平松洋子のレビュー一覧
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ネタバレ小川洋子さん、平松洋子さんによる、対談形式の書籍紹介本。
お二人の成長に合わせて、5章に渡り、印象に残った本を紹介してくださっている。
その5章は、少女時代の本、少女から大人へ向かう時の本、家を出る時の本、人生の中で思い出すと力が湧くような本、旅立ち(死後の意味で)に向かう本、という内容。
紹介されている本は、ほぼ読んだことのないものが多く、新しく読みたい本リストに加わった。
個人的に印象に残ったのは第4章、人生のあめ玉。
人には後悔や恥ずかしかった経験がたくさんあるが、
それらを肯定して、私はこれでよかったんだ、良いことも悪いこともすべて今の自分を作っているものだと思って生きていくという趣旨のコメントが出てくる。
この自己肯定のための力になるものとして、あめ玉のような記憶、というキーワードが登場。
紹介されている本は、そういうあめ玉になる記憶が生まれた瞬間や、あめ玉になる存在について描写するような本たち。
お二人の息子さん、お嬢さんに関するあめ玉の記憶も登場し、温かい気持ちになった。
自分にも、そういう人生のあめ玉はあるだろうか。
あめ玉を舐めて、人生の辛いことや後悔を肯定していけるだろうか、と思わされた。
巻末の人生問答もなかなか面白い。
また、小川洋子さんのアンネ好きは健在で、本自体も紹介されているし、違う本の紹介でもエピソードとして登場するなど、小川さんの人生の中で、それが重要なものであることが分かる。
小川洋子さんファンとしては、彼女の人となり、価値観を垣間見ることができ、満足の行く一冊だった。
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Posted by ブクログ
野蛮な読書を呼んだのは2014年3月だった。12年も経っていた。その間、料理のエッセーを幾つも読みながら、本の話も読みたいなとはチョッと思っていた。
最初、アレ、何か反りが合わないなあと感じた。未読の著者の本が続いたからかなあ。段々、平松さんの手際の良さ、包丁の切れ味をみるような文章に絡めとられる。
女声の作家、エッセイストが多いかな。特に、向田邦子と有吉佐和子については対談もあり。実は、僕は60代半ばのお爺さんだが、その上の世代の女性作家の名は幾たびも耳に入ってきたが、未だ手に取らず仕舞い。恍惚の人の映画ポスターは中学の頃に街で見たのを覚えている。このお二人は読まなきゃいかんな~。
女性ということでは武田百合子の富士日記は既読。しかし、平松さんの目の付け所、料理や食材に注目するアタリが、僕の感想と違うのが嬉しいような、悔しいような。
その他にも、この本面白そうだよと誘ってくる文章が沢山。暫く手の届く処に置いておこうと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレちょっとした美味しいものの記憶。
コロナ禍の頃を含めた食べ物エッセイ。どうやら旅に出たり出かけたりして見つけた美味しいものを語る連載だったようだ。ここで語られる美味しいものはどれも背伸びしすぎない味。表題作のいわしバターをはじめ、レシピを自分で考えたり、知り合いから送られてきたり教えてもらったりした、日常の延長線上にあるものだ。それがなんともほっこりする。
もっとも共感したのは「極道すきやき」だ。宇野千代の本にあったという、極上のお肉にブランデーと割下と溶き卵をかけたものを焼く、お肉だけのすき焼き、それが美味しそうでやってみたいと思いつつ、この先もやらないだろう、本の中で輝いているのが一番似合う、という著者。私も美味しそうと思うし、食べてみたいけど、きっと永遠に夢のまま。宇野千代の境地には至れず、憧れの味としていつまでも夢見ていたい。 -
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「手探りで体重を増やしていく」 という言葉に、ぞくりとするリアリティがある。 野毛の寮の改築も宣伝活動と考えた 偉丈夫の口から聞く若手時代の実話は 「筋肉はドレスですから」時流の最先端を捉えた発言だと思いながら、彼の変貌ぶりに驚かされた。もやしとは言わないけれど、以前は葱位には白くて細かったのに、首や肩の筋肉が盛り上がって別人のように逞しく、そもそもこういう強気の物言いをする人ではなかった。筋肉という存在は、人間の内面をも変えるのだろうか。 可能性と限界との間、曖昧な領域に属するもの。稀代のナチュラル・ボーン・マスターの言葉は、サプリメントの本質を鋭く突いていた。 拙速に結果を求めては本末転倒になると釘を刺す 筋肉は年齢に関わらず成長する。この事実が、「筋肉は裏切らない」という言葉の根拠だ。 筋肉は、自分の身体の中で鳴りを潜めている野獣であり、摂理であり、宇宙。筋肉という名前の無限大の宇宙のあちこちには、幾つものパンドラの筺か浮かんでいた。 身体の内側に潜んでいる無限の数値が、自分を承認したり変えたりする原動力になり得る。 「言い方悪いけど、キモチワルイ。写真は無月経になってしまった25歳の私。メンタルを破壊して無月経になるまで追い込む事が本当に格好良いものなのか。女子選手はしっかり考えて欲しい」 スポーツの良さは、自分でも想像出来ない自分に出会える事。その一方、弱さに打ち克つ事は、自己否定と背中合わせになる事があります。 自分の柔道人生に向き合って繰り出した、痛快な一本。「嫌いな訳じゃ無いですけど、好きって訳でも無かった」という言葉の余韻が深い。 そのアイスクリームは「ギルト(罪悪感)フリー」 強さへの惜しみ無い拍手。弱さや痛みへの共感、或いは想像力。スポーツは、人間の強さや弱さ、迷いや決断、全てを引き受け、試し、露わにし、余すとこ無く描き出す。だからこそ、人間を惹きつけてやまない。 多様な問題が坩堝の中で紛糾した「スポーツの祭典」を介して あからさまに女性の健康を国が求めたのだから”お上“のやる事は恐ろしい 高齢者にとってはフレイル(虚弱)やサルコペニア(筋肉現象)予防の側面も見逃せず 置き換えてみれば余情が入る隙の無い無機質な数字だが、しかし、その内部には熱い血の迸りや複雑な感情が有る。 鈍重なもやもやを取り払えたら ジャンルを問わずスポーツを観る事そのものに不思議なカタルシスを覚える事に驚きや発見が有った 『我が友、スミス』 覚醒を促される示唆や見解
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Posted by ブクログ
ルポと銘打っているからか、説明が多かったり、著者の感想が冗長に感じるところが多数あったが、現場のアスリートや研究者などのコメントの数々は興味深かった。
なお、最後のそれぞれの現在の章をざっと読むと分かりやすいと思うが、序盤、全体の40%ぐらいは相撲からプロレスの話で、そこから研究者、栄養士、陸上の方など別のタイプの方の話が出てくる。
最終的には他のアスリートも裏方も出てくるのだが、最初はこれずっとデカい男性の話がずっと続くのかな、と思ってしまった。
食べた物でカラダが出来る、というのはよく言われる事ではあるものの、様々な方のインタビューから改めて感じた。