ウイリアム アイリッシュのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
1942年に発表された古典ミステリー
舞台はニューヨーク
妻と喧嘩をしたヘンダースンはあてもなく街をさまよう…
たまたま入ったバーで出会った風変わりな帽子(パンプキンみたいな…)を被った女を誘い、食事をし、劇場でショーを観て別れる
その後、深夜に帰宅するとヘンダースンを待っていたのは絞殺された妻の死体と刑事たちだった
警察は夫であるヘンダースンを疑う
彼のアリバイを証明できるのはバーで出会った女だけ…
しかし、誰も女を見ていない…
そしていよいよヘンダースンに有罪の判決が下り死刑が言い渡される
死刑執行まで87日
ヘンダースンの友人と恋人が内密に捜査に協力し「幻の女」を追って奔走するが…
刻一刻と迫る死刑執行にハラハラドキドキ…
⦿女は一体どこにいったのか?
⦿なぜ誰も女のことを覚えていないのか?
⦿妻を殺したのは誰なのか?
ヘンダースンは冤罪で死刑執行されてしまうじゃないか…
一体どうなっているんだ!
もしかしてヘンダースン自身が信用できない語り手なのか?…(笑)
ツッコミどころはあったけど…
確かに「読んでないなんてもったいなかった」
大どんでん返った…
その追い詰め方がすごかった!
まだこの作品が未読という人がうらやましい…(笑) -
Posted by ブクログ
ネタバレハヤカワの『海外ミステリ・ハンドブック』から。
こーれは面白かったです!オススメ。
【あらすじ】
妻と喧嘩して家を飛び出し、あてもなく街をさまよっていたヘンダースンは、”パンプキンのような”帽子をかぶった見ず知らずの女と出会う。食事をし、劇場でショーを観て、酒を飲んで別れて家に帰ると、待っていたのは絞殺された妻と警察だった――。
第一章から「死刑執行日の百五十日前」と始まり、続く章もすべてその形式でタイムリミットが近づいていきます。
死刑執行を待つのみのヘンダースンに代わり、親友であるロンバードが”幻の女”を探すのですが、なかなか一筋縄ではいかず。あらゆる疑念が浮かぶ中で、すっかりロンバード視点の物語に夢中になっていただけに、真相には度肝を抜かれたといってもいいでしょう。私はてっきり”幻の女”はその筋の奥方で、だから出てこないのだと思っていましたが……。
自分の無実を証明してくれるはずの女が見つからない、というストーリーは横溝正史の短編にもありましたが、オチも同じでは、というのは全くの杞憂でした。
本書は、プロットの鮮やかさだけでなく、詩的な文章表現も特徴的です。
ミステリーでありながら、登場人物の内面を豊かに表す文学的な表現が多く、一般小説としても読み応えがあると思います。
ただ、あれだけ印象的な振る舞いをした同伴者を忘れるか?!と思わなくもないのですが、これは偏見かもですが男性だったらありがちなのかな。。
そして今回なにより感じたのが、予備知識のない状態で読むミステリーの面白さ!
