源氏鶏太のレビュー一覧
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昭和のラブコメ。
これは、確かにきゅんきゅんする。
じれじれ系いいですね。連載されていたのは、なんと1950年代のことだそう。
ページを開くとそこは昭和の時代ですが、古臭さは一切なく、なんだか懐かしい。こんな時代も確かに日本にあったんだろうなあと、ほくほくしながら読みました。
3姉妹の3女、杏子がとにかく可愛いんですよね。
とってもチャーミングな女性。可憐という言葉がまたよく似合う。
そして、男性陣がまた紳士で。
杏子のお父さんも素敵なんですが、やっぱり一番は風間さんでしょうか。爽やかでフェアでそれでいて積極的で。
今の祖父母世代がよく、昔はよかったなんて言いますが、私もこの時代に生きていた -
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源氏鶏太の連作短篇集『英語屋さん』を読みました。
1950年代に「サラリーマン小説の第一人者」と呼ばれた源氏鶏太の作品を初めて読みました……子どもの頃、父親の書棚で背表紙を見た記憶がありますね。
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自分だけがつらいんじゃない! と思えることで、なんとか頑張れています。
僕と同じ30代にオススメ! 担当者K
入社10年の風間京太は、気難しい社長の出張に随行を命じられた。
お眼鏡に適えば、大出世。
機嫌を損ねたら、お先真っ暗。
社長は現地にいる元愛人との逢瀬を企んでいるが、夫人からは二人の密会を阻止せよ、と厳命されており……。
風間の選択は!?( -
Posted by ブクログ
タイトルと表紙絵に、シュールな面白さを感じて、BOOKOFFでネット注文し、入手しました。
内容は、「ザ・昭和のサラリーマン」といった感じで、現代の働き方とは、全く異なった仕事への姿勢を読み取ることができて、とても新鮮でした。
現代であれば、女性蔑視としか捉えられない言動もいくつかでてくるのですが、当時であれば、違和感がなかったのだろうと思いました。70年ほどで大きく世の中の価値観が変わったのがよくわかり、興味深かったです。
一方で、サラリーマンとして普遍的な大事な考え方も随所に描かれており、処世術の勉強にもなったと思います。
短編集で、サザエさんの話を何話か見たような感覚なので、ライ -
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入社10年目の風間京太の会社での日々や、会社で出会った人たちのことを綴った短編集。現代なら通用しないであろう理不尽な慣習も含め、昭和のサラリーマンの姿が描かれている。
本のタイトルにもなっている"英語屋さん"は、通訳として採用され、その実力は認められながらも、癖が強く、嘱託職員のまま定年を迎える予定の茂木さんのことを描いた話。
茂木さん同様、嘱託職員として入社しても、要領よく正社員になっている人もいる中で、内心面白くないと思うが、自分の仕事には責任と自信をもって取り組み、重役とも互角にやり合う。世渡りは下手でも、こういう人が社会人としてカッコいいと思う。 -
購入済み
源氏鶏太作品の主役たち
源氏鶏太の小説を、読んでいると、この物語の主人公昭和太郎もそうだが、頭の中のイメージが、若い頃の石原裕次郎になってしまう。主人公のまっすぐな性格が、裕次郎のイメージにピッタリだと思うのですだから読み終わった後、スッキリした気持ちになります。
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昭和軽薄体の母体になっているような文章で書かれた
ガッチガチの王道ラブコメで今更驚くようなことは特にございません。
ただ、このサラリーマン社会と家社会の
濃厚な昭和感は久しぶりに感じたもので
もはや資料的な価値があるとすら言えると思います。
ご都合主義的な展開なので、
あからさまな当て馬がいっぱいいてもやっとする人はいると思う(笑)
ただ、この人、1912年生まれで
1930年から会社勤めしながら小説を書き続けて1951年に直木賞をとって
本作自体は1958年からの雑誌で連載したものです。
戦争をくぐってここまで影のない作品を書くのは
かえって信念の人ではないかと、これしか読んでないけど -
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ネタバレ句点の多さに疲れる。
その内癖になるのだろうかと思いながら読んでいたが、癖になる前に句点を無視することを覚えた。
そうしてみると、ただの少し文体の古い小説。
なんだかとても健気で、純粋で、私もそんな気持ちを忘れてはいけないなぁと思った。
有子と町子の再会シーンでは涙を堪えられなかった。
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主人公の少女、小野有子は祖母の死によって自身の出生の秘密を知り、見知らぬ土地東京で暮らすことになる。継母とその子供たちからのいじめ、手がかりの少ない実母の行方探しなど幾多の困難にぶつかるが、それでもけなげに真直ぐ生きる彼女に手を差し伸べてくれる人々が現れ、運命は好転していく……。青空のように明るく希望に