萬田緑平のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
病院では、何とか命を救い、少しでも長く生きられるように治療することが使命だと思っていた。しかし、人は必ず死を迎える。本書を読んで、ただ命を延ばすことだけではなく、最期まで自分らしく生きることも大切なのだと考えさせられた。
著者は、2000人以上を看取ってきた緩和ケア医として、「延命より満足を、治療より尊厳を」という考えを示している。緩和ケアを受けながら、最期を自宅で家族と過ごすという選択も、その人らしい最期を迎える一つの方法なのだろう。家族がそばにいて、最後の時間を一緒に過ごせることは、とても大切なことだと思う。
「無理な治療はしない」と母は言っている。私も、母がそう望むのであれば、その思いを尊重してあげたいと思っている。ただ、いざその時が来たら、本当にその通りにできるのだろうか。命を少しでも長くしてほしいと思ってしまうのではないか。死を遠ざけるのではなく、どう生ききるかを考えることも、家族にとって大切な準備なのだと感じた。 -
Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて手に取った一冊。緩和ケア医である著者が、「看取り屋」ではなく「生き抜き屋」として、多くの患者の姿から見えてきた生と死について語っている。
特に印象に残ったのは、ちゃんと生きてきた人が、ちゃんと最後まで生きられるという考え方だった。人生の終わりだけを、いきなり良いものにしようとしても無理がある。どのように死ぬかは、それまでをどのように生きてきたかと切り離せないのだと思う。
また、人は病気そのもので死ぬというより、病気などをきっかけに身体が少しずつ弱り、やがて死を迎えるという捉え方も印象的だった。死を敗北や例外として遠ざけるのではなく、生きることの先にある自然な営みとして見つめ直すことができた。
我が国では、死について率直に語ることは、どこか縁起の悪いこととして避けられがちである。しかし、死を考えることは、決して生を諦めることではない。むしろ、最期まで自分らしく生き抜くために、今をどう生きるかを考えることなのだろう。
人が生まれてきた時には「おめでとう」と言い、死に逝く時には「ありがとう」と言う。
自分がいつか見送られる時も、誰かを見送る時も、この言葉を忘れずにいたい。
生きたいなら歩こう。そして、歩いて棺桶へ。死について考えながら、生きることへの意識を一段深められる一冊だった。 -
購入済み
大股できちんと歩ければ大丈夫という内容です。特に大事だと思ったのは、
○歩幅と寿命は相関する。ちょこちょこ歩きでは棺桶は近い。
○健康寿命は72〜75, 平均寿命は81〜87歳なので不自由な期間は長い。あと、定年後の自由な期間は意外と短い。
○自分や家族の事を医療者任せにするために、辛い最後を迎える人が多い。全ておまかせではなく、私達が自分で考えて選択すべき。 -
Posted by ブクログ
人間誰しもが必ず「死」を経験するのに、自分のことになると「死」を遠く離れたものだと考えてしまっていると気付かされた。
もし自分の家族や友達ががんなど病気になってしまい、死が近づいていると分かったら、絶対医師に頼んで出来るだけ長く生かせようと思ってしまう。だけどこの本を読んで、延命治療というのは、苦しみ続ける患者はもちろん治療をし続けなければならない医師、苦しむ患者を見続ける患者の家族や友達、全員が辛い思いをするものだと分かった。
自分がどんなに好きな家族や友達でも、その人にはその人の人生があるということを忘れず、その人の望む死に方を尊重し、それを全力でサポートする事がほんとうの愛だと感じた。
自分の死が近づいて来たとしても、棺桶に入るその瞬間まで歩いて後悔のない最高な人生だったと思えるようになりたい。