板谷敏彦のレビュー一覧

  • 金融の世界史―バブルと戦争と株式市場―

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    金融に関わる仕事をしているが、正直内容は難しかった。利子の話から始まり、国債や株の話に遷移して行くが、普段あまり考えない(正確には、ふと疑問に思うけど、考えるのをやめてしまう)ような内容が書かれていて、考えながら読む必要があった。それなりに金融の用語を知っている必要があるのと、一度は自分の頭で色んな金融商品の仕組みを考えたことがある人だとかなり楽しめるのではと思う。自分も歴史と交えて金融をこんな風に話せるようになりたいと思った一冊だった。

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    2020年02月02日
  • 金融の世界史―バブルと戦争と株式市場―

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    前作日露戦争資金調達の戦いが面白かったので読んでみた。古代メソポタミアのハムラビ法典では貨幣より先に利子の概念が定められていた、ところから始まり、現代のリーマン・ショック後に至るまで金融の歴史を追っていく。範囲が広いだけにやや教科書的な簡素さもあって、のめりこんで読む、って感じにはならなかったが、それでもチャップリンの映画「街の灯」にまつわるエピソードや、筆者がニューハンプシャー州の土産物屋で買った「月へ行く鉄道」というビデオの舞台がブレトン・ウッズだったり多様な観点から結びつけてストーリーを紡ぐ博識さはさすが。そして思ったのは、〇〇GDPだとかの用語や株価のグラフの見方など、超基本的な知識は

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    2019年10月09日
  • 日本人のための第一次世界大戦史 世界はなぜ戦争に突入したのか

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    「はじめに」に書いてあるけど、御多分に洩れずわたしも、第一次世界大戦に関する知識が浅い。と言うかほぼない。ドイツが負けてハイパーインフレになったんでしょ程度。なんとなくそれも、と言うことで購入。

    背景から戦後まで一通り分かる本になってて、素人が読むには十分。
    金融の方が書いた本らしく、経済に関する記載が詳しいのは良い視点だった。変遷を後追いするだけでなく、その時のデータを並べると、結果が理解しやすくなる。
    第一次世界大戦を通じて、技術がとてつもなく進歩したこと、経済の捉え方が大きく変化したこと、そして各国が社会の過渡についていけなくなっていった様子が、とっても分かりやすかった。

    地政学的な

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    2019年01月26日
  • 日本人のための第一次世界大戦史 世界はなぜ戦争に突入したのか

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    昨年(2017)末に読んだ本で、日本ではその後に多大な影響をもたらせた第二次世界大戦(太平洋戦争)が有名なので、その陰に隠れていますが、それまで世界を牽引してきた欧州にダメージをもたらせた「第一次世界大戦」を中心に解説された本です。

    本来はすぐにでも終了すると考えられた戦争が、なぜ長引いてしまったかは、この本によれば戦争が、それまでのものと性格を変えて「総力戦」になったからだとされています。

    戦争を遂行することで後に成長をもたらせる「技術革新」や「効率的な研究」が行われたメリットもあったのかもしれませんが、それにしても多大な人的な犠牲を伴った一大事件であることには変わりありません。

    その

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    2018年06月30日
  • 金融の世界史―バブルと戦争と株式市場―

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    13章以降、金融の基礎知識がないため挫折気味。しかし、前半の大航海時代などの話は胸踊る楽しさだった。金融の世界史

    世界史をお金の観点から考える本。自分自身来年から金融業界で働くことに決まったので、金融の起源に興味をもって読んだ。大航海時代が、いまでいうベンチャー投資のような時代であったという話が面白い。航海を志す人々が、資金力のある王家にプレゼンをして、資金援助をもらい、航海が成功した場合に香辛料などの売買で生まれた富を配当金として受け取るという仕組みであったという。コロンブスはインドへの計画を様々な王家にプレゼンテーションをして何とか資金援助を受けて航海に出ていった。そうした歴史的航海の数

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    2017年06月12日
  • 金融の世界史―バブルと戦争と株式市場―

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    この分野は特に巷に乱雑な本が溢れているので、日本人の書いたものを読もうという気はあまりしていなかった。しかし、これはなかなかよい本で、脱線しない程度によく調べてあるという印象を受けた。
    どの本からの引用かというのがわかりやすいので、概要を掴むのに良い。特に国内の事象については海外の本だとあまり言及がないので、そういう意味でも理解が深まってよかった。

