竹内均のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
渋沢栄一の生き方の根本となる考え方が網羅された一冊。
以下の3点が非常に興味深かった
①孔子が富貴を嫌ったのは誤った解釈であると渋沢栄一は考えていると言う事。宋朝の朱子が日本に孔子の考えを持ち込んだ際に、富貴貨殖と仁義道徳は相入れないと言う誤った思想を蔓延させた。孔子はあくまで正しい道を踏んで富を積めと言っていると渋沢栄一は解釈している。いわゆる「清貧」からの脱却する事で、日本全体を豊かにしていこうと言う考えの元、渋沢栄一が様々な事業を成功させた事は富貴貨殖と仁義道徳が両立する事を身を持って証明していると感じた。
②一時の成功や失敗は長い人生の中で泡沫のようなもので、目先の事にこだわって成功や失敗を論ずるより、道理に則って行動する事が価値ある人生につながると言う一節。インターネットで情報が氾濫しているか中で、効率的に情報を集める事は大切な事だが、自分が行っている事が世のため、人の為にきちんとなっているのか?それを踏まえた上での情報収集なのか?という事はそれ以上に大切にしていきたい。
③身体が健康で努力家で行動に節度があり、何をやらせても先輩を安心させるように仕上げるだけでなく、その上想定外の事をやるなら必ず賞賛されるに違いないという一節。人から認めてもらうにはこの順番で物事を行う事が大切だと感じた。いきなり想定外の事をやろうとしてはいけないし、まずは身体を大事にしながら周りの人から安心して仕事を任せられる存在になろうと思った。 -
Posted by ブクログ
同時に自助だけを唱えたら能力主義になって、弱者が救われないというマイケル・サンデルの本(幸運も実力のうち)を読んでいて、批判的な視点で読み始めたが、結果非常によかった。
特に最終章の人格の話の部分では、人格形成が重要だという、7つの習慣の元ネタ的な雰囲気を醸し出していて非常に好感。
ごりごりの強者の論理ではあるものの、これを自戒として実行するか否かで自身の人生をコントロールできるかどうかは大きく変わると思う。
今の日本は自助という言葉はもう少し浸透したほうが良い。
コロナ対策ではひたすら首相を責め、何かあると国が悪いといい、Twitterでは常に誰かが責められ精神を病み、人を責めて炎上させることでマーケティングにつながることが、正しいことと捉えられるなど、自分さえ良ければよい、かつ全て人のせいという雰囲気がすごい。
アメリカではそれが浸透しすぎた結果、弱者の反発が起きているが、ある一定の自助の精神は日本にとって非常に有用であり、最低限必要なものであると思う。
もう一切の他責はやめよう。 -
Posted by ブクログ
・いかにして待つかを知ること
・人生の9割は快活な精神と勤勉
・堅忍不抜(けんにんふばつ)の精神
・知識が多くなるほど人はうぬぼれの心が消えていく
・心に浮かんだ考えや見聞きした事実は必ず書き留めておく習慣をつける
・真に優れた人間は他人の評価に重きをおかない→自分の本分を誠心誠意果たして良心が満足すればよい
・できると考えさえすれば十中八九達成できる。
・正直は最良の策
・人生の最高の目的は人格を強く鍛え上げ心身の向上発展させていくこと。
・行動と言葉を一致させる
・そこには人がいた。僕が自分の目で見ていた。僕は自分が悪いことをするところを見たくない
・礼儀作法に金はかからない。しかも礼をつくすだけで何でも手に入る -
