小野木明恵のレビュー一覧
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ベストセラーになるべき。オススメ。内容が濃い。
邦題で改題する本って基本的に好きではないのだが、これは例外。
今まで食べてきた色んなものの知識が色々と繋がっていくのが面白い。
世界史が苦手だが各国料理と言語学に興味のある人にオススメ。色んな国の色んなもの食べてきた人の方が刺さると思う。
色んな国の言語が出てくる上に、原著が異国語なので、ある程度大人(または外国語がある程度できるか、翻訳作品が読めるタイプ)が読んだ方が楽しめる。まぁ日本語はけっこう異国の料理名など英語そのまんま輸入したりしているので、説明早いところもある(この本、全部自国語ちゃんと当ててる言語に翻訳するの、すごい難しそう…)。
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第二次世界大戦前後で暗号化された通信を解読した現場の女性のドキュメント。米国が戦時中の暗号解読作業についての機密を解除し、戦況を左右した情報戦の詳細が詳らかになった。本書で分かったことは、暗号解読そのものよりも、なぜ女性が暗号解読の仕事に就いたかだろう。当時の米国でも女性が受けてきたジェンダーや教育、終業などの差別があったことを知ることになった。人種問題も関連する。そんな差別が当たり前の時代に加えて、自分の仕事について家族や友人にはまったく話せないストレスは想像に難くない。
暗号解読については、第二次世界大戦後も重要な技術となっている。先進国のほとんどは諜報機関を持っており、これが自国の安全 -
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ユヴァルノアハラリのサピエンス全史と重ね合わせるように読み進めていった。
ハラリは、人間の特殊性を「虚構を信じる力」にあるとし、これによって種として圧倒的繁栄を実現したことを論じつつ、個体としての幸せは種としての繁栄とは連動しないと説く。そして、虚構は繁栄と幸福のための極めて有意義な手段であって、虚構のために不幸になることのないように、俯瞰的な観点から助言してくれる。
一方、本書は、著者のマークWモフェットの専門であるアリとの共通点と相違点を説明しながら、人間とアリだけが匿名性社会を形成できるが、化学物質によりこれを実現するアリに対して、人間は恣意的なしるしによってこれを実現すること、そして -
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様々な「食」を言語学の観点から紐解いた本。
作り方さえ知っていればどこまでも広がっていく。そして独自のアレンジが加えられてその土地の食べ物になって、さらに伝播が続いていく。つくづくレシピってのは凄いなぁと感心させられます。そんな歴史を色々なエピソードから描いた本です。
他にも、高いレストランと安いレストランのメニューの違い、高いポテトチップスと安いポテトチップスのキャッチコピーの違いなど、なるほどなぁと思う言葉の観点からの分析が。
個人的には大好きな高野秀行氏が巻末にエッセイを書いていたのもビックリ。キャッチーに売っていこうという方向性なのかはわかりませんが、その方向性が成功しているのかどう -
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先の大戦において、枢軸の暗号を丸裸にした沢山の米国人女性たち。
男たちは戦場に出ていくため、後方に女性たちを起用した。もちろん優秀な女性たちは沢山いるのだが、それまでの米国は、女性が家庭を維持する以外の「社会」で尊重されることはなかったので、これは画期的であり、いろんな偏見もありながらも、女性の地位向上にもつながった。
一方で、戦争が終わると復員した男性が優遇されるようになり、優秀であった彼女たちの能力も生かされず、また、戦時の心理的障害から逃れられない女性もいた。
フェミニズムが中心かな。
実際に、暗号を解読することの困難さ、戦局に与える重要性なども描かれているが、あくまでそこに女性がど -
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第二次世界大戦中に暗号解読に従事していたアメリカの女性たちをとりあげたノンフィクション作品。暗号解読という視点から当時の状況、戦況等を知ることができて興味深かった。特に暗号解読に従事する女性たちの活躍により山本五十六の位置を特定し、攻撃を決行するくだりはスリリングだった。
後年になって、戦争中、暗号解読に従事していたことを家族に打ち明けるエピソードがいくつか出てくる。人知れず国にしっかりと貢献していたことをようやく打ち明けられ、そのことを誇りに思う家族が印象的だった。
他方で、戦後、速やかに家庭に戻ることを求められた女性たち。本書では、戦後、女性たちが社会で引き続き活躍するもののいれば、居 -
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ネタバレ戦時中のアメリカ、他国の通信を読み取るために軍隊で暗号解読の任務についた女性たちの話。
日本の使っていた暗号は連合国側にばれていて、通信が筒抜けだったという話は聞いたことがあったけど、あらかじめ符号を手に入れていてスマートにささっと暗号を解読するようなイメージだった。それがこんなに大勢の人員で、血のにじむような努力を何年も必死で続けて成し遂げていたのだとは知らなかった…。しかもそれは戦地に赴く男性の代わりに集められた優秀な女性たちで、戦争が終わって長くたった後でさえ任務について称えられるどころか話すことすらできなかったとはびっくり。
当時の女性の一般的な生活ではありえないような重要な任務に携わ -
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タイトルに引かれて衝動買い。歴史の本かと思いきや、アメリカの言語学者が書いた食物(というか料理or献立or食事)とその名前の語源の話。(もともとのタイトルは『The Language of Food』)クイモノいうやつは、それぞれの民族の歴史の中で積層的に形成される極めて民族色の濃いものと思われがち(例えば、日本食、刺身や納豆に対する日本人の思い込み)だけれど、実は他文化・他民族との交流の影響が強いと著者は言いたがってる(と思う)。また、著者は西洋料理におけるアラビア圏・中国の影響の強さを示唆する。日本の天ぷらはもともとポルトガル語由来らしいけど、実は六世紀ササン朝ペルシアで皇帝に好まれた「シ