小野木明恵のレビュー一覧
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ネタバレ索引が大発明?と思いましたが、考えてみれば本が作られたときから索引があったわけではないのです。
小説には目次はありますが、索引はない、事が多い。
しかし辞書や図鑑、研究所や報告書などに索引は必須。
じゃないと、知りたいことがどこに書いてあるかわかりません。
でも、本が巻物だったころ、索引なんてありませんでした。
最初から最後まで読まないと、内容が分からない。
索引というのは、要するに位置情報なのです。
これこれについて知りたいと思ったら、索引でそれらについて書いてあるところを調べてみればいいのです。
本が、今の形になって初めて索引は作られます。
なぜならページをつけることができるようになったから。
しかし、それだけでは索引はできません。
見出し語のセンス。これ大事。
多すぎては意味がないし、少なすぎれば役に立たない。
だから、いい索引はプロの、腕利きの索引作成者が作っているのですって。
当たり前のことなのですが、今まで考えたこともないので目からうろこです。
人が、一冊の本に書かれている言葉を、データとして分類してページと紐づける。
これは相当の時間と労力を必要とします。
だから索引より先に、章タイトルができました。
ある程度、「こんなことが書いてあるよ」と分かるように。
そういえば17世紀くらいの長編小説って、章タイトルの後に、その章で書かれているエピソードを細かく記載しているものがあったなあ。
これも、索引代わりということか。
しかし、研究者や有識者などが、本文から簡単に知りたい部分をみつけられるのはいいけれど、これが行き過ぎると索引だけで情報を得て、肝心の本文を読まなくなるのではという危機は、索引という概念ができたときから懸念されていました。
効率的に内容を把握するのは大事だけれど、中身を深く読みこんでいくのはもっと大事、と。
これが現在だと、タイパだといって本を読まずにダイジェストで済ます、スマホの検索で知りたい出来事だけを調べる、ということになっています。
それは本当の知識ではない、と私も思いますが、知ることが容易になったことのメリットを考えると、索引という大発明に感謝ですね。 -
Posted by ブクログ
学術書やノンフィクションなどの書籍の巻末に当たり前のように付されている「索引」の歴史をそれこそ物事をアルファベット順に並べることから現代のコンピューターによる自動生成や電子書籍における索引の問題までその変遷と影響について延べた本。
普段、あまり索引を活用することがなく索引についてちゃんと考えたこともあまりなかったので、主題索引と用語索引の違いや索引が指す書籍内のロケーションの問題(ページ番号の発明は偉大であったが、写本では引き写すさいに判型の違いなどからページ数が原著と異なることが多く、その価値を発揮するには印刷技術の発展を待つ必要があった)などいろいろ新たな知見と考えさせられる事柄が多かった。
面白かったのが、18世紀初頭の英国のトーリー党とホイッグ党が激しく対立し、対立する党派の人物が書いた書籍に対して悪意を持った索引を作成して誹謗中傷を行ったという話で、索引がもつ批評性とデリダの脱構築をちょっと思わせるようなそのメタな手法がなんとも興味深い。
あと、これも知らなくて吃驚したけど、英国には索引は索引家と呼ばれるプロが作るもので索引家の組合である索引家協会まであるんだそうだ。てっきり作者や編集者が作るものだと思ってた。 -
Posted by ブクログ
【ドット・ブレーデンはこれから船を沈めるのだ】(文中より引用)
第二次世界大戦中に枢軸国側の暗号を解き明かすべく、密かに集められた女性たちの物語。これまで軍務に携わったことがなかった女性たちは、どのようにして世界最強と謳われる暗号の数々を打ち破るようになったのか・・・。著者は、「ワシントン・ポスト」で長年にわたって記者を務めたライザ・マンディ。訳者は、大阪外国語大学を卒業している小野木明恵。原題は、『Code Girls: The Untold Story of the American Women Code Breakers of World War II』。
