佐々木功のレビュー一覧

  • 天に挑む 大谷刑部伝

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    初めて読む作家さん。豊臣秀吉に「100万の軍勢を率いさせたい」と言わしめた大谷刑部吉継の物語。大谷刑部吉継、初めて知る人物。天下分け目の戦い、関ヶ原の戦いを起こした。とても面白かった。

    本書を読んで、改めて思ったのは歴史は勝者の視点から描かれる、ということ。この本を読むまでは、豊臣秀吉はどちらかというと嫌いで、大谷刑部吉継と深い友情で結ばれていた石田三成も嫌いだった。でも、この本の視点から読み取る彼らはその思いを覆した。どちらがどうだ、というのではないけれど、一方からの視点からのみの判断はしない。

    学校の授業で「関ヶ原の戦い 1600年」と教えられるけれど、そこに至る背景などは語られない。

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    2025年06月08日
  • 真田の兵ども

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    ネタバレ

    新しい視線での真田家の戦いを読むことができた。
    確かに昌幸と信幸が連携していたという可能性はあり得るし、自分の子供を他人に預けて育てるということもあり得るが、なかなか頭は回らなかった。とても面白く、最後は少し感動しました。

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    2025年03月01日
  • 天下一のへりくつ者

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    北条家の外交僧で後に秀吉の御伽衆、家康に仕えた板部岡江雪斎の一代記。持ち前の弁論で小田原の役にとおける中央政府との交渉で当主氏直の助命とその後の北条家の再興に奔走し、家康に仕えた後は小早川秀秋の寝返り工作を務める。
    また北条得宗家の末裔であるという説もある。

    小田原の役での逆転勝利の為、氏直の命を受けた江雪斎が黒田官兵衛、徳川家康を巻き込んだ策謀を張り巡らす。果たして北条家の命運は、、、

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    2025年01月16日
  • 天に挑む 大谷刑部伝

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    大谷吉継の話。
    吉継の心情に丁寧に寄り添って書かれており、読みながら共に苦悩し、歓喜し、周りの人間たちに感謝の念を抱いた。
    信繁に大学が刑部の手記を渡すという展開もとても良かった。
    タイトルの「天に挑む」も、深みというか厚みがあって良かった。

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    2024年08月31日
  • 天に挑む 大谷刑部伝

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    光と影の関係のように石田三成と友に語られる大谷吉継。
    なにかと振る舞いが派手な石田治部に対し大人な振る舞いの大谷刑部というイメージそのままに戦国末期の群像劇を描いた作品。
    物語前半で冷静沈着な吉継のイメージを植え付けられ、その流れで秀吉没後の家康とのやりとりを読むことになるのではじめは「あれ?家康もしかしていい奴?」と感じ、そして読み進めるとこれでもかと狸親父っぷりを思い知らされる。
    ある種、この本の大谷吉継は徳川家康の恍惚さをとてつもなく大きく築き上げるためのバイプレーヤーにさせられてる感すらあります。
    もちろん、物語の芯は終始刑部にあるのですが、関ヶ原に向けての世の中の動きがこれほどうまく

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    2024年07月25日
  • 織田一~丹羽五郎左長秀の記~

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    織田家筆頭家老だった丹羽長秀は本能寺の変の後、秀吉を担ぎ120万石の大名の道を進んでいく。信長公記の作者太田牛一の視点から描かれる本心を明かさない丹羽長秀の生き様というテーマが面白い。

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    2023年05月13日
  • 織田一~丹羽五郎左長秀の記~

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    なかなか見ない丹羽長秀メインの小説。
    本能寺直後の大坂、山崎の戦い、清洲会議、賤ヶ岳、小牧長久手などの重要局面における長秀の行動を太田牛一目線で語るスタイル。
    大坂の混乱やその後の丹羽池田の秀吉観などは色々と面白い。

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    2024年09月09日
  • 天下一のへりくつ者

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    面白かったです。
    秀吉の天下統一の最終局面。関東の覇者・北条氏政、氏直が籠城する小田原城を、豊臣、徳川、織田、伊達等の大軍勢が取り囲む。そんな四面楚歌の状況を打開する逆転の秘策を北条家の家臣・板部岡江雪が企てる。
    あまり知られていない板部岡江雪という人物に焦点をあてた小説で、自分も信長の野望に出てくるステータス高めのキャラだな、という印象くらいしかありませんでした。本作に出会うまで、こんな魅力的な人物とは思わなかったです。
    絶体絶命の状況を覆す策が徐々に明らかになっていく中盤くらいまではメチャクチャ面白く、読んでいてワクワクしました。…が、歴史小説の性で、豊臣方の勝利という結末は決定事項のため

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    2024年08月31日
  • 真田の兵ども

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    稀代の策士である真田昌幸は信州小県郡の上田の地を護るため、生涯最大の策を・・・。日本を真っ二つに分ける関ヶ原の戦いの直前、一族、家臣、城、領地、民、忍び、すべてを注ぎ込んだ真田の戦略が動き出す。上田城攻防戦に刮目せよ。

