庭のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
1969年に刊行され、その後出版社が変わりながらも版を重ねている名作。
婿養子に入り母親の尻に敷かれっぱなしの父親。
兄弟4人は全員優等生なのにただ1人出来が悪いと秀一(ひでかず)をいつも叱り、抑圧する母親。
学校での秀一の素行をとことん調べあげ母親に密告する妹のマユミ。
母親に押さえつけられ、妹に見張られて、自分のやりたいことがすべて否定され、奪われている様子に胸が苦しくなります。
自分だけが勉強ができない、他の兄弟のようになれないことにもがき苦しみ、ある日、抑圧に耐えらえなくなった秀一は家出を決行します。
その途中、ひき逃げを目撃したり、転がり込んだ山中の家が武田信玄の隠された財宝に関係 -
-
購入済み
本作品の後作である「放課後四重奏」を読まさせていただいた後に読みました。
作品の基盤に性善説があることもあり、夏に飲み干すラムネのような、
読後の清涼感がスバラしい作品でした。
キャラクターの体裁説明がくどかったりと、文体の細かな点は好き嫌いがあるかも知れませんが、それはほんの些細なことで、
読む、読み返すに値する素敵な作品でした。
-
-
-
-
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレ何かで書評を見て、面白そうだな、と小5の息子用に購入。タイトルからしても、自我が育っていく今の時期にちょうど良いのではないかと思い、一緒に読みました。
1974年くらいに初版が出ていて、少し時代が古い。主人公の秀一の兄たちは、どうやら学生運動に少し足を踏み入れたりもしている。それを親が心配する場面などが出てくるので、「学生運動」や「反体制」について少し、息子に説明してあげる必要があった。主人公の秀一が親に反発して自立しようとする過程と、兄たちも学校や国の制度に疑問を持ち始めるということをリンクさせているのだろう。兄たちは家では母に従順で、いつも秀一は兄や妹と比べられ、叱られてばかりいる、という -
Posted by ブクログ
教育に熱心すぎる母親と、母親の理想像から外れ問題児のレッテルを貼られた小学校6年生の主人公。
強く叱責されても、抗えず別のところでストレスをはく、その結果、また叱られるという悪循環。
あるとき、「こんな家出て行ってやる。」というと、母親から「家出すら出来ない。」とこき下ろされ、感情的に家出を敢行。それをきっかけに様々な出会いが少年を成長に導いた。
家出をしたことで世界が広がった少年には、これまでの強権的な母親とは違う姿が見えるようになっていた。視点が変わると、物事が違って見える事をいろいろなエピソードから教えてもらえる。
古い書籍なので、戦争の話しやら学生闘争やら昔の言葉が多い。
めが -
-
Posted by ブクログ
1巻にもましてキュウリにハチミツをかけたような珍妙な味わい
とは言いすぎだけれど
キャラクタとか描き方とかお話とかの向いている方が
何かズレているところの味わい深い作品
ファミ通文庫の『短編小説を愛してる』みたいな普通の仕上がりにすれば良いものを
「中高生向け娯楽小説」化をいわゆるライトノベルのらいとのべらないずと違って
どうしてこうなったな方向にむりやりでなく迷走して
なんとなくそれなりにまとまっていて
GA文庫らしい趣きな作品
キュウリは味噌や塩やサラダドレッシングのほうが美味しいと思うが
それは知っているので変な味付けもたまには良い -
-
-
-
-