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    2015年12月31日
  • 日露戦争、資金調達の戦い―高橋是清と欧米バンカーたち―

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     最近読んだ「東京帝大叡古教授」にも、日露戦争は出てくるけれど、国内のそのような反発の裏側には、このようなドラマがあったとは。
     また、最後に語られる満鉄の経営についても、歴史のifを強く思う。

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    2015年10月21日
  • 日露戦争、資金調達の戦い―高橋是清と欧米バンカーたち―

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     久しぶりに読み応えのある本に出会えた。「日露戦争」といえば、司馬遼太郎の「坂の上の雲」が国民文学として有名で、その批判的本も数多く出版されているが、日露戦争の歴史的経緯や当時の政治情勢の推移をも詳細に扱っている点ではなんといっても「司馬遼本」は抜きん出ている。
     本書は、その戦争の「資金調達」というもうひとつの戦いに焦点を絞っている点が実に面白く興味深い。
     また「高橋是清」については、何冊もの本がでているが、「日露戦争時の活躍」に焦点を絞って取り上げた本は他に見当たらないのではないか。
    「戦争」に必要な「補給」と「兵站」一つ取り上げても「資金」がなければ何一つできないことはわかるが「国家的

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    2015年01月24日
  • 日露戦争、資金調達の戦い―高橋是清と欧米バンカーたち―

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    この本は、日露戦争というテーマを軸に展開している点で、日本と列強各国の歴史が結びついて理解できる。

    また資金調達が話のメインであることから、1900年代における日本の金融市場がどのような雰囲気であったかも垣間見ることができる。

    当時の日本国債は、内国発行と同時に、海外発行(ポンド建て)も主力な資金調達手段だった。日露戦争時における海外発行を通じて、国際金融市場へのアクセスの礎を築く。
    また根回しの大切さを学ぶこともできる一品。

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    2014年01月03日
  • 日露戦争、資金調達の戦い―高橋是清と欧米バンカーたち―

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    ネタバレ

    ・学校の教科書で習った「日露戦争」。司馬遼太郎『坂の上の雲』で描かれる英雄的な明治期の日本人たちの雄姿は記憶に新しい。本書は華やかな戦物語の裏で戦費調達の使命を帯び欧米に向かった高橋是清と深井英五を中心に、当時の金本位制を元に為替レートを安定させた20世紀初頭の国際金融市場の動きを追う。二人は、当時二流以下の扱いだった日本国債発行をいかにして可能にしたのか?この物語は資金調達に奔走した人々の軌跡、金融版「坂の上の雲」だ。
    ・当時、日露のGDP/人は大体同じ水準だった(しかし人口や国土の広さ等国力のその他要素はロシアのほうが上)というのが意外だった。
    ・この本を読んでユダヤ資本(JPモルガン等)

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    2014年01月07日
  • 金融の世界史―バブルと戦争と株式市場―

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    金融の世界史的イベントと発展について、シンプルにエピソードを積み重ねる形で記述している。著者はヘッジファンドマネージャーのようだが、特にバイアスのかかった感じがないのがこの手の本では珍しい。
    イギリスの海賊の略奪が民間資本の蓄積に貢献した、ジョン・ローは私腹を肥やさなかった、アムステルダムの東インド会社証券を取引するための都市引き所はロンドンに先駆けること170年前だった、ロンバード街はイタリアのロンバルディア出身のものが多かったから、名誉革命から債券は国王ではなく議会により発行が決議された、
    など。

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    2013年11月05日
  • 金融の世界史―バブルと戦争と株式市場―

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    金融の観点から書かれた世界史の通史です。金融にかかわる部分については、当然、日本に関する記述もあります。古代において貨幣の考え方がすでに出来上がっていたのも興味深かったのですが、株式会社が歴史に登場してきた大航海時代辺りの解説が一番面白かったです。

    イギリスがまだ新興国だった時代、スペインから独立したばかりのオランダが実力をつけて、アムステルダムとロンドンの関係が、ニューヨークと上海・インド辺りの関係だったころのイメージが私の中ではダブりました。江戸幕府がオランダとのみ交易したのは、つい最近までアメリカとメインに貿易していたのと重なりますね。

    国債や紙幣がなぜ発行されてきたか、その背景には

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    2013年09月29日
  • 金融の世界史―バブルと戦争と株式市場―