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    2024年06月24日
  • 織田一~丹羽五郎左長秀の記~

    購入済み

    幾度となく歴史小説で読んだ場面

    丹羽長秀を主人公として太田牛一に語らせた物語は実に面白かった。どこまでが史実でどこからが作者の創作かわからないほどだ。丹羽長秀という信長の最も重要な家臣と言われながらもあまり知られていない人物。その人に光を当てることで日本史をより深く味わうことができた。

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    2023年11月24日
  • 織田一~丹羽五郎左長秀の記~

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    解説にも書かれてあるけど、作者の名前を見て「宇宙戦艦ヤマト」を思い浮かべた。まあ、それはおいといて、作品は、凄く面白かった。丹羽長秀という武将は、信長、秀吉、家康が登場する作品には必ずと言っていいほど名前が出てくるけど、ほとんど実像が描かれない武将なので、こんな凄い人だったのが分かって時代小説の奥深さを再認識した。

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    2023年04月27日
  • 乱世をゆけ 織田の徒花、滝川一益

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    謎が多い滝川一益が主人公の小説。
    色々な本などを読んでみても出自が不明、神速の行軍で知られ鉄砲の扱いも上手かった。
    忍者であるとか雑賀衆の様な鉄砲衆であったとか諸説ある中、佐々木功さんが捻り出し練ったストーリーであったみたいですが存分に楽しめました。

    数多ある戦国武将一人一人の小説をあるのであれば読んでいきたい。
    と個人的に思っているので小説になりにくい滝川一益の小説を読む事が出来て良かったし、初めて佐々木功さんの作品を読ませて頂きましたが楽しかった。

    次は今作と繋がりがあるのかわかりませんが、慶次郎北へ~でも読んでみようと思う。
    いや天下一のへりくつ者の方がいいかな~。

    2022/2

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    2022年02月04日
  • 家康の猛き者たち 三方ヶ原合戦録

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    三方ヶ原の戦いの頃を中心とした家康の小説で結構珍しいのではと思う。徳川家を改革しようと家康、正信、忠勝達が奔走し一作目と同じく本作でも服部半蔵ら忍者の活躍も目立って描かれている。大坂夏の陣では徳川家の主要な面々はほぼ亡くなっている事から、家康と正信の長寿さが際立つ。最後はどういう思いだったんだろうなぁ。

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    2021年12月31日
  • 家康の猛き者たち 三方ヶ原合戦録

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    徳川家康若き頃、三方ヶ原の闘いを描く。
    武田信玄に蹂躙され、場合によっては滅ぼされてもおかしくない状況であった。
    当時は、イメージする老獪な徳川家康ではなく、血気盛んなら若武者であった。
    まさに、徳川家康が天下を狙う武将となれるかの転換点であり、ここまで掘り下げ、取り上げているのはありませんね。非常に良かったです。

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    2021年08月27日
  • たらしの城

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    藤吉郎を中心にねね、小一郎、前野長康、蜂須賀小六が巻き込まれ、洲の俣の合戦に雪崩れ込む。
    藤吉郎が一番熱いころの物語

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    2025年11月22日
  • たらしの城

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    宿老達が墨俣からの撤退を叫ぶ中、城造りに声をあげたのは台所奉行でしかない木下藤吉郎。
    実務能力に長け、人たらしの際のある若き秀吉が前野将右衛門、蜂須賀小六の力を借り難事に挑む。
    ちょっとコメディーチックで暇つぶし程度には良い。

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    2025年10月05日
  • 織田一~丹羽五郎左長秀の記~

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    この作家の方の作品は2冊目で、最初は主人公は滝川一益でした。で、2作目の丹羽長秀で、渋いとこついてくる作家だなぁ、と思ったのですが、もうこの2人はこの作品のとーりの人だと勝手に認定しました笑。

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    2025年08月19日
  • 乱世をゆけ 織田の徒花、滝川一益

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    ◾️滝川一益の歴史小説、描くのが難しい人
    ◾️不明な部分が多い人物で舞台が特定時期に集中
    ◾️織田信長がいないと輝けない人物
    ◾️滝川一益の何がどう優れた人物か
    ◾️寡黙、観察、洞察、冷静

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    2025年08月08日
  • 織田一~丹羽五郎左長秀の記~

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    歴史小説としてはあまり類のない書き方で、読みはじめた時は、不思議な感覚だったが、最後まで比較的面白く読めた。歴史小説の主人公としては扱い難い人物と思うが、賤ヶ岳、小牧長久手にうまく割り込ませたなと思う。

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    2023年05月21日
  • 慶次郎、北へ 新会津陣物語

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    前田慶次郎と直江兼続を中心に関ヶ原時の東方情勢を上杉家の観点から描く。年老いても尚豪快に傾く前田慶次、主君を天下人にする為に大博打に出る兼続など様々な人物の思惑が描写され、己の目的を成就させる為に直向きに行動し、最初は少年だった六十郎が侠に近づいていく過程も爽快だった。

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    2021年12月08日