源氏鶏太のレビュー一覧
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昭和36年頃
藤澤桓夫、今東光、源氏鶏太と立て続けに読んだ。三人に共通しているのは、昭和36年頃には単行本も文庫本も本棚に並んでいたし、各文芸誌でも名前を見ない日はなかったということだろう。電子書籍という新たな市場で、古本でしかお目にかかれない作家の作品に触れることができるのは、大変な喜びである。これからも、どしどし電子書籍化してほしい。昭和30年から40年頃の流行小説に現れる女性の貞操問題は藤澤桓夫でも今東光でも当然のように言及される。そしてこの「御身」に登場する女性主人公が抱える貞操問題もやはり、それが核になっており、三人ともどこか通奏低音が似通っている。
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こういうけれん味のない素直な小説は、昨今の現役作家のものではお目にかかれないせいか、近年源氏鶏太の復刊が相次いでいます。女優の南沢奈央も解説で「時代が違うからこそ面白い」「中毒性がある」「また他の作品も読みたくなる」と絶賛です。
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現代ではありえないようなストーリーであるが、登場人物のほとんどが人生に真正面から取り組みながら道を切り開いていくその様に心が揺さぶられる。疲れた時の人生の応援歌
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Posted by ブクログ
富山市石倉町を散歩中、川辺の案内看板に、この地域出身の作家として、源氏鶏太さんが紹介されていたのをきっかけに読んだ。
昭和25年頃、大阪、風間京太氏のサラリーマン生活。社員は皆それぞれの仕方で戦争を経験し、またそれぞれの仕方で会社勤めに戻っている、そのような時代背景。
収録作品のうち、「もう手遅れ会」が大好き。
京太氏が、書庫で探し物をする中で、過去の起案文書に押された先輩社員のハンコから、その先輩の生き様などなどを思い返すシーンに、じんわり涙が出てきた。私はこの主人公の、同じ会社で働く、時に面倒な、時に癖のある人々への対し方が、とても好きだ。
自分は職場の人々に、「かかわらない」という -
Posted by ブクログ
源氏鶏太の連作短篇集『英語屋さん』を読みました。
1950年代に「サラリーマン小説の第一人者」と呼ばれた源氏鶏太の作品を初めて読みました……子どもの頃、父親の書棚で背表紙を見た記憶がありますね。
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自分だけがつらいんじゃない! と思えることで、なんとか頑張れています。
僕と同じ30代にオススメ! 担当者K
入社10年の風間京太は、気難しい社長の出張に随行を命じられた。
お眼鏡に適えば、大出世。
機嫌を損ねたら、お先真っ暗。
社長は現地にいる元愛人との逢瀬を企んでいるが、夫人からは二人の密会を阻止せよ、と厳命されており……。
風間の選択は!?( -
Posted by ブクログ
タイトルと表紙絵に、シュールな面白さを感じて、BOOKOFFでネット注文し、入手しました。
内容は、「ザ・昭和のサラリーマン」といった感じで、現代の働き方とは、全く異なった仕事への姿勢を読み取ることができて、とても新鮮でした。
現代であれば、女性蔑視としか捉えられない言動もいくつかでてくるのですが、当時であれば、違和感がなかったのだろうと思いました。70年ほどで大きく世の中の価値観が変わったのがよくわかり、興味深かったです。
一方で、サラリーマンとして普遍的な大事な考え方も随所に描かれており、処世術の勉強にもなったと思います。
短編集で、サザエさんの話を何話か見たような感覚なので、ライ -
Posted by ブクログ
入社10年目の風間京太の会社での日々や、会社で出会った人たちのことを綴った短編集。現代なら通用しないであろう理不尽な慣習も含め、昭和のサラリーマンの姿が描かれている。
本のタイトルにもなっている"英語屋さん"は、通訳として採用され、その実力は認められながらも、癖が強く、嘱託職員のまま定年を迎える予定の茂木さんのことを描いた話。
茂木さん同様、嘱託職員として入社しても、要領よく正社員になっている人もいる中で、内心面白くないと思うが、自分の仕事には責任と自信をもって取り組み、重役とも互角にやり合う。世渡りは下手でも、こういう人が社会人としてカッコいいと思う。 -
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源氏鶏太作品の主役たち
源氏鶏太の小説を、読んでいると、この物語の主人公昭和太郎もそうだが、頭の中のイメージが、若い頃の石原裕次郎になってしまう。主人公のまっすぐな性格が、裕次郎のイメージにピッタリだと思うのですだから読み終わった後、スッキリした気持ちになります。