私はこれまで、”王道ミステリー”だとか”外せない名作”だとか、どうしても期待値の上がってしまう作品を手に取ることが多くありました。
本書も、広く愛され評価の高い一冊ではあるのですが、どんな探偵だとか評価ポイントだとか、そういった事前情報はほぼゼロの状態で読み進めたので、「この先どうなってしまうのだろう」と新鮮にワクワクすることができました。
詩的な表現に触れながら、緊張感のあるミステリーに触れたい方に、ぜひオススメの一冊です! -
Posted by ブクログ
ネタバレ妻と喧嘩して家を飛び出したスコットは、バーで特徴的なオレンジ色の帽子を被った女と出会う。食事とショーをともにした後スコットが帰宅すると、家には警察がおり妻が殺されていた。妻の首にはスコットのネクタイが巻き付いていて、彼は殺人の容疑で逮捕されてしまう。スコットはバーで出会った女が自分の無実を証明してくれると思い彼女のことを思い出そうとするが、記憶にあるのは特徴的な帽子だけ。刑事とともにバーやレストラン、劇場をまわりスコットと一緒にいたオレンジの帽子の女を見ていないか尋ねるも、みな口を揃えたように一人でいるスコットしか目撃していないと証言する。そんな中、ついにスコットに死刑判決が下る。
スコットは死刑執行までの日々をただひたすら過ごすだけだったが、彼を逮捕した刑事バージェスは、もしかすると本当にスコットは無実なのではないかと考えるようになる。そこでバージェスは、スコットの親友ロンバードに、スコットの無実を証明するため幻の女を探すように依頼する。スコットの浮気相手だったキャロルの協力も得ながら、少しずつ幻の女へと近付いていくが、行く先々で、幻の女のことを目撃していた人々が何者かに消されていく。
犯人がオレンジ色の帽子の女を「幻の女」に仕立て上げた方法についてはやや強引だが、犯人にとってもその女が幻となってしまったところは皮肉が効いていて面白い。
「死刑執行日の◯◯日前」という章題が焦燥感を駆り立てる。どれだけ訴えても自分にとって不利な状況を打開できないもどかしさと恐怖が上手く表現されている。読みやすい訳でテンポもいいので、あっという間に読み終わる。
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Posted by ブクログ
ネタバレミステリーの古典でどんでん返しの結末、それだけでも興味津々ですが、 J・ディーヴァーのリンカーン・ライムシリーズの面白さを知った私が本作を手にするのはもはや必然だったように思います。
エドガー・アラン・ポーのモルグ街の殺人から始まった推理小説の歴史。
本作も不朽の名作であることは読めばわかります。
主人公は株式ブローカーのスコット(職業は本作では全く重要ではありません)。
妻となんとか離婚をしようとしていたスコット、それまでとは手法を変え食事と劇場に妻を誘う。
直前になって行かないと言い出す妻と激しい言い合いの末に家を飛び出したスコットは何気に立ち寄ったバーで不思議な帽子をかぶった女性と出会い、妻と訪れるはずだった食事と劇場にその女性を誘う。
出会ったバーで再度酒を飲み、何事もなく女性と別れ、家に帰り着くと警官が。
スコットが外出している間に妻が絞殺されており、スコットは殺人容疑で勾留されてしまう。
妻の死亡時刻にはバーにいたと言うスコット。
彼がその時間にバーにいたことが証明できればスコットの無実は証明される。
しかし、バー、レストラン、タクシー、劇場の関係者はスコットは1人だったと証言し、彼は電気椅子による死刑を宣告される。
スコットに残された時間はわずか。
彼の無実を証明できる唯一の存在、"幻の女“はどこに消えたのか?
スコットは"幻の女“探しを親友であるジョンに依頼する。
友の為、ジョンは"幻の女“を探し始め、手がかりを掴むごとに情報源となった人々が次々に不審な死をとげます。
スコットが処刑されるまさに当日、ジョンはついに"幻の女“に辿り着く。
ジョンと時を同じく、スコットの無実を証明しようと走り回っていたのが、彼の若い恋人(愛人)キャロル。
裁判でのスコットの発言からもしかしたら彼は真実を語っているのかもと疑念を持ち始めた刑事バージェス。
三者三様で追い詰めた"幻の女“。
そこで明かされた驚愕の真実。
もはや古典とも言われる本作ですが、全く古さを感じることなく読み終えました。
説明
内容紹介
創立70周年記念作品 不朽の名作、ついに新訳版で登場!
