春口裕子のレビュー一覧
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◆蝉しぐれの夜に・・・不妊に悩む小夜子は、子供に関する無神経な誘いに苛立ちを感じながらも断れずにいた。
◆ホームシックシアター・・・隣室に引っ越してきた女性は知っているのだろうか。その部屋が事故物件であることを。
◆オーバーフロー・・・恋人の宏志の真意が読めず悩むこともあるが、彼の姉の朝子は誰よりも味方をしてくれる。
◆ひとりよがり・・・臓器提供意思表示カードを持っていた私に声をかけてきた男は、妹がレシピエントだという。
◆小指の代償・・・人が変わってしまった佳代の小指を見つけるため、私と猛は雪山を探し続ける。
◆おさななじみ・・・母を疎ましく思う私。いつからこうなったのだろう。
以上6編の -
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女の複雑な心情を描いた短編集。子供の出産と女の友情を描いた[蝉しぐれの夜に]。大音量のホームシアターで近所迷惑をかけているのに無頓着な女が殺人事件の被害者の妹に復讐される[ホームシックシアター]。いつも我慢していた女が結婚詐欺の被害にあい限界に達する[オーバーフロー]。裕福な家庭のワガママ娘が臓器移植のカードを通して知り合った男とのドライブで災難にあう[ひとりよがり]。婚約者と友人との旅行でスノボで失った友人の小指とその指輪を探し回る女の心理を描いた[小指の代償]。近所の幼なじみの女友達と疎遠になっていたがおばあちゃんの好きな銀杏拾いを通して心を通わせる[おさななじみ]。
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2017年、15冊目は、『イジ女』以来の春口裕子の短編集、6編収録。
今回は、それぞれ、簡単に触れておきましょう。
蝉しぐれの夜に:イヤミス調の一編。この作りは巧い。読後、速効で冒頭に戻りました。
ホームシックシアター:コレもイヤミス調でなかなか巧い。やはり、鍵は「このマンションで、5.1chサラウンドのホームシアターセット❔」だった。
オーバーフロー:マイルドなサスペンス(❔)。コレはタイトルが秀逸。クライマックス前が少し出来すぎかな。
ひとりよがり:不条理系ライト(❔)。コレもタイトルが、ほぼ全て物語ってる。
小指の代償:不条理系ライト(❔)、再び。ただし、コチラはラストが少 -
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2016年、34冊目は書店のPOPで気になってた、初読みの作家、春口裕子のコチラ。全8編からなる短編集。それぞれ、簡単に触れておきましょう。
目立とう精神:新築高層マンションのセレブ・ライフの表と裏、理想と現実。
あんぽんたん:同僚の結婚式という場面を軸に切り取った、女性間の社内関係。少々サスペンス仕立て。
ミーちゃんハーちゃん:三十路目前、高校の同窓生二人の現在は……。
オフレコ:女性間の社内関係モノ、その②。
やる気ナッシング:年下同僚との社内恋愛の行く末は……。
ご機嫌なナンバー:合コンを繰り返す主人公。本命とのクリスマスイブ……。
イジ女:社内イジメがもたらしたこと。ホラ -
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イジメっ子ばかりが出てくるかと思いきや、「イジめ」に限らず「イジけた」「イジ悪な」「イジっぱりな」女たちが登場する短編集でした。全部ひっくるめて『イジ女』。なるほど。
『目立とう精神』
高層マンションのセレブママたち。女性誌の「イジ女特集」が気に入らないのは後ろ暗いところがあるからでしょうよ。
『あんぽんたん』
花嫁ハイな新婦と彼女に振り回される招待客の女性(一応友人)たち。起こるべくして起こった事件。
『ミーちゃんハーちゃん』
業界人と付き合っている主人公がミーハーな元同級生の女性と再会。どっちもミーハーだよ!と苦笑い。
『オフレコ』
ここだけの話をあっちこっちでする女。
『やる -
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すべて女性が主人公で、女の嫉妬や欲望、自意識やプライドといったものがないまぜになって出来上がったストーリーの短篇集である。
サスペンスというジャンルは小説ではあまりもてはやされない気もするが、ああたしかにこれはサスペンスかも、と読み終わって感じた。
イヤミスというほどに人間に踏み込んでいないところとか。
『蟬しぐれの夜に』
は不妊をめぐる三人の女の話。
どんでん返し系である意味後味は一番悪い。
『ホームシックシアター』
打算的に結婚し、愛人を持って自由気ままな別居婚を送っている女が主人公。
世にも奇妙な物語でありそうな展開だった。
『オーバーフロー』
端的に言えば、人畜無害で気配りの人で