春口裕子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ評価は5.
内容(BOOKデーターベース)
公園から忽然と姿を消した三歳の琴美。両親は必死に捜すが、一向に見つからない。―22年後。自堕落な生活を送る幸子のもとに、一通の手紙が届く。差出人は、消息不明の妹を捜し続けている男だった。同じ頃、浜名湖畔で父親の誠司とペンションを営んでいる楓。ある日を境に、楓は誠司に対して不信感を抱く。父は何か秘密を抱えて生きているのではないか。交わるはずのなかった人生が交錯したとき、浮かびあがる真実。切ない想いが胸を満たすサスペンス長編。
最後は丸く収まったので良しとしたが、やっぱり被害者家族の事を考えるとたまらない気持ちになった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ誠司のしたことは、たとえどんな事情があったにせよ許されることではない。
22年の間の家族の思いや、父•和彦の認知症のことを考えると「生きていてくれてよかった」では済まされない。
それにもかかわらず、
宿泊客としてペンションへ訪れ、長年探し続けた娘が目の前にいるのに
その生き生きとした幸せそうな姿を見て
事実を告げず、それまでの人生を尊重しようという母•妙子の決断は、本当の愛だなと思った。
家族と離れ離れになってしまったが、愛されて生きた琴美と
家族がそばにいながらも、消えたいと願ってしまった恋文。
どちらが幸せだったのだろう。