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日本人の視点から第一次世界大戦とその時代を俯瞰する類をみない一冊。
戦場が遠かったので、日本人にとっては縁遠い感もある第一次世界大戦だが、そこには、日英同盟を軸にしたたかな外交で強国の地位を確立していく日本の姿があった。
技術や産業が発達し人や金が国境を越えるグローバリゼーションが完成した時代、平和と繁栄を享受していた世界はなぜ戦争に突入したのか。戦争を生み出した「第一次グローバリゼーション」の世界を、金融、産業、技術、メディア等、国際金融のプロならではの視点から読み解いていく。
※こちらの作品は過去に他出版社より配信していた内容と同様となります。重複購入にはお気を付けください
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Posted by ブクログ
日本人からすると第二次世界大戦の方に情報と理解がおかれる。しかし、第一次世界大戦が第二次に続いていることは明らかであり、日本人が好きな坂の上の雲から司馬遼太郎さんが描けなかったその後の破滅に向けた歴史から学ぶにはとても重要な本。
もちろん日本はなぜ負けたか、失敗の本質などの本は多数あるけれども、それはなぜか?と問われたら、第一次世界大戦前後の日本の軍事、外交、内政や、民族自決による帝国主義崩壊の理解をし損ねた日本の舵取りの誤りに思う。また、戦争の変化を輸送技術、国債の発行など、経済金融の観点からも書いていることは本当に素晴らしい。イギリスが開戦早々にドイツとアメリカ間の海底ケーブルを切断することで、米国の戦況理解がイギリス寄りになることや、通信傍受のリスクにさらされたこと、イギリス海軍がドイツの貿易海路を立つことでジリ貧にしたこと(昭和の日本軍はここから何も学べなかったことが残念)などもとても示唆深い。
そして、それは今米中露関係の間におかれる小国としてどう生きるのかという日本の学びになる。しかし、どうすべきかについては非常に悩ましいが、感情的な軍国主義、国粋主義、移民排斥などはかつての過ちを繰り返すのみなので、よく学びたいし、多くの方に読んでほしい。
Posted by ブクログ
回避しようとして回避できなかった、政治エリートはだれも望まなかった戦争。戦争は本来金にはならないはずで資本家達は皆避けるものである。が馬鹿なメディアと民衆が見る幻想により均衡が削り取られ砂上の楼閣のように脆弱な秩序が生まれる。そして一気に崩れ落ちるようにしてふとしたきっかけで秩序が崩壊し戦争が起きる。
ちょっとした野心と希望的観測、不運にも局地では双方に戦勝があったために長引いたが、そういった情報が助燃剤となり感情とともに燃え上がり戦争遂行の動力となったんだと思われる。
大戦史とあるが、有名どころの戦闘のみに抑えて各国をとりまく背景を描くことに力を入れている。そういう意味で世界史そのものである。日本も参戦しているのでよく出てくるがこの振る舞いが各国にどう見えていたのたかというのが書かれるので、第二次大戦ばかりに着目してなぜ二度目が起きて敗者側になってしまったかを考えるにはこの本を読んで漠然とした戦争批判だけでなく連綿とした歴史のつながりを理解する必要がある。そう思わせてくれる本である。
面白かったのは戦争に投資家が反対していた、すぐ終わると思っていたとあったがちゃっかりそのうらで儲けているものもいたので、意図せずともそういう危機において歯を食いしばって動ける人間が金持ちになるんだなという示唆もえた(笑)
Posted by ブクログ
コテンラジオ本編で珍しく書籍名を挙げておすすめしていたので、手に取ってみました。確かに前半の第一次大戦勃発までの通信技術や戦艦の発展、鉄道網の整備による兵站の充実といったバックグラウンドは、高校歴史の授業ではあまり触れられない点。だけど、俯瞰的にこの大戦の成り立ちを理解する上では、非常に大切なトピックだと感じましたね。
そもそも、第一次より第二次が世界大戦といった感覚は、日本的なもので欧州ではむしろ逆といったコメントですが、主戦場が欧州でこの総力戦の被害規模を考えるとさもありあん。塹壕戦の悲惨さだとか、潜水艦無差別作戦での海上封鎖による民間人の食料難→飢餓など、第二次大戦のホロコーストとはまた違った残酷さがありありと浮かんでくる。
今の世は本当に平和なのか、米中関係やアフガニスタンの情勢、コロナ禍からの物資高騰、中国のバブル崩壊など一歩どこかが崩れれば化けの皮が剝がれてしまうのでは、といった焦燥感もある一方、このような歴史は繰り返すべきではなくどういったマインドが今後の現代人たる私に求めれれるのかを予測、定義していく糧できるよう思索にふけってみたりする。
非常に丁寧に各要素を解説してくれ、その時日本はどうだったかの説明も随所に盛り込んでくれており、その点は日本人にとっての第一次世界大戦を理解するのにエッセンスとして効いております、勝戦国は三国同盟?あれ?連合どっちだっけといった私レベルでも楽しく読めたので、一からの復讐したいといった方にもぜひおすすめです。
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