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実に大和魂な(=旧大英帝国パワーな)エンカレッジ本。「天は自ら助くる者を助く」をベースに、おびただしい量の成功者事例を紹介しながら徹底的に「努力即ち成功」をインプットしてくる。凄まじい圧力が逆に清々しく生半可なビジネス書を読むよりやる気は出る。明治時代に日本では「西国立志論」として翻訳されたらしく、時代が大きく変わった明治の若者たちを如何にして刺激したか、想像に難くない。余談だが、ここの著者の翻訳は口が悪くて好き。平気で落ちこぼれとかノロマとか途方もない大バカ者とか言っちゃう。ただし、ちょっと貧困を努力の培地として賞賛しすぎてて、普通の家庭で育った自分にとってはちょっと腹落ちしない部分はある(執筆された時代的に仕方がない気もするが)。
二つほど、心に留めるべき文があったので、ここに記す。
豊かで恵まれた家庭に育ちながら、なおもその時代に重要な役割を演じることができた人間、つまり、快楽に満ちた生活を軽蔑し、毎日を勤勉に生きた人間こそ、いっそう尊敬に値するといえよう。
確固たる目的や目標を持っていれば、勉強も実り多いものとなる。ある分野の知識を完全にマスターしていれば、いつでもそれを活用できる。この点から言えば、単に本をたくさん持っていたり、必要な情報を得るには何を読んだらいいかを知っていたりするだけでは十分といえない。 -
Posted by ブクログ
英国の政治家で文人のフィリップ・チェスターフィールド(1694~1773年)が息子に宛てた手紙をもとに、『息子への手紙』として1774年に発表された作品の翻訳。
自己啓発書の古典中の古典であるサミュエル・スマイルズの『自助論』(1859年発表)に先立つこと百年近くに書かれた本書は、長い間英国の上流階級でのGentlemanshipの教科書として使われ、英国の心ある人たちは皆読んだと言われている。
アメリカナイズされた現代社会においては必ずしも“成功の秘訣”とは言えない部分もあるが、私の好きなヨーロッパ的な良さがとてもよく表現された、年を経ても読み返せる作品である。
「何事も、やるからには一生懸命やらなくてはいけない。中途半端にするくらいなら、しない方がずっといい。大切なのは、自分のしていることに集中することだ。物事は、する価値があるか、ないかのどちらかだ。中間はない」
「結局のところ、自分に確たるものを持っている人は、一般論などに頼らなくても、言いたいことはきちんと言えるのだ」
「知性ある人間というものは、急ぐことはあっても慌てることはない」
「こざっぱりとした身なり、優しいしぐさ、節度を保った衣服、心地よく響く声、伸びやかで曇りのない表情、相手に合わせながらもなおはっきりとした話しぶり-これ以外にもまだまだあるが、こういったものひとつひとつが、なぜか人の心をとらえて離さない、小さな要素にちがいない」
「生きる知恵の根本は、何といっても感情をおもてに出さないこと、言葉や動作や表情から、心が動揺していることを悟られないようにすることだ」
「物腰の柔らかさと、意志の強さを兼ね備えることこそ、軽蔑されることなく愛され、憎まれることなく尊敬の念を抱かれる唯一の方法であり、また、世の知恵者がこぞって身につけたがっている、威厳を身につける方法でもある」等 -
Posted by ブクログ
およそ150年前のイギリスで出版された世界的名著です。
日本でも明治時代に翻訳されて、当時で100万部ほど読まれたそう。
ぼくが読書や思索をかさねていく目的の大きな一つは、
じぶんやみんなの「生きづらさ」を解消するなにかを見つけるためです。
指針ややりかた、スタンスや意識のありかた、
世の空気やシステムについて変えるべきものはなんなのか、などを探っている。
そして、そのなかでも個人のあり方としては
「自助」をつよく推奨してきました。
それで、じゃあ「自助」を掘り下げて考えるとどういうことをすることなの?
