小野木明恵のレビュー一覧

  • 索引 ~の歴史~書物史を変えた大発明~

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    ネタバレ

    索引が大発明?と思いましたが、考えてみれば本が作られたときから索引があったわけではないのです。
    小説には目次はありますが、索引はない、事が多い。

    しかし辞書や図鑑、研究所や報告書などに索引は必須。
    じゃないと、知りたいことがどこに書いてあるかわかりません。
    でも、本が巻物だったころ、索引なんてありませんでした。
    最初から最後まで読まないと、内容が分からない。

    索引というのは、要するに位置情報なのです。
    これこれについて知りたいと思ったら、索引でそれらについて書いてあるところを調べてみればいいのです。

    本が、今の形になって初めて索引は作られます。
    なぜならページをつけることができるようにな

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    2025年01月21日
  • 索引 ~の歴史~書物史を変えた大発明~

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    学術書やノンフィクションなどの書籍の巻末に当たり前のように付されている「索引」の歴史をそれこそ物事をアルファベット順に並べることから現代のコンピューターによる自動生成や電子書籍における索引の問題までその変遷と影響について延べた本。

    普段、あまり索引を活用することがなく索引についてちゃんと考えたこともあまりなかったので、主題索引と用語索引の違いや索引が指す書籍内のロケーションの問題(ページ番号の発明は偉大であったが、写本では引き写すさいに判型の違いなどからページ数が原著と異なることが多く、その価値を発揮するには印刷技術の発展を待つ必要があった)などいろいろ新たな知見と考えさせられる事柄が多かっ

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    2024年07月18日
  • コード・ガールズ――日独の暗号を解き明かした女性たち

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    【ドット・ブレーデンはこれから船を沈めるのだ】(文中より引用)

    第二次世界大戦中に枢軸国側の暗号を解き明かすべく、密かに集められた女性たちの物語。これまで軍務に携わったことがなかった女性たちは、どのようにして世界最強と謳われる暗号の数々を打ち破るようになったのか・・・。著者は、「ワシントン・ポスト」で長年にわたって記者を務めたライザ・マンディ。訳者は、大阪外国語大学を卒業している小野木明恵。原題は、『Code Girls: The Untold Story of the American Women Code Breakers of World War II』。

    アメリカでベストセラーにな

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    2021年12月23日
  • コード・ガールズ――日独の暗号を解き明かした女性たち

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    かなり長い本であり、話の山谷もあまりなく、そういった意味では少し読みにくい本だった。
    が、第二次世界大戦について、新たな視点から考え直す機会を得た。
    とは言うものの、日本人として、女性として、複雑な読後感ではあるなぁ…

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    2021年10月31日
  • コード・ガールズ――日独の暗号を解き明かした女性たち

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    知られざる女性暗号解読者たちを描いたノンフィクション。男女差別がある中で、能力によって道を切り拓いた女性たちの物語として、面白く読めた。日本の艦船がコード・ガールズの活躍によって間接的に沈められたのは事実だが、あくまで戦争中の出来事であり、恨むような気持ちは湧いてこなかった。
    暗号そのものについて考察した書籍ではないが、謎解きの雰囲気も味わえる。

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    2021年10月16日
  • 人はなぜ憎しみあうのか  「群れ」の生物学 下

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    国家という形の社会は永続的なものだ、と錯覚してしまうのは、私が日本という国にアイデンティティがあるからなのかもしれない。本書を読んでいてそのように思い至った。
    世界に目を向ければ、「国」というものは決して安定していないということがわかる。国を連帯させたもの、たとえばEUなどはなおさらだ。
    長い目で見れば必ず終わりがある「社会」。ではなぜ社会などというものがあるのか思いを馳せてしまう。
    単純に読み物として面白いし、社会というものへの認識に一石を投じてくれる、実に学びの深い一冊。

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    2021年06月12日
  • 人はなぜ憎しみあうのか  「群れ」の生物学 上

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    人間だからこその産物、と思いこんでいた「社会」というものは、実は他にも形成している生物がいるというだけでもまず驚きだった。そして、社会という観点では人間よりも進んでいる種がある、ということも。
    上巻の終盤はいささか気が滅入る内容だが、それにしてもエキサイティングな本だ。
    人間の外側から人間を知る、というアプローチは、案外よいのかもしれない。

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    2021年05月27日
  • ペルシア王は「天ぷら」がお好き?

