ウイリアム アイリッシュのレビュー一覧
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まさかアイリッシュがこんな悲恋の物語を書こうとは思わなかった。
冒頭、別人になりすました若き淑女の登場から、度重なる齟齬から発覚する、花嫁入替りの事実。その事実が発覚すると同時に主人公の巨万の富を持ち出して逃亡する花嫁。復讐の鬼と化した主人公は1年と1ヶ月と1日を費やし、とうとう彼女を捕まえる。しかし、そこで彼女の巧みな話術によって誑かされ、結局彼女とまた2人の生活を始める。それが彼の正に人生の大きな過ちの始まりだった。
花嫁の捜索を頼んだ探偵を自ら殺めることで闘争の日々が始まり、拠点を転々とし、ついに私財も底を尽く。彼女に唆されて博打ぺてんを仕掛けたものの、呆気なくばれて、ついに一文無しにな -
Posted by ブクログ
あぁまた一気してしまった。ウィリアムアイリッシュはサスペンス小説の巨匠なのだが、私は最も好きな恋愛小説家は誰かと問われればアイリッシュと答える。彼の描く男女はいつも甘く切ない青春ど真ん中なのだ。そういう面で一番は暁の死線。幻の女も言うまでもない。殺人現場というドキドキのシチュエーション、揺れる心理、言えない秘密、逃げるふたり、それらは恋愛を引き起こすきっかけでしかない。まだ読んでなかった『死者との結婚』を読む。ニューヨーク行きの列車に一人乗った身重の貧しいヘレンは博打打ちの夫に捨てられ今後の不安に打ちひしがれていた。彼女にヒューとパトリスという婚約中の裕福なカップルが優しく声をかけてくれる。し
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Posted by ブクログ
ネタバレウィリアム・アイリッシュ作品。 3作品目。
「その望みが達せられるなら、どんな運命でも、たとえそれがスペードのエースでも、甘んじて受けましょう」ルイスは祈る。破滅の合言葉です。
「あたし、いちかばちかってことをやる男が大好き」刹那に生きるギャンブラーの言葉が、加速させる。
ただなぜこうなってしまったのでしょうか? 何度読み直しても、破滅した理由が、よくわからなかった。
違和感があるとすれば、きっと金銭感覚。物語は、1880年に始まる。日本では、鹿鳴館ができた頃。具体的な金銭感覚は不明ですが、当時の$1は、現在の価値で考えると、1-2万円相当。(仮に1万円として)、ルイスがジュリアに持ってい