という問いが生まれます。
漠然と、こうだろう、と考えていた「自助」というものの捉え方を、
そんな150年前の書物で確かめ、アップデートするのが目的の読書でした。
温故知新です。
自助・共助・公助のどれがいちばん大事だろうか、
というと、最近では共助がもっとも大事だ、
という答えが多いように見受けています。
そこには、前提として自助が行われいるというのがあるかもしれない。
自助が最低条件としてあって、そのうえで、
共助が大事です、と言っているかのように、
ぼくにはとれるようなふしがありました。
しかし、
民度が高くてなんでも言える世の中で、
自己開示していけるならばそれが一番いいのでしょうけれど、
あんな街だとかあんな病気だとか、
負のイメージにこりこりに固まるひと(スティグマにとらわれるひと)が多いから、
自分はこういう窮状にいてこんなことに困っているのだと、
自己開示して共助を求めるよりか、
自助でなんとかしようというほうが現実的な場合が多々あるでしょう。
本書によれば、
逆境や窮状にいるひとでも、
めげないでがんばるためには希望を持つことだそうです。
ぼくもなかなか大変な立場にあるほうだけれどまあ元気なのは、
希望のほうを向いているからなのかなあと、
自分のことはよくわからないながらもそう感じました。
本書のおもしろいところは、
学業で秀でていたひとよりも、
学業でぱっとしなかったひとでも努力したひとのほうが、
出世したりうまくいっているパターンが多いことを書いている点です。
ほんとうのエリートはどうか知らないけれど、
ふつう程度の学校にはこれはあてはまると思う。
重ねて言いますが、150年も昔の本です。
よって、昔の人みたいな堅さがちょっと残っているし、
四角四面に感じられるところもあります。
でも、そういうところがあることをわかったうえで読めば、おもしろい。
要点は、「勤勉さ」でした。
勤勉に誠実に、努力していこうというもの。
金銭面では、節約が第一にあげられていて、
ぼくも参考にしようと思いました。
けっこう浪費するほうなので。
そして、
過保護と束縛は、自助の精神を育まないそうです。
むしろだめにする、と。
ここはひとのために気をつけたいところです。
「天はみずから助くるものを助く」と書いてあります。
この世界はそういうものなのでしょう。
ぼくは、ゴールデンウィークからバイトもはじまり、
家ではできるぶんの家事と介護をしていくわけですが、
『自助論』を読んでいると、
そうしながらでも、
今と同じペースは無理だとしても読書をし続けられそうだし、
創作にかかることもできそうな気持ちになってきました。
前を向いて歩くための自助を、
あらためて実践していくつもりです。
みなさんにもおすすめです、『自助論』も「自助」も。 -
Posted by ブクログ
根本から大きな誤解をしていたようだ。
『自助論』というタイトルから、私はてっきり、己を律して生きるための著者独自の深い思索や哲学が展開されるものと思い込んでいたからだ。
しかし、その実態は期待とは裏腹に、自助の精神に則ったエピソードを偉人たちの伝記や言葉の断片から掻き集めたものに過ぎなかった。著者の思想を味わう本というよりは、実例を羅列した「箴言集」と呼ぶのがふさわしい。
日本では明治初期に『西国立志編』として出版され、爆発的に普及したという。だが現代の視点から見れば、断片的な成功事例を繋ぎ合わせた「前時代的な自己啓発本の王道」という印象を拭い去ることはできない。
もっとも、その空疎な羅列の中にも、心に響く言葉がわずかに残ったことは事実だ。最後に、備忘録として記しておきたい。
・天は自ら助くる者を助く
・堅忍不抜(つらいことも耐え忍んで、どんな困
難にも心を動かさないこと) -
Posted by ブクログ
天は自ら助くる者を助く——————
というキャッチフレーズで有名な著作。
数々の欧米の成功者のエピソードとともに、立派に人生を生きるための智慧を盛り込んだ元祖自己啓発本。
自己啓発本として有名なカーネギーの『道は開ける』と論理展開が大変類似していることが特徴。
メッセージ+関連した成功者のエピソードで話が進む。
自分の不勉強で紹介されている成功者の半分以上が誰だか分からず、いまいち説得力に欠けてしまっていたのは残念。
また、結局自己啓発本は、
「努力・克己・誠実という当たり前のことを徹底しろ」というメッセージに終始している。
既に7つの習慣や道は開けるなど、代表的な自己啓発本を読んだことがある自分にとっては
非常にくどく、得るものは少ないように感じた
(この本が上記の本の源流にある可能性は非常に高いが)
それでもこの本が面白かった点は、二つ。
①自分の努力で道を開くことが絶対的に肯定され、また、可能であると断定されていること。
現代の先進国の大半は、既に成長期を終え、緩やかに衰退していくフェーズにある。また、格差の固定化も進んでいる。そこには、一人一人に等しく成功するチャンスはない。努力と成功という因果関係を絶対的なものとして主張するこの本は、現代では炎上間違いなし。
②富と善が明確に分離されていること
富や名誉が人としての格や善には繋がらないという主張がなされている点は興味深い。現代だとあまりない論調では?