櫂末高彰のレビュー一覧
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正式な部ではないけれど、全校合同合宿に参加。
そこでテニス部に勝負を挑み、部員が一人減ってしまった。
いつもの事ながら、思い付きで行動をして
後の責任を取ろうとしない部長にいらっとします。
が、今回はそこではなく、唯一連れてこられた彼女。
過去を振り返られると、確かにこれは折れる、と。
しかしこれ、こちらにも言えるけれど
あちらにも言えるのではないでしょうか?
口にしなかった、という事は、あちらもこの決定に
不服なし、という状態が生まれるわけですし。
どうしたいのか、どうするのか。
自分で納得して掴み取らないと、結局それは
もろいものになっていくのです。 -
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立地上、やたらに妙な学校の中を走り回る階段部。
非公認のそこに、体験入学する羽目になったわけだが。
楽をしようと考えていたのに、魅力に取りつかれ
色々な青春を送る事になった少年の話?
すでに家の環境が、ギャルゲーちっくではありますが。
そんな家庭環境から部の内容まで
きれいさっぱり青春もの。
恋は…ないですけどw
走って障害物をよけて、というのが
読んでいてわくわくします。
スピード感がある、というのもあるのでしょうが
どこを選んでどう走れば、というのを一緒になって
悩んでしまいます。
校舎の正確な地図、分からないのですが(笑)
しかし、特殊な部活、多すぎです。 -
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なんというか、部活(?)で青春な作品。
先月読んだファミ通作家コラボで読んで気になったので読んでみた。
学校の階段や廊下を走るという変なクラブに入った新入生の話なんだけど、アホなことでも一生懸命頑張れるのは青春だよなあと、妙に懐かしかった(笑)
いや、でも、そんなアホな設定も主人公がだんだん部活に嵌っていく過程が丁寧に描かれていて、すんなり引き込まれた。
この辺り、『ベン・トー』にも通じるものがある。
最後のラリー対決にいたる盛り上がりと、その後の生徒総会場面の安心感が作品を温かくしている。
とはいえ、恋愛要素は希薄で、熱血成分もまだ足らないと思う。
次巻以降、さらに熱い展開になるのかなあ? -
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“息を吸い込んだ。
「「「「「「明けましておめでとうございます!!」」」」」」
年始の挨拶とともに、六人は一斉に飛び出した。
「うおりゃああああああ!」
井筒がスタートダッシュを見せる。手に持った懐中電灯をブンブン振って石段に突っ込んでいった。一段飛ばしで駆け上がる。その後を九重と三枝が並んで続いた。幸宏は天ヶ崎とほぼ同時に石段へ飛び込む。ほとんど真っ暗闇の中に身を投じたのだが、まったく怖くなかった。ゴツゴツと均一でない石段の感触も、すぐ足に馴染む。
よしっ、意外と周りも見えるぞ。
外から見たときは真っ暗闇に見えたが、実際に足を踏み入れてみると両脇の明かりがしっかり足下を照らしている。懐中電灯の光が加われば、駆け上がるのにも支障はなかった。
二、四、六、八っ……。
一段飛ばしで段数を数えながら走る。足場が平坦ではないので、瞬時に着地店を判断してテンポ良く足を下ろさないと、リズムが取りにくかった。左手の指で一〇の位をカウントしつつ、二、四、六……と頭の中で呟く。
「!」”
いきなり番外編の二巻目が出てちょっとびっくり。
あーみんな相変わらずだなって思う。
先輩四人組は、これからもこのままでいてほしいなと思ったり。
井筒ちゃん可愛いよ井筒ちゃん。
“「そっか、そっか。ちづるちゃんはそっちに考えちゃったんだねえ」
駆け足になりそうな私の横で、遊佐君が勝手に一人で納得している。何を勘違いしているんか知らないけど、とにかく今度こそ駅まで無視を決め込むわ。
「…………」
ギュッと口をつぐんで五分ほど。意外なことに遊佐君は私に何も話しかけないで駅まで並んで歩いてくれた。無視すると決めていたけど、何もなかったらなかったで拍子抜けだわ。駅の改札の前に辿り着いたところで、私は一応挨拶をしようと思って遊佐君の方を向いた。
「ここで問題です」
狙っていたようなタイミングで、いいえ、きっと狙っていたのね、目が合った瞬間、遊佐君が先に口を開いたのよ。しまったと思ったんだけど、彼の声が耳に入る。
「この場合の『ライバル』とは誰と誰のことを指しているのでしょう?」
「え?」
