春口裕子のレビュー一覧

  • 行方
    公園から3歳の娘の姿が消え、それから22年の時を経て家族の時間が動き出す…。我が子の行方がわからない母親の後悔、焦燥、懊悩がくり返される前半は胸がキリキリ。パート仲間や朱里のどうしようもなさに辟易する。
    もし自分が妙子なら真実がわかり次第黙っていられないし、どんな事情があっても連れ去り犯を許せなくて...続きを読む
  • 隣に棲む女
    不妊治療中の小夜子に友人から届いた胎児のエコー写真付暑中見舞から始まる話、成り行きでドナーカードにサインをした結末のドライブが恐ろしい話、事故で小指を失った友人の吐き出す「あたしどんどん嫌な人間になる」の一連の台詞が胸に迫る話、優等生と幼馴染とピアノ教師の祖母が母へも繋げる絆にじんわりする話等六編。
  • 隣に棲む女
    女の複雑な心情を描いた短編集。子供の出産と女の友情を描いた[蝉しぐれの夜に]。大音量のホームシアターで近所迷惑をかけているのに無頓着な女が殺人事件の被害者の妹に復讐される[ホームシックシアター]。いつも我慢していた女が結婚詐欺の被害にあい限界に達する[オーバーフロー]。裕福な家庭のワガママ娘が臓器移...続きを読む
  • 隣に棲む女
    女性心理サスペンス短編集。
    イヤミス系と前向き・ほっこり系が半々といったところ。
    イヤミス系の3つが面白かった。

    ・蟬しぐれの夜に:不妊に悩む主人公と友人2との話。
    ・ホームシックシアター:上手い。マンションで、毎夜5.1chサラウンドのホームシアターセットで映画を見るのが楽しみという別居婚をして...続きを読む
  • 隣に棲む女
    2017年、15冊目は、『イジ女』以来の春口裕子の短編集、6編収録。

    今回は、それぞれ、簡単に触れておきましょう。

    蝉しぐれの夜に:イヤミス調の一編。この作りは巧い。読後、速効で冒頭に戻りました。

    ホームシックシアター:コレもイヤミス調でなかなか巧い。やはり、鍵は「このマンションで、5.1ch...続きを読む
  • イジ女
    2016年、34冊目は書店のPOPで気になってた、初読みの作家、春口裕子のコチラ。全8編からなる短編集。それぞれ、簡単に触れておきましょう。

    目立とう精神:新築高層マンションのセレブ・ライフの表と裏、理想と現実。

    あんぽんたん:同僚の結婚式という場面を軸に切り取った、女性間の社内関係。少々サスペ...続きを読む
  • イジ女
    イジメっ子ばかりが出てくるかと思いきや、「イジめ」に限らず「イジけた」「イジ悪な」「イジっぱりな」女たちが登場する短編集でした。全部ひっくるめて『イジ女』。なるほど。


    『目立とう精神』
    高層マンションのセレブママたち。女性誌の「イジ女特集」が気に入らないのは後ろ暗いところがあるからでしょうよ。
    ...続きを読む
  • 隣に棲む女
    女性は怖い、とは言い古された言葉。
    なにも怖いのは女性だけではなく男だって怖いはず。
    けれど「女は怖い」というフレーズの方が意味ありげであるには違いなく世に広まっている。
    本作品は女性ならではの怖さを描いた6編の短編。
    それぞれの話から浮き彫りにされるのは、男にとって女性が怖い存在だというよりも女性...続きを読む
  • 隣に棲む女
    女性のゾワっとするような話ばかり集めた短編集です。

    ホラーになるのかな?
    イヤミスまでは行かないけど嫌な女も出てくるし。

    女特有のわがままっていうか自己中的な論理とか自分は悪くないって思う感じが出てる作品が多かった。

    個人的にはホームシックシアターが好きかな。
    自分のせいで他人が死ぬとか究極だ...続きを読む
  • 隣に棲む女
    すべて女性が主人公で、女の嫉妬や欲望、自意識やプライドといったものがないまぜになって出来上がったストーリーの短篇集である。
    サスペンスというジャンルは小説ではあまりもてはやされない気もするが、ああたしかにこれはサスペンスかも、と読み終わって感じた。
    イヤミスというほどに人間に踏み込んでいないところと...続きを読む
  • イジ女
    「イジ女」とかいて「いじめ」と読む。イジが悪い、イジイジ、イジになる…いろんな「イジ女」が登場する短編小説集。タイトルにもなっている「イジ女」は、他の話よりずっと恐ろしくてヒヤリとした。女社会に困っていないけど、理解できてしまうことも多々あり。
  • イジ女
    さらっと読めたけど、なんか後味はあんまり良くなかったかも。
    結局イジ女本人はあんまり自分が加害者になってるって意識ないんだろうなぁ。
  • イジ女
    この本の語るべきポイントは、“現実の女の世界はもっとドロドロしている”とか“こんなんじゃ甘い”とか“女は怖い”とかそういうところではなく
    女性が人間関係を築いていく中で、何を重要としているか、自分をどう見せたいのか、どのポジションにいたいのか等、
    イジメに至る動機を理解していくのに役立つのではないか...続きを読む
  • 隣に棲む女
    嫉妬、わがまま、欲求不満、不信…どんな女の心にも潜む悪意の種ははかり知れない。殺人事件の起きた部屋の隣に住み続ける女、不妊に翻弄される女、婚約者が突然姿を消した女、わがままで自分勝手な金持ち女、母親への愛情を持てない女…それぞれが抱いた小さな悪意が導く出来事とは…誰の身にも起こりうる事件の背後に隠さ...続きを読む
  • イジ女
    何度目かの再読。正直なところノリの軽さに適当に読み流してしまいがちで、話があまり頭に残らない印象が強い作品なんだけど(実際にほとんど忘れていた)、なぜか定期的に読み返したくなるんだよなあ。「あんぽんたん」と「オフレコ」が特に好き。 う〜ん、裏表紙の「女性心理のチクチク感」という紹介に激しく違和感を覚...続きを読む
  • 隣に棲む女
    まずタイトルからしてなんか怖いです・・・(表紙も怖いけど)
    「住む」じゃなくて「棲む」のところが・・・
    これは相当女の狂気が渦巻いているのだろうと期待しておりました。

    その結果。。。ちょっと期待しすぎた(^▽^;)
    全6編なんですが、前半4編は後味悪い系、最後2編はちょっと最後に安心出来る話でした...続きを読む
  • 隣に棲む女
     隣に住む女、では無い。棲む!女なのだ、
     表紙はまるで安直なホラー。私が経験したホントに怖かった話…といったふうな。
     残念ながら、この本はこの表紙の作りで損をしているとも思う。
     ページをめくれば、女としては、かならず1度、2度会ったことのある女たちのオンパレードだ。ホラーより怖く、どんよりして...続きを読む
  • 悪母 (1)
    暗い雰囲気なストーリー

    悪意に満ちた出来事に奈江は

    どんどん追い詰められてくのが

    しんどすぎる展開に