春口裕子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ真相や展開が始めから分かりきっていたので、誠司の薄気味の悪さを味わいながら読むものなのかなと考えつつ読み進めた。誠司には同情すべきところも確かにあるのに、どうしても許せない気持ちや嫌悪感の方が勝る。いっそ本物の楓なのだと記憶を塗り替えてしまう程壊れてしまっていたのならまた違ったのかも知れないが、確信的に子供を奪ってしまっては、子供としても戸惑いが勝って庇いにくいだろう。確かに親子であった筈なのにそこにはずっと嘘があった。3歳の子供が生きる為に自身を騙した。誠司はそこにつけ込んだ。父親ではないです、と言われた時の楓でもなく琴美でもない彼女の心中はどれだけ冷え切っていただろう。なのにどうしたって憎みきれないのがまた辛い。
加えて奪われた側の家族の心情を思うと更にやるせなさが募る。誠司が幸せを噛み締めている時にも被害者家族は心から喜びや幸せを感じることがなかったのだろうと思うとまた腹立たしい。見つかって良かった、再会出来て良かった、と簡単に美談には出来ない。
誘拐犯が許せない。なのに被害者が苦しみながら庇ってしまう。怒りの矛先が迷子になって何とも後味が悪い。 -
Posted by ブクログ
初めて読む作家さんだったけどかなり読みやすく、スイスイ読めた。パートの仕事の終わりが遅くなってしまった山口妙子は、3歳の娘、琴美をお迎えに幼稚園に急ぐ…しかし琴美は友達とその母親と幼稚園を先に出発していた。公園を探すが琴美の姿はなく…一緒にいた友達も「分からない」突然娘が消えてしまった…そこから22年の月日が経ち、事件が動き出す。
ちょっとホラー系かと思ってたら、全然違った。ともあれ、ともあれ全体的にハッピーエンドで終わって後味は良かった。最初は妙子が子どもを必死に探すシーンから始まり、警察に聞き取りされるシーンなどが妙にリアルに書かれている。幼い子どもがいるので、常にもしもの事を頭に描いていない、絶対に目を離してはいけないと再確認した。