思わず聞き返してしまう。この場合?もしかして、さっきの話の続きなの?九重と私がライバルなのかどうかっていう……。
「それじゃあ、ちづるちゃん。また明日」
私が戸惑っているうちに、遊佐君は自転車に跨って軽く手を振り、さっさと走り去ってしまった。くうううう、またやられた。勝ち逃げされた気分よ。どうしてあいつは一々先手を取るのかしら。いつかやり返してやるんだからっ。” -
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“その椅子が、ゆっくりと回転する。スクリーンの中の人物が、こちらを向いた。
「!?」
その人物の顔を見て、幸宏は目を疑う。そこにいたのは――
「皆さん、こんにちは。私は、天栗浜高校『女神委員会』会長・吉田行弘です」
吉田だった。吉田が生徒会長の椅子にふんぞり返って不敵な笑みを見せている。そして、スクリーンの外からもう一人の男子生徒が現れた。
「同じく、副会長の渡辺雪比呂です」
今度は渡辺である。こちらも不敵な笑みを張りつけていた。幸宏は混乱する。どうして彼らが生徒会室でこんなことをしているのだろう。
まるでその疑問に答えるかのように、吉田が宣言した。
「『三年生を送る会』にお集まりの皆さん。本日はまことに勝手ながら、当初の予定を変更して、一つの作戦を決行に移したいと存じます。名づけて」
吉田の目が幸宏を捉える。
「階段部、殲滅作戦!」
ええええええええええええええええ!?
会場内のどよめきは、同時に幸宏の心の声でもあった。”
最終巻。
走る衝動に駆られるハムスターたちの行く末は。
うー、ちと泣ける。
色々と、続きが気になるけど、これからもこのまま続いていくっていう感じのこの終わり方は好きだ。
問題も多々起きて、それでもその都度解決して、階段部は続いていく。
きっと、そんな感じ。
“小夏が天ヶ崎からデジタルカメラを受け取る。
「さあ、もっと寄るのよー。私を囲んで密着するのよーっ」
九重が腕を伸ばし、五人を引き寄せた。バランスを崩しそうになり、皆が互いにしがみつく。しかし耐え切れず、倒れかけたところで小夏がシャッターを切った。
「きゃあっ」
天ヶ崎の髪が舞い上がる。
「うおっ」
三枝の眼鏡がずれた。
「危ねえっす」
井筒が懸命に踏ん張る。
「ゆうこ、引っ張るな!」
刈谷が襟を摑む手を払おうとした。
「押さないで下さいっ」
前のめりになりながら、幸宏が訴える。そして――
「階段部、大好きー!!」
九重が、満面の笑みで叫んだ。倒れ込みながら、幸宏たちもそれに続く。
「「「「「大好きだーっ!」」」」」
その声は天高く、雲の向こうまで飛んでいった。” -
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“幸宏は日の光をぼんやりと見つめ、深呼吸をした。まだ空気は冷たいけれど、朝の緩やかな日差しを吸い込むことができたような気がする。
スイッと、横に誰かが並んだ。振り向いた瞬間、相手が囁く。
「おはよう」
美冬の横顔が目の前にあった。彼女の頬に日光が射す。ツインテールの髪が揺れ、幸宏の肩を撫でた。
「……お、おはよう、ございます……」
幸宏はろれつが回らなくなる。美冬はさっさとその場を離れ、天ヶ崎の腕に手を回した、二人して笑う。
……え、えーっと。
日差しが急に暑くなった。視界の隅で井筒と前田がニヤついている。女子に混じって吉田や渡辺、石井も何か叫んでいた。幸宏は顔を多少乱暴に撫でつけ、一つ、ため息をつく。
そうして、月曜の朝を迎えた。”
合間、合間の話とか。
女神委員会面白い。
プリンは結構簡単に犯人わかった。理由までは、推測が及ばなかったけれど。
“「いや、もう海水浴には遅い時期だし。それにお盆に海で泳いじゃいけないって話、聞いたことあるし」
「気にすんな。散歩するだけだから」
「千秋姉さん、目が笑ってるよ。あ、そうだ、もうクラゲとか出る頃じゃない?海はあんまりお勧めしないなあ」
「ダイブ」
「小夏姉さん!?今、すごく不吉な単語を聞いた気がするんですけどっ。何か、前にもこんなシチュエーションで酷い目に遭わされた覚えがあるよ!」
「なんだよ幸宏、デジャヴか?」
「絶対違う!明らかに悪意を感じるっ」
「まあまあ、気にすんなって」
「ダイブ」
「小夏姉さん!?マジですごく怖いんですけどっ」
「今のは大丈夫を縮めて言っただけだって。ダイジョーブ、略してダイブ。な?」
「嘘だ!そんな略し方初めて聞いたっ」
「新しいだろ?」
「そんな新しさ、いらない!」
「ダイブ」” -
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“「どうして勝てない気がするの?」
「……なんていうか、『武器』が見つからないっていうか」