アメリカでベストセラーになった本作ですが、女性問題とインテリジェンスの交差する部分を扱った稀有な歴史本という印象を受けました。山本五十六の死やノルマンディー上陸に絡む女性たちの役割を知るにつれ、「こんなことがあったのか・・・」と息を呑むこともしばしば。これは高評価続出も頷けます。
味わい深い表紙も魅力的☆5つ -
Posted by ブクログ
ネタバレ食べものの語源を調べるだけなら、まあ、割りとよくあることなのではないかと思うけど、この本はスケールが違う。
語源から、異文化交流を重ねてきた人類の、文明の、食への情熱の歴史が、これでもかと綴られる。
メニューを見るだけで、高級レストランかカジュアルレストランかがわかる。
高級レストランはメニュー数が少なく、具体的、かつ、日常であまり使わないような大仰な言いまわしで料理名をつけるので、基本的に長ったらしい。
たいしてカジュアルレストランは、全体的にメニュー数が多く、耳に触りの良い、かつ、抽象的な形容詞で料理を表現する。
そして焼き加減、ソースやドレッシング、サイドメニューなどを客が選べるなど、全体的に客好みの味にレストランの方が寄せてくる。
なるほどね。唯一無二の味にはこだわらないというわけか。
ところでタイトルにもある「天ぷら」について。
ポルトガル経由で日本に伝わった料理が元になっているというのは有名な話だが、その大本を辿ると6世紀のササン朝ペルシアに行き着くのだそうだ。
「シクバージ」という、多量の具とスパイスを使った、牛肉を酢で煮込んだものがそれ。
いやいや、全然天ぷらじゃないし。
と思いながら読み進むと、地中海を行きかう船乗りたちが肉を魚に変え、地中海沿岸にそれを広める。
中世の、戒律の厳しいカトリックの信者に、年に100日以上もある断食日にも食べられる魚料理として重宝され、さらに広まりポルトガルへ。
海洋国ポルトガルを経て日本に来たものが「天ぷら」、イギリスへ行ったものが「フィッシュ・アンド・チップス」、南米に渡ったものは「セビーチェ」となる。
ちょっと待って!
揚げた魚の酢漬けって、それ、南蛮漬けじゃない?
ここからは私の、何の根拠もない想像だけれど、初めてそれを見た日本人は上げた魚に対して「それは何というものだ?」と聞いたのではないだろうか。
身近に数多ある魚の、初めて見る調理法。
ポルトガル人は「これか?これはtempero(調味料)だよ」とつけ汁のことを答えたのに、日本人は揚げた魚=temperoと思ったのでは?
で、日本人好みにアレンジした揚げ物=天ぷらになったのではないか。
本家本元の料理の方は、南蛮人が食べている魚の酢漬けだから「南蛮漬け」と。
なんてね。
ケチャップの大本は中国の魚醤であった、とか、マカロンとマカロニの意外な関係など、今まで謎とも思わなかった謎が次々に明かされる。
今私たちが毎日当たり前に食べている料理のこの味は、1000年も前、何百年にもわたって世界経済の中心が中国であったこと、中世イスラム文化の華麗で広範だったこと、そして大航海時代の新世界と旧世界の交流から生まれたものなんだ。
いやはや感服仕りました。
原題「THE LANGUAGE OF FOOD」からの邦題のキャッチーなこと。
このタイトルでなければ、この本を買うことはなかったと思うな。 -
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今年読んだノンフィクションの中で一番良いと思った。
著者はスタンフォード大の言語学とコンピュータサイエンスの教授。
料理、食材、食品の語源にまつわる考察だけでなく、レストランのメニュー6500件内にある65万種類の料理全てをの価格を調べ、統計的手法で分析した結果、料理の説明に長い単語を使うほど、その料理の値段が高くなることを発見したり、また、語源で言えば、天ぷらがポルトガル語から来たのは割と知られた話であったが、そのルーツが古代ペルシャの王が愛したシクバージという甘酸っぱい牛肉の煮込み料理であり、それがエジプトを経由してヨーロッパに伝わるうちに肉料理から魚料理に変化して、天ぷらやイギリスのフィッシュ&チップスとなったという話は鳥肌が立つくらいゾクゾクとした知的興奮を与えてくれた。この他にも死ぬほど面白い説がてんこ盛りの本。食べることに関心のある人すべてに必読の書である。 -
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ネタバレ世界大戦を変えた女性たちの物語。
