【感想・ネタバレ】日本人のための第一次世界大戦史 世界はなぜ戦争に突入したのかのレビュー

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Posted by ブクログ 2022年06月08日

最も印象に残ったことは、
『これだけ緊密に経済と人材が関係しているから、どこかで誰かが手打ちするだろう。全面戦争になると思っていなかった』
という点。

まさに、現代と同じではないか。

経済が絡みついていても、思惑が食い違って戦争に発展する様は、充分に起こりうる。

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Posted by ブクログ 2021年10月06日

コテンラジオ本編で珍しく書籍名を挙げておすすめしていたので、手に取ってみました。確かに前半の第一次大戦勃発までの通信技術や戦艦の発展、鉄道網の整備による兵站の充実といったバックグラウンドは、高校歴史の授業ではあまり触れられない点。だけど、俯瞰的にこの大戦の成り立ちを理解する上では、非常に大切なトピッ...続きを読むクだと感じましたね。

そもそも、第一次より第二次が世界大戦といった感覚は、日本的なもので欧州ではむしろ逆といったコメントですが、主戦場が欧州でこの総力戦の被害規模を考えるとさもありあん。塹壕戦の悲惨さだとか、潜水艦無差別作戦での海上封鎖による民間人の食料難→飢餓など、第二次大戦のホロコーストとはまた違った残酷さがありありと浮かんでくる。

今の世は本当に平和なのか、米中関係やアフガニスタンの情勢、コロナ禍からの物資高騰、中国のバブル崩壊など一歩どこかが崩れれば化けの皮が剝がれてしまうのでは、といった焦燥感もある一方、このような歴史は繰り返すべきではなくどういったマインドが今後の現代人たる私に求めれれるのかを予測、定義していく糧できるよう思索にふけってみたりする。

非常に丁寧に各要素を解説してくれ、その時日本はどうだったかの説明も随所に盛り込んでくれており、その点は日本人にとっての第一次世界大戦を理解するのにエッセンスとして効いております、勝戦国は三国同盟?あれ?連合どっちだっけといった私レベルでも楽しく読めたので、一からの復讐したいといった方にもぜひおすすめです。

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Posted by ブクログ 2019年01月07日

第一次世界大戦の時代背景と現代は通ずるところがあるのではないかと興味を持っていて、この本では大戦に至る技術的、政治的な経緯が丁寧に解説されており、個人的にはとても良い一冊でした。

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Posted by ブクログ 2018年09月30日

あまり馴染みのなかった第一次世界大戦が、当時の歴史の流れでいかに必然であったのか、その時代の転換点の先に今がある、ということがとてもわかり易く書かれている。手元において何度も読み返したい本。

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Posted by ブクログ 2018年03月08日

第一次世界大戦の入門書として、大変良くまとめてあり、わかりやすい本です。教訓も沢山、小ネタもふんだんに盛り込まれています。

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Posted by ブクログ 2018年01月02日

第一次大戦に関して戦闘そのものよりも各国の様々な動き、経済や産業など中心によくわかりました。 ナポレオン戦争やその後の欧州内での戦争からすでに遠因はあり、第二次対戦の遠因はこの第一次大戦にあるということも。 中東の混乱もこの第一次対戦頃から現在に至るということも。 19世紀以降になると当事国だけでな...続きを読むく貿易相手国や隣国へ影響も大きいということ。 そして外交能力が高くなくては自国の経済や国民を豊かにすることもできません。

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Posted by ブクログ 2017年12月03日

第一次世界大戦通史を豊富なデータ、グラフ、図でわかり易く解説している良作。時代背景も詳しく説明されているので読み物として面白い。日本人にとっては第二次世界大戦に比べると印象の薄い第一次だが、ヨーロッパからする世界大戦とは第一次のことであり、第二次と連続した大戦だったということが理解できた。第一次の経...続きを読む過と戦後処理に多くの教訓が残されている。

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Posted by ブクログ 2022年11月04日

日清→日露→第一次世界大戦→第二次世界大戦と繋がっているのだが、第一次世界大戦はどうしても馴染みが薄く、私の中でポッカリと期間が空いていた。この本はヨーロッパ、アメリカ、日本、中国などそれぞれの視点で、総括的に解説してくれているのでとてもわかりやすく、第一次世界大戦のみならず日露・第二次世界大戦につ...続きを読むいても自ずと解像度が上がった。

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Posted by ブクログ 2021年03月07日

第一次世界大戦に至る国際関係とテクノロジーの関係性、対戦中の流れが1冊に整理されている。
第一次世界大戦の全体像に、初めて触れようと思って手に取って、ちょうど良かった。