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    食べものの語源を調べるだけなら、まあ、割りとよくあることなのではないかと思うけど、この本はスケールが違う。
    語源から、異文化交流を重ねてきた人類の、文明の、食への情熱の歴史が、これでもかと綴られる。

    メニューを見るだけで、高級レストランかカジュアルレストランかがわかる。
    高級レストランはメニュー数が少なく、具体的、かつ、日常であまり使わないような大仰な言いまわしで料理名をつけるので、基本的に長ったらしい。

    たいしてカジュアルレストランは、全体的にメニュー数が多く、耳に触りの良い、かつ、抽象的な形容詞で料理を表現する。
    そして焼き加減、ソースやドレッシング、サイドメニューなどを客が選べるなど

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    2019年09月01日
  • ペルシア王は「天ぷら」がお好き?

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    膨大な古今の言語の海から、食事に関する言葉を辿る旅。先進国だったペルシア・中国から、ヨーロッパを経由して世界中に食べ物が広がっていく様子がわかった。また言葉と価格の相関関係も興味深い。ただ、書名はこれで良いのだろうか?あまりにも内容の一面だけを切り取り過ぎなのではないかと思うが。

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    2018年08月25日
  • ペルシア王は「天ぷら」がお好き?

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    計量言語学を料理の研究に適用した章と、歴史的な料理に関する言語の変遷を追う章があって、自分の関心は前者によっているのでそっちの方が面白い。
    メニュー中の言語と価格の分析とか、レビュー中に出現する単語の傾向分析とか。こういうの楽しそう。

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    2017年01月10日
  • ペルシア王は「天ぷら」がお好き?

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    今年読んだノンフィクションの中で一番良いと思った。
    著者はスタンフォード大の言語学とコンピュータサイエンスの教授。
    料理、食材、食品の語源にまつわる考察だけでなく、レストランのメニュー6500件内にある65万種類の料理全てをの価格を調べ、統計的手法で分析した結果、料理の説明に長い単語を使うほど、その料理の値段が高くなることを発見したり、また、語源で言えば、天ぷらがポルトガル語から来たのは割と知られた話であったが、そのルーツが古代ペルシャの王が愛したシクバージという甘酸っぱい牛肉の煮込み料理であり、それがエジプトを経由してヨーロッパに伝わるうちに肉料理から魚料理に変化して、天ぷらやイギリスのフィ

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    2015年11月13日
  • 人はなぜ憎しみあうのか  「群れ」の生物学 上

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    アリも人間も目印で仲間とそうでない者とを見分け、それによって組織を形成している。アリはにおいで、人間は目印で。人間の群れは匿名であることを許し、だからこそ巨大な組織化が可能であったとする。

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    2025年07月22日
  • コード・ガールズ――日独の暗号を解き明かした女性たち

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    世界大戦を変えた女性たちの物語。

    第二次世界大戦のアメリカでは、実はたくさんの女性たちが暗号解読に従事していた。インテリジェンスの分野で活躍した女性たちの秘められた歴史を明かすドラマティックな一冊。

    自分の祖母も戦争中のことを語らなかった。亡くなった後で大陸で教師をしていたらしいことがわかった。話を聞ければよかったと思うが、祖母にとっては話したくないことだったのかもしれないし、語るべきことではなかったのかもしれない。この本を読んでそんなことを思い出した。

    女性たちには暗号を扱う力があった。戦争で男性たちが足りなくなったから女性たちを採用した面が大きいだろうが、結果的にそれが功を奏した。し

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    2025年07月19日
  • 人はなぜ憎しみあうのか  「群れ」の生物学 上

