大戦争を起こすという話。中心となる主人公は保土ケ谷区の神。なぜだ?と横浜市民なら必ず引っかかる設定。保土ケ谷って、なんかあったっけ? そりゃぁ、江戸時代までは東海道で保土ケ谷宿ってあったけど、いまの横浜をイメージするものなんて浮かばない。まあ、いいや。著者が保土ケ谷好きなんだろう。
誰もが予想するとおり、他を寄せ付けないくらい最強なのは西区の神。横浜駅を抱え、横浜の象徴ランドマークタワーが鎮座するTHE・横浜。戦争は西区の神VSその他の神という構図で展開する。アメリカ対中米諸国くらいの力の差。普通に戦ったらどうやったって西区の勝ち。でも、戦力通りに結果が出るとは限らない。思わぬところから伏兵が。結末は意外な結果に…
個人的にツボにはまった神は鶴見区の神。ニッカボッカ姿で巨大火炎玉を自由自在に操る荒くれ者。ゴジラみたい。さすが京浜工業地帯を抱える神だ。西区、中区、の次なら鶴見区の神が強いだろう。この本の中の戦闘シーンで一番映える場面は、京浜工業地帯の人工島で保土ケ谷区や金沢区、磯子区など横浜市古参の神々を圧倒的な火力でボロボロにする場面だろう。怪獣映画のクライマックスシーンを観ているようだった。
必ずしも各区の特徴を的確に捉えているとは言えないと思うけど、楽しかった。それで十分だ。 -
Posted by ブクログ
私は東京出身です。しかし、現在神奈川県川崎市在住で、仕事で時折横浜にも足を踏み入れることがあります。そんな私には、深いなじみはないものの、聞いたことがある土地固有の個性的な神々が登場する様はいとおしく思えて好きな本となりました。
ある日突然、神奈川県横浜市の大神様から、横浜十八柱の土地神に「横浜ナンバー1を決める戦争」の宣言が下される。それを聴き、戦闘を始める神や戦闘を拒否する神、殻に閉じこもる神などそれぞれの思いとともに対応をしていく。
神といえど、人間と同じように悩み、苦しみ喧嘩をして仲直りして、個性的で愛おしい神々が理不尽に宣言された横浜大戦争に対する思いと共に立ち向かっていく。
飛んで埼玉のような土地愛の要素もありながら、戦闘シーンは迫力があり、個人的には映画化しても面白いかなと思って読んでました。
ただ、横浜になじみがない人はどうかなぁ、と思います。