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Posted by ブクログ 2020年07月04日

世界史的に見て第一次世界大戦はどう位置付けることができるのか、全13章73話から成る本書は、大戦前のグローバリゼーションの進展、国民国家意識の高まり、兵器産業をはじめとする新しい産業の勃興、第0次世界大戦としての「日露戦争」などの前半の叙述を経て、後半は第一次世界大戦勃発から終戦後までが詳細に記述さ...続きを読むれる。

第一次世界大戦はとにかく長い戦争であり、その間にいくつもの有名な戦闘などがあり、それらが全体の流れのなかでどのように位置付けられるかはなかなか難しいところがある(もちろん、第二次世界大戦も同様の面がある)。しかし、本書はそうした個々の戦闘などもやや詳細に叙述し、全体像がイメージしやすいように書かれている。また筆者の専門分野である金融史の角度から当時の国際的な金融市場の動向なども加えられ、立体的な大戦像を浮かび上がらせることに成功しているだろう。

第一次世界大戦が現代の諸課題に直結する面を多く含んでいることも重要だ。普通、第一次世界大戦と第二次世界大戦の間の時期を「戦間期」と呼ぶのだが、両大戦を一括りに考えれば、現代という時代は長い「戦後」であり、もしかすると次の大戦との「戦間期」なのかもしれない。


*基本「ですます」で書かれているが、時々「である」調がはさまるのは何かの効果を狙ったものだろうか? 違和感を感じた。また誤植も目立つ。『エコノミスト』連載原稿が元であれば、単行本にする際に校正はもっとしっかりとして欲しいと思う。

**映画の話の挿入がしばしばある。第一次世界大戦のイメージをつかむために有益だろう。

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Posted by ブクログ 2019年01月26日

「はじめに」に書いてあるけど、御多分に洩れずわたしも、第一次世界大戦に関する知識が浅い。と言うかほぼない。ドイツが負けてハイパーインフレになったんでしょ程度。なんとなくそれも、と言うことで購入。

背景から戦後まで一通り分かる本になってて、素人が読むには十分。
金融の方が書いた本らしく、経済に関する...続きを読む記載が詳しいのは良い視点だった。変遷を後追いするだけでなく、その時のデータを並べると、結果が理解しやすくなる。
第一次世界大戦を通じて、技術がとてつもなく進歩したこと、経済の捉え方が大きく変化したこと、そして各国が社会の過渡についていけなくなっていった様子が、とっても分かりやすかった。

地政学的な関係について、現代の世界を形成する基礎について理解できる本。

〜〜〜
出版物として、しょうもない日本語ミスの連発はやめてくれ。
内容が面白いだけに、完全な編集ミスは本当に心折れそうになった。

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Posted by ブクログ 2018年06月30日

昨年(2017)末に読んだ本で、日本ではその後に多大な影響をもたらせた第二次世界大戦(太平洋戦争)が有名なので、その陰に隠れていますが、それまで世界を牽引してきた欧州にダメージをもたらせた「第一次世界大戦」を中心に解説された本です。

本来はすぐにでも終了すると考えられた戦争が、なぜ長引いてしまった...続きを読むかは、この本によれば戦争が、それまでのものと性格を変えて「総力戦」になったからだとされています。

戦争を遂行することで後に成長をもたらせる「技術革新」や「効率的な研究」が行われたメリットもあったのかもしれませんが、それにしても多大な人的な犠牲を伴った一大事件であることには変わりありません。

そのようなことを二度と起こさないようにと設立された「国際連盟」でしたが、結局、第二次世界大戦を引き起こしてしまいました、その後にできた「国際連合」は、うまく機能しているのでしょうか。このようなことを考えさせれた本でした。

以下は気になったポイントです。

・現代の世界情勢は第一次世界大戦直前の状況と多くの類似点を持っている、産業革命・IT革命の大きなイノベーションに続く、グローバリゼーション、各国は貿易を通じてお互いの距離を縮めながらも、国内では格差問題を原因とする国民分断の危機。新興ドイツがイギリス覇権を脅かしたように、中国がアメリカの覇権に挑戦している(p4、23)

・ナポレオン戦争(1803-15)の帰趨に大きな影響を及ぼしたトラファルガ海戦は、帆船による最後の艦隊決戦であった(p27)

・1845年に、外輪船とスクリュー船のどちらがけん引力が強いか実験をした結果、勝ったスクリュー船が主流になった(p31)