幸宏は美冬を見る。思いのほか真剣な表情で彼女はこちらを見ていた。
幸宏は「武器」について悩んででいることを美冬に話してみる。
「……そうだね、勘は『武器』にならないと思う」
話を聞き終えると、美冬はポツポツと、考えながら言葉を紡いだ。
「多分、それは『盾』だよ」
「『盾』?」
幸宏は思わぬ言葉に聞き返す。
「自分を守るもの。……決め手にはならないけど、ギリギリで支えてくれるもの、かな」
「僕の『直感予測』が?」”
階段部の次期部長になるのは誰なのか。
幸宏はどうなっているのか。どう変わっていってしまうのか。
“井筒目からしても、神庭の走り方は異様だった。自棄になるような要因は何もないはずであり、そもそも自棄になっているとは思えない。冷静さを欠いているとも思えなかった。むしろ、非常に冷静に――
歪んでやがる。
井筒にはそう見えた。神庭は歪なままに、それを極めようとしている。少なくとも井筒たち三人とは別の感覚で走っている。
それならそれで、面白い勝負ができそうだけどな。
神庭の体が壊れてしまわないか。それだけが心配だった。” -
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“「……どうして」
どうしてだろう。どこかに隙があったのか?先日の水戸野との一件以来、気をつけるようにしていたのに。勘の良い水戸野ならともかく、槙島にまで見透かされそうになるなんて。
「どうして、放っておいてくれないんだ」
踏み込んできてもらいたくはない。ここからは全て自分ひとりで決める。そんな線引きをしているというのに、自分の周りの人間はやたらと土足でその中に踏み込んでくる。邪魔で邪魔でしょうがない。
「…………くそっ」”
波佐間勝一の問題。
天ヶ崎と水戸野のやり取りが面白い。
三島は幸宏が好きなの?
にしても幸宏は鈍すぎる。
“「あら、文字通りの引っ張りだこね」
そこへ御神楽までやってくる。幸宏の様子を見てちょっと思案げな顔になり、
「やっぱりこういうことは、男性から誘うのが礼儀じゃないかしら?」
とんでもない提案をしてくれた。希春と三島がハッとした顔になり、幸宏を凝視する。背後からも凄まじい気配を感じるので、おそらく美冬もこちらを見つめているのだろう。幸宏は額に嫌な汗を感じた。
「さあ、誰を選ぶのかしら?」
近づいてきた御神楽は、楽しそうに微笑んでいる。そっと自然に右手を差し出してきた。まるで、その手を取るのが当たり前だと言わんばかりの仕草である。右からは希春の噛みつきそうな目。左からは三島の訴えかける瞳。背後からは美冬の殺気めいた気配。四方を完全に包囲され、幸宏は窮地に立たされた気分だった。
……ええと、一体誰を選べば。
全身が熱くなる。思考がグチャグチャになってきた。周りでは大まかな組み合わせが出来上がりつつある。時間はあまりない。決めなければ。
「僕はっ――」” -
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“しかし、その予想は覆された。誰もが引くと思っていた場面で、神庭は思い切り前に出たのである。元々、筋肉研究部をネタにして笑うという行為自体があまり褒められたものではなかった。大半の生徒はそれを頭の片隅では理解しているので、御神楽の言葉に笑いながらも罪悪感はどこかにあったはずである。
そこに来て、神庭の思い切った一言。そこまで面白い発言でなくても、暗い嘲笑よりずっと気持ちよく笑える。あいつはどんな計算は一切していなかっただろうが、あれで神庭は心情的に「良い人」の立場に立った。……チャンスだっ。
ここで生徒会長としての力量もプラス評価がつけば、流れは神庭に大きく傾く可能性が高い。
仕掛けるか。
刈谷はほくそ笑む。ふと、九重が楽しそうに廊下を駆け抜けていくのが見えた。”
御神楽さんがやっぱり怖い。
果たして、生徒会長に就任するのは神庭幸宏か、御神楽あやめか。
前から思ってたけど、どうして筋肉の描写はこうも細かいのか。
“「(中略)それでも僕はこの世界に生きていて、この世界を好きでいたいんだよ」
「……いいわね。そう思えるなんて」
「御神楽さんだって、そう思えるよ」
「嘘」
「本当だよ」
そう言って、幸宏はマイクのスイッチを入れた。
「だって、みんなそれぞれ違っていて、それで良いんだから」
そして御神楽のことを待つ。彼女はしばらく俯いていたが、ついにマイクのスイッチを入れた。
「そうであったら、素晴らしいんでしょうね」
それから二人同時に頭を下げ、生徒会長候補の最終演説は終わった。” -
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“「……………」
そこにあるのは、やはりただの階段だった。
あ、れ?