けんか別れした妻が殺された。そのとき、夫は街で出会った奇妙な帽子の女と過ごしていた。唯一の証人は彼女だけ……今はどこに?(解説:池上冬樹)
内容(「BOOK」データベースより)
妻と喧嘩し、あてもなく街をさまよっていた男は、風変りな帽子をかぶった見ず知らずの女に出会う。彼は気晴らしにその女を誘って食事をし、劇場でショーを観て、酒を飲んで別れた。その後、帰宅した男を待っていたのは、絞殺された妻の死体と刑事たちだった!迫りくる死刑執行の時。彼のアリバイを証明するたった一人の目撃者“幻の女”はいったいどこにいるのか?最新訳で贈るサスペンスの不朽の名作。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
アイリッシュ,ウイリアム
1903年12月4日ニューヨークに生まれ、1968年9月25日ニューヨークのホテルに死す。コーネル・ウールリッチやジョージ・ハプリィ名義でも作品を発表
黒原/敏行
1957年生、東京大学法学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) -
Posted by ブクログ
あぁまた一気してしまった。ウィリアムアイリッシュはサスペンス小説の巨匠なのだが、私は最も好きな恋愛小説家は誰かと問われればアイリッシュと答える。彼の描く男女はいつも甘く切ない青春ど真ん中なのだ。そういう面で一番は暁の死線。幻の女も言うまでもない。殺人現場というドキドキのシチュエーション、揺れる心理、言えない秘密、逃げるふたり、それらは恋愛を引き起こすきっかけでしかない。まだ読んでなかった『死者との結婚』を読む。ニューヨーク行きの列車に一人乗った身重の貧しいヘレンは博打打ちの夫に捨てられ今後の不安に打ちひしがれていた。彼女にヒューとパトリスという婚約中の裕福なカップルが優しく声をかけてくれる。しかし列車転覆の大事故。ヘレンは病院のベッドで目を覚ました。そこから彼女の運命は一変する。アイリッシュは本当に魅力的な女性を描く。少し残念なのはラストで話をループさせたこと、そんな小細工はいらない。恋するふたりはすべてを投げ打ってでも運命を打ち破り明日への希望へ向かわねばいけないものなのだから。
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Posted by ブクログ
「夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった。」
この詩的な書き出しから始まる、古典的なミステリーの傑作。
妻殺しの嫌疑をかけられた主人公の死刑執行前に無実を信じる友人が捜査に奮闘する。
アリバイ成立のため、事件当日主人公とバーに同席していた女性を探すが、なかなか見つからない...
80年ほど前の作品であるからか、警察の捜査がざるすぎるだろとツッコミたい部分もあったが、そんな時代背景を越えて、引き込む魅力がある。
ハードボイルドでありながら、随所に情感豊かな描写が光り、ニューヨークの夜の湿った空気感や、死刑執行までのタイムリミットまでの焦燥感、絶望感の描写が秀逸だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレウィリアム・アイリッシュ作品。 3作品目。
「その望みが達せられるなら、どんな運命でも、たとえそれがスペードのエースでも、甘んじて受けましょう」ルイスは祈る。破滅の合言葉です。
「あたし、いちかばちかってことをやる男が大好き」刹那に生きるギャンブラーの言葉が、加速させる。
ただなぜこうなってしまったのでしょうか? 何度読み直しても、破滅した理由が、よくわからなかった。
違和感があるとすれば、きっと金銭感覚。物語は、1880年に始まる。日本では、鹿鳴館ができた頃。具体的な金銭感覚は不明ですが、当時の$1は、現在の価値で考えると、1-2万円相当。(仮に1万円として)、ルイスがジュリアに持っていかれた金額は、5万ドル(5億円)。ルイスの全資産は10万ドルだから、その後、お金が無くなるエンディングまでに、同等の金額を使い切った換算。
ボニーが浪費癖があるとはいえ、逃避行のホテル暮らしとはいえ、豪華な家&家政婦とはいえ、にわかに信じられないお金の使い方としか思えません。えっと、5億円あれば……。私だったら、指輪や宝石を買っても、ドレスをオーダーしても、ホテルで食事をしても、とても、使い切れない。
破滅に向かう二人のコントラストが面白い。ギャンブラーと鴨・小心者。ただ、働き通しだったルイスも、ボニーとの逃避行は、希望こそ持てなく、単に浪費(お金と時間の)だけど、きっと、それまでの生き方よりも、幸せだったに違いない。だから、最後に、「あれ」を飲もうとしたのでしょう。
一方、ボニーについて、最後はなんかルイスとワルツを踊って、愛?いや同情?したような感じでしたが、最後まで、小悪女を貫いてこと、と思うのは、私だけ?