・1853年にロシア艦隊は、炸裂弾を利用してオスマン艦隊をほぼ全滅させた、これ以降、木造の船体を鉄板で装甲した装甲艦という艦種が登場(p33)

・本八幡駅は、JR(日本鉄道由来の1067ミリ)、都営新宿線(京王電鉄と同一の馬車鉄道1372ミリ)、都営浅草線と接続するために京成線は標準軌(1435ミリ)なので、どの線路も接続できない(p37)

・1869年、22歳のエジソンは、株価情報機器ティッカーマシンを改良して特許を取得、これが4漫ドル(現在価値で数億円)で売れて、後の発明家となる元手となった(p43)

・一般統治権と軍の統治権は分離された、陸軍大臣が軍政(軍事行政)を担当し、軍令(作戦・用兵)は議会から独立した国王に直結する参謀本部が担うという二元的軍制であった(p47)

・普仏戦争でドイツが短期間で勝ったのは、ビスマルクによる卓越した外交、クルップ社の高性能大砲、国民皆兵制度と連携した鉄道による動員システムであった(p51)

・日本の徴兵令は1873年からだが、徴兵検査の結果(甲乙丙丁)の甲種から抽選で選ばれた(現役兵)、日清戦争で5%、満州事変直前で15%、陸軍では2年の兵役を経て上等兵以上になって予備役に回された。それ以外の補充兵は、いざ招集されれば年齢にかかわらず二等兵から始める。これが第二次世界大戦中は8-9割が動員となった(p58)

・新聞の記事中に挿絵に替わって写真が掲載されるのは日露戦争から、記事の口語体化は、1918年の大阪毎日から(p69)

・ニュートン(王立造幣局長)は、1717年に銀のアジアへの流出をとめるべく公定の金銀比率を 1:15.21(以前は1:6)に定めた。この比率は金が過大評価されていたので、人々は銀貨を退蔵して金貨を使用するようになった、こればイギリスを金本位制にしてしまった原因とされる(p73)

・かつて海軍力が戦争に際して効果的だったのは、馬車と人力の時代には、陸上輸送よりも速く、安く、大量輸送が可能であったから。イギリスは相対的に欧州で影響力が低下した(p97)

・日本海海戦は、蒸気レシプロエンジン同士の最後の戦いとなり、第一次世界大戦では、タービンエンジンが主流となった(p107)

・第二次世界大戦における連合艦隊戦艦12隻のうち、新しかったのは「大和」「武蔵」のみ、長門・陸奥は設計は一次世界大戦のとき(p117)

・1912年にイギリスは戦艦を石油専焼とした、油田が国内にないので中東に目を付けた(p135)

・イギリスでは18765年に出された赤旗法(馬車屋を守る法律)が障害となり、1896年に失効するまで自動車の開発は行われなかった、このため鉄道では世界をリードしながら、自動車ではドイツ、フランスに遅れた(p140)

・ドイツは日清戦争後に三国干渉で手に入れた清国の山東半島を基点に、赤道以北の南太平洋諸島を手に入れていた(p198)

・英仏連合軍はオスマントルコに対して、48万人を投入し25万人が死傷し、このうちの多くは戦闘ではなく塹壕生活で感染した腸チフス、赤痢であった(p215)

・1914年には、ドイツの潜水艦「U21」がイギリス軽巡洋艦を雷撃(魚雷攻撃)によって撃沈、これが世界初の潜水艦による近代的な軍艦の撃沈であった(p218)

・戦争の勝敗の決定要因は、産業革命以前は作戦の妙、兵士の勇敢さであtったが、一次大戦においては、銃後の工業生産能力がカギになった(p232)

・ナチスドイツは700トンのサリンガスを保有していたが、ヒトラーは最後まで使用を許可しなかった、ヒトラーは第一次大戦でガス攻撃により負傷したから(p301)

・一次大戦後のパリ講和会議までは、外交文書はフランス語で書かれるのが慣習であったが、この会議ではアメリカの影響力拡大を反映して英語も初めて公式言語に加えられた(p349)

・当時の国際社会では「一等国」とは名ばかりの概念ではなく、パリ講和会議では、英仏米日伊の5大国は1国あたり5票の投票権が与えられた(p359)

・ドイツは1933年に支払い停止宣言をした、1990年の再統一ドイツは、ドーズ債・ヤング債の元利払いを再開、2010年10月にすべての支払いを完了した(p381)

・第二次世界大戦において、日本は当時3位だった商船隊の88%を喪失、海員の死亡率は43%(6万人)これは海軍の16%、陸軍の23%をはるかに上回る数値(p384)

2018年6月30日作成

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