佐々木功のレビュー一覧
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初めて読む作家さん。豊臣秀吉に「100万の軍勢を率いさせたい」と言わしめた大谷刑部吉継の物語。大谷刑部吉継、初めて知る人物。天下分け目の戦い、関ヶ原の戦いを起こした。とても面白かった。
本書を読んで、改めて思ったのは歴史は勝者の視点から描かれる、ということ。この本を読むまでは、豊臣秀吉はどちらかというと嫌いで、大谷刑部吉継と深い友情で結ばれていた石田三成も嫌いだった。でも、この本の視点から読み取る彼らはその思いを覆した。どちらがどうだ、というのではないけれど、一方からの視点からのみの判断はしない。
学校の授業で「関ヶ原の戦い 1600年」と教えられるけれど、そこに至る背景などは語られない。 -
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光と影の関係のように石田三成と友に語られる大谷吉継。
なにかと振る舞いが派手な石田治部に対し大人な振る舞いの大谷刑部というイメージそのままに戦国末期の群像劇を描いた作品。
物語前半で冷静沈着な吉継のイメージを植え付けられ、その流れで秀吉没後の家康とのやりとりを読むことになるのではじめは「あれ?家康もしかしていい奴?」と感じ、そして読み進めるとこれでもかと狸親父っぷりを思い知らされる。
ある種、この本の大谷吉継は徳川家康の恍惚さをとてつもなく大きく築き上げるためのバイプレーヤーにさせられてる感すらあります。
もちろん、物語の芯は終始刑部にあるのですが、関ヶ原に向けての世の中の動きがこれほどうまく -
Posted by ブクログ
面白かったです。
秀吉の天下統一の最終局面。関東の覇者・北条氏政、氏直が籠城する小田原城を、豊臣、徳川、織田、伊達等の大軍勢が取り囲む。そんな四面楚歌の状況を打開する逆転の秘策を北条家の家臣・板部岡江雪が企てる。
あまり知られていない板部岡江雪という人物に焦点をあてた小説で、自分も信長の野望に出てくるステータス高めのキャラだな、という印象くらいしかありませんでした。本作に出会うまで、こんな魅力的な人物とは思わなかったです。
絶体絶命の状況を覆す策が徐々に明らかになっていく中盤くらいまではメチャクチャ面白く、読んでいてワクワクしました。…が、歴史小説の性で、豊臣方の勝利という結末は決定事項のため -
購入済み
幾度となく歴史小説で読んだ場面
丹羽長秀を主人公として太田牛一に語らせた物語は実に面白かった。どこまでが史実でどこからが作者の創作かわからないほどだ。丹羽長秀という信長の最も重要な家臣と言われながらもあまり知られていない人物。その人に光を当てることで日本史をより深く味わうことができた。
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謎が多い滝川一益が主人公の小説。
色々な本などを読んでみても出自が不明、神速の行軍で知られ鉄砲の扱いも上手かった。
忍者であるとか雑賀衆の様な鉄砲衆であったとか諸説ある中、佐々木功さんが捻り出し練ったストーリーであったみたいですが存分に楽しめました。
数多ある戦国武将一人一人の小説をあるのであれば読んでいきたい。
と個人的に思っているので小説になりにくい滝川一益の小説を読む事が出来て良かったし、初めて佐々木功さんの作品を読ませて頂きましたが楽しかった。
次は今作と繋がりがあるのかわかりませんが、慶次郎北へ~でも読んでみようと思う。
いや天下一のへりくつ者の方がいいかな~。
2022/2