第二次世界大戦のアメリカでは、実はたくさんの女性たちが暗号解読に従事していた。インテリジェンスの分野で活躍した女性たちの秘められた歴史を明かすドラマティックな一冊。
自分の祖母も戦争中のことを語らなかった。亡くなった後で大陸で教師をしていたらしいことがわかった。話を聞ければよかったと思うが、祖母にとっては話したくないことだったのかもしれないし、語るべきことではなかったのかもしれない。この本を読んでそんなことを思い出した。
女性たちには暗号を扱う力があった。戦争で男性たちが足りなくなったから女性たちを採用した面が大きいだろうが、結果的にそれが功を奏した。しかし女性たちが正当に扱われたかといえばそうではないこともあったようだ。戦後に自分のしたことを語れなかった者がいた。お払い箱のように職場を去らなくてはならなかった人もいた。結局アメリカも「男は外で働く、女は家を守る」という発想が強い。また武器を持って前線でひどい経験をした兵士たちと同様に精神を病んだ人もいたようだ。直接的でなくても人の命を奪う仕事だったのだから。『戦争は女の顔をしていない』でも思ったが、戦時中にそれぞれの場所で戦った(特に軍属の)女性たちへのフォローが不十分なのか、この国も。
そのような女性たちの誇り高き仕事に光を当てる作品である。苦悩も活躍も描かれている。分厚くて登場人物が多くて読みにくい部分もあるが、惹きつける本だった。戦時中の任務だから話せない部分もあったのだろうが、やはり女性たちのしたことだからという点で知られていなかった部分もあるのだろう。この本の反響が大きかったことが最後に書かれている。人を揺さぶる作品である。 -
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「コード・ガールズ」
それは第二次大戦下の米国において、ドイツや日本の暗号解読に従事した女性たちのこと。
ナチス・ドイツの暗号「エニグマ」を解読する為にイギリスのブレッチリー・パークでアラン・チューリングなどの科学者が奮闘した話は映画「イミテーション・ゲーム」などでも取り上げられた。
開戦当初、暗号解読はイギリスが進んでいたものの、アメリカは日本の外交用の暗号「パープル」の解読に始まり、イギリスから「エニグマ」の暗号の解読も引き継いで、イギリスよりももっと大規模に暗号解読に取り組んでいた。
そして、その暗号解読に携わったのは、ほぼ女性たちだった。
アメリカでは男性が兵士として出征し、国内の産業の人手不足を埋める形で女性の社会進出が始まった。
暗号解読も同じ背景を持っていたが、更にそこに女性の方が座って何時間も同じ作業に取り組んだり、文字の羅列に隠されたパターンを見つけ出したりする事に向いているという偏見や性差別的な風潮も重なって、海軍や陸軍が国内の女子大学に働きかけて、多数の女性を採用したのだ。
そして彼女たちは、ある女性は民間からの協力者として、又は入隊して女性下士官として、暗号解読に取り組んだ。
彼女たちは機密保持のために、同僚はもちろん、家族や友人にも暗号解読に従事していると話すことは禁じられていた。がしかし、解読不能を誇り、それ故に沢山の機密を含んだメッセージを送っていたパープルやエニグマと日々闘い、破ってきたのはこの無名のコード・ガールズだったのだ。
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Posted by ブクログ
ベストセラーになるべき。オススメ。内容が濃い。
邦題で改題する本って基本的に好きではないのだが、これは例外。
今まで食べてきた色んなものの知識が色々と繋がっていくのが面白い。
世界史が苦手だが各国料理と言語学に興味のある人にオススメ。色んな国の色んなもの食べてきた人の方が刺さると思う。
色んな国の言語が出てくる上に、原著が異国語なので、ある程度大人(または外国語がある程度できるか、翻訳作品が読めるタイプ)が読んだ方が楽しめる。まぁ日本語はけっこう異国の料理名など英語そのまんま輸入したりしているので、説明早いところもある(この本、全部自国語ちゃんと当ててる言語に翻訳するの、すごい難しそう…)。
難点は、話が前後したり、数文かけて一つのことを説明したり、ふたつのことを交互に説明したり、話のつながりに無理があるところいくつかあったり、事実と推測がごちゃ混ぜだったりするところ。