スタート。
レースは一方的だった。四階まで上がり切る前に井筒にリードを許し、そのまま彼の背中を追いかけて走る展開になってしまった。今度も階段を飛ばして降りることができない。ゴールするまでに息切れしてしまい、最後は少し歩いてしまった。
「おーいっ。何だよ、それ。本当にテンション下がってんぞ!せっかく俺が……」
怒る井筒に平謝りで応じながら、幸宏自身も苛立っていた。おかしい。こんなはずじゃないのに。自分は、どうなってしまったんだろう。”
神庭幸宏が階段を駆けることに理由はあるのか。
御神楽が普通に怖い。計算づくだ。
遊佐の計画も、怖いけど。こっちのほうがいい。それにしても完璧すぎる。
“「やあ、いらっしゃい。ご用件は?」
女子生徒と対照的に、椅子に深々と腰掛けて悠然と微笑みかけてくるのは、天栗浜高校現生徒会長、遊佐由宇一その人だ。
幸宏は息を整えながら歩み寄り、遊佐の前に立った。机の上に置かれた碁盤を見下ろす。碁盤の上には幾つもの碁石が並べられていた。
「遊佐さん……」
息はまだ整っていなかったが、幸宏は切り出した。腕を振り上げる。遊佐の目が、一瞬揺らいだ。
バアンッ。盤上の碁石を乱暴に払いのける。幸宏は思い切り叫んだ。
「一年三組、神庭幸宏っ。生徒会長に立候補します!」
女子生徒が目を見張って両手を口元に当てている。遊佐は碁石が飛んだ瞬間、それらを少し目で追ったようだが、椅子から身を起こすことはなかった。その微笑みが、ゆるゆると深くなっていく。
「いいね」
そして、幸宏を見上げて満足そうに頷いた。
「良い一手だ。ありがとう」
幸宏は姿勢を正し、遊佐に一礼した。” -
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“「愛ちゃん」
凪原が呟いた。隣に立つ三島の唇からも「マキマキ?」という声が零れる。
「どした?」
一番後ろを歩いていた井筒が呑気な声を上げた。瞬間、少女の視線が井筒へと移る。そして、たちまち険のある顔つきになった。再び凪原を見やり、
「何よっ!バカ!」
そう叫んで踵を返した。走り去る。幸宏が唖然としているうちに、凪原が「待って!」と叫んで飛び出し、少女を追いかける。”
月光ダンシングステップと月の女神様の問題。
友達とはどういう関係を指すのか、とか。
凪原ちゃん可愛いよ。眼鏡がマジ可愛い。
マブチとか天ヶ崎とか波佐間とか水戸野とかは、持ち越し?
“『わかってねえなあ』
誰の台詞だったろう?あまりに何度も聞き過ぎて、もう誰から言われたのかも思い出せない。もしかすると、自分が自分に言い放ったのかもしれない。
「わかってねえなあ」
試しに口に出してみた。なるほど、よく馴染む。今回もそうなのだ。自分はわかってなかった。空気を読み損ねた。協調性を持ち合わせていなかったのだ。凪原に筋を通したいと思った。でも、間違えた。山田たちと言い争うつもりはなかった。だけど怒鳴ってしまった。もっと大人しく、下手に出ていれば良かった。だが、そんな冷静な判断力は持ち合わせていなかった。
「わかってねえなあ」
座り込み、井筒はもう一度呟いてみた。”