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    下巻と纏めて。

    ダンバー数、社会の意味、匿名社会、しるし。最適弁別性やしるしに関する言及、EUに関する視点は、非常に納得。

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    2025年02月21日
  • 人はなぜ憎しみあうのか  「群れ」の生物学 下

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    戦争が、国家を再定義し、修正してきた。本書をこんな論旨で読んだ。

    極力多めの仲間を持つことが、「資源の獲得や自己防衛」に対し有効である。そのようにして、集団化が進んでいく。文明が進みにつれ、この集団化が国家という形をとって膠着しつつあるが、その揺らぎこそが「戦争状態」である。国単位でみればこうした現象論は非常に納得感があるが、そもそもこれは個人単位、部族単位で発生していた内容。その原点や名残、というのがある。それが「言葉」であり「儀式」であるのだろう。

    ― アイデンティティの融合としての儀式。儀式に参加する者たちは、自分自身と集団とそのメンバーたちを全く同一のものとみなす。模倣することが難

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    2024年11月06日
  • 人はなぜ憎しみあうのか  「群れ」の生物学 上

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    憎しみについて。妬み、僻み、嫉みみたいな個人目線の話ではなくて、集団対集団に関して。上巻では、嫌悪感の原型を探るにあたり、「集団はどのように形成されるのか」違う言い方をすると「仲間意識はどのように形成されるのか」を考えていく。敵を認識するには、まずは味方をどうやって認識したのか、という話。

    読みやすいし、面白い。そういう考え方もあるよなーという気付きも。例えば、集団内の序列化について。〝個々の体や知能の資質から序列が一旦定まると対立が少なくなる。それにより全員が恩恵を受ける。地位が決まらなければ、いつまでも争いを続けることになる。それはコスパが悪い“まあ、ただその序列が気に食わなかったら延々

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    2024年11月03日
  • コード・ガールズ――日独の暗号を解き明かした女性たち

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     ようやく読み終わった『コード・ガールズ』。日独の暗号を解き明かした女性たちのノンフィクションである。太平洋戦争ではアメリカは1万人以上の女性が暗号解読作業に従事し、日本の難暗号を見事に解読していたことが詳細に記されている。山本五十六長官の行動スケジュール情報を解読し、容易に撃墜できたことや、ヒトラーと親密な関係であった大島浩駐ドイツ大使が知り得たドイツ軍の配置状況などの東京への報告が解読されたことなど、彼女たちの地道な活躍が連合国の勝利につながったことがよくわかる一冊である。

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    2024年03月28日
  • ペルシア王は「天ぷら」がお好き?

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    食事、食べ物、単語と文法、お互いに絡み合う。
    言語学の歴史から分かる食べ物からの教えがたくさんあります。

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    2023年03月03日
  • コード・ガールズ――日独の暗号を解き明かした女性たち

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    流石米国。民間人だった暗号解読従事者を士官に迄昇進させる。合理的で自由な発想が可能にするのだろう。当時の日本の現状を考えると進み過ぎ。羨ましい。

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    2022年05月29日
  • コード・ガールズ――日独の暗号を解き明かした女性たち

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    「コード・ガールズ」
    それは第二次大戦下の米国において、ドイツや日本の暗号解読に従事した女性たちのこと。
    ナチス・ドイツの暗号「エニグマ」を解読する為にイギリスのブレッチリー・パークでアラン・チューリングなどの科学者が奮闘した話は映画「イミテーション・ゲーム」などでも取り上げられた。
    開戦当初、暗号解読はイギリスが進んでいたものの、アメリカは日本の外交用の暗号「パープル」の解読に始まり、イギリスから「エニグマ」の暗号の解読も引き継いで、イギリスよりももっと大規模に暗号解読に取り組んでいた。
    そして、その暗号解読に携わったのは、ほぼ女性たちだった。
    アメリカでは男性が兵士として出征し、国内の産業

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    2022年03月20日