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    最初のほうは
    お金や金融商品のなりたちが描かれ
    また読みやすくておもしろかったが
    徐々にわからなくなっていって
    自分に残念

    きちんと読めると面白いだろうと
    思える本

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    2013年09月28日
  • 金融の世界史―バブルと戦争と株式市場―

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    科学力や技術力は一見すると進化したように見えるが、貨幣という概念を生み出して数千年、モノの価値を測るモノサシを得た代償として、その次元に拘束されてしまい、退化の一途を辿っているようにも感じる。この次元から超越することを考えていかないといけないな。

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    2013年09月03日
  • 金融の世界史―バブルと戦争と株式市場―

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    初級者、中級者には大変分かりやすく、面白く読める本だと思います。いたずらに、大仰な言葉で読者を脅したりすることはなく、実はそれでいて、金融の大変な危険性、リスクを冷静に説明してくれる好著です。

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    2013年06月21日
  • 日露戦争、資金調達の戦い―高橋是清と欧米バンカーたち―

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    日露戦争と言えば坂の上の雲のイメージしか持ってない人は読んでおかないとダメといえるテーマ。
    戦争といえば兵隊の話ばかりが目立つがお金がないと話は始まらない。近代戦は以前より格段にお金が重要になるのだが、当時の日本は生産力も資源も不足していたので外貨がなければ戦争どころか国家の維持すら困難。そんな日本政府(高橋是清)が金融面でどのように立ち回っていたのかを当時の資料や状況を調べて書かれている本でした。
    特に当時の国際金融市場の変動から国際社会は日露戦争の行方をどのように見ていたのかを推察しているのは興味深かったです。

    明らかに国力を越えた借り入れをしているのだが、それを公表してしまうと必要な借

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    2013年06月19日
  • 金融の世界史―バブルと戦争と株式市場―

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    金融の世界ほど歴史を知ることが重要な分野は少ない。大まかに歴史は分かったものの、もう一歩踏み込んで知りたかった。

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    2013年06月12日
  • 日露戦争、資金調達の戦い―高橋是清と欧米バンカーたち―

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    日露戦争を資金調達という視点から見た本。
    国際利回りという視点からみた当時の日露に対する評価や、資金調達を行った高橋是清のリレーションの範囲・深さ等、興味深い内容だった。
    当時の国債発行市場や主要な投資銀行の情報なども楽しめた。
    現代の日本への教訓にも富んだ本であると思う。
    筆者があげている教訓としては以下の3つである。
    1.公債の発行は増税の先送りでしかない。
    2.市場へのアクセス、流通市場でなく発行市場へのアクセスは別個であるということ。
    3.インベスター・リレーションの重要性、投資先・調達先の分散によるリスク回避が重要であるということ。

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    2012年05月31日
  • 日露戦争、資金調達の戦い―高橋是清と欧米バンカーたち―

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    個人的に日露戦争にまつわる日本の動きに関する本を多く読んできた。その多くは歴史や世相に関するものだが、この本は「資金調達」に焦点を合わせた本であるが、逆に歴史の解釈に新たな切り口を垣間見せてくれたという点で優れた論考だと思う。私が「日露戦争」に惹かれるには、今の日本において決定的にかけている「資本政策、資金調達、外交戦略、パワーバランス、そしてそれらを背景とした軍事戦略・戦術」が、明治維新後わずか30年余りの間に高度に成立させた当時の日本の成長に、素朴に驚嘆しているからである。この歴史から学べることは、まだまだ、ある。

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    2012年05月04日
  • 金融の世界史―バブルと戦争と株式市場―

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    ネタバレ

    著者の板谷氏は、証券業がバックグラウンドの方。海外駐在や機関投資家営業等を経験し、キャリアの最中に著述も始めた模様。

    本作は、そのような板谷氏による、金融史を世界レベルで見たまさに金融世界史の本。

    ・・・
    まず読んで感じたのは、良くも悪くも広範な守備範囲、ということ。

    よく言えば包括的となるのでしょうが、悪く言えばまとまりがない、という事になりましょうか。また、証券業出身の方らしく、株式マーケットに関する記述が多かったという印象です。

    ・・・
    上記の印象は、私の過去の読書から来ております。

    先ず、米国金融史でいうと『アメリカ金融革命の群像』をかつて読みました。こちらは米国の近代金融史

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    2025年07月24日