石田英敬のレビュー一覧
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ネタバレ記号論とはなにか。歴史からここまでの新しい言説までをまとめたものである。知を愛するものであれば必読の書である。
この分野はコンピュータ、AIの発展の礎になっているし、そもそもメディアを探究する場合にも必要になるものである。
本書に「ヒトはみな同じ文字を書いている」、「ニューロンリサイクル仮説」を取り上げた箇所がある。ヒトが進化の過程で森で生活していた時期があるとされる。その森での生活でモノを見分けるのに使っていた視覚に関する身体の部位や脳の視覚野。これを文字を読むことに転用しているのではないかということの根拠にしているのである。
グラフィックレコーディングにおいて、文字を書く、絵を描く -
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放送大学の講義をもとにした現代思想の入門書。トピックごとに章立てされており、言語、記号、無意識、文化、情報とメディア、戦争、宗教、ナショナリズムと国家などの問題が取り上げられる。登場する思想家は、ソシュール、パース、フロイト、レヴィ=ストロース、ラカン、フーコー、ブルデュー、マクルーハン、フッサールなど。また、11・12章は西谷修、13章は小森陽一との対談となっている。巻末には読書案内が付される。
冒頭で著者・石田は、「今日における知と世界との関係」の特徴として「四つのポスト状況」を指摘する。すなわち、「ポスト・グーテンベルク」状況、「ポスト・モダン」状況、「ポスト・ナショナル」状況、「ポス -
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クロマニョン cinématographe運動の文字
フロイト 心の装置
記憶の補完→心の延長線としての身体拡張論
感覚器官系→知覚意識系→無意識
同時に忘却の装置でもある
アンドレ『身ぶりと言葉』
ライプニッツの普遍記号論『完全言語の探求』
P.61 64
ソシュールの言語記号学
技術的無意識
・記号はテクノロジーの文字による
・意味・意識を生み出す要素
・テクノロジーの文字は読めない
→メディアはテクノロジーの文字の問題
パース ダニエル・ブーニュー
フレデリック・テーラー『科学的管理法の原理』
ウラジーミル・レーニン
テイラー・システム→Fordism
libido経 -
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哲学の本は相変わらず難しいけれど、少し理解できるようになった気がする。
それでも最後のまとめはあまり理解できなかった。
とりあえず、いくつか心に残ったことを書き留めておく。
・フーコーのディシプリンという考え方
近代社会は規律型訓練のもとに成り立っている
学校や刑務所、病院など至る所にあって制服もその典型。これらのおかげで成功したとされる社会の再生産が行われる。
上手な刷り込みだと感じた。
・イメージの過剰の時代だからこそ、イメージの貧困に陥っている
・ナショナリズム
そもそもこの言葉をあまり知らなかったので勉強になった。
明治維新後日本は国家を作り上げてきたが、最近は国家をいじで -
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ライプニッツのバロック記号論、思考を合理的に記す人工言語計画、哲学言語の探求、これを普遍記号論とライプニッツは名付けた。
直立二足歩行、手振りと言葉の並列進化。
アナログ・メディア革命、機会が書く文字の誕生。写真、レコード、映画、メディアとはグラフテクノロジーの問題。また、これは技術的無意識を生み出す。機会が書く文字を、コマやフレームを我々は正確に認識出来ない。そしてそれらにより、我々の意識が作り出される。意識生産。
テイラーシステム、フォーディズム、ハリウッド、マーケティング。ニーズではなく、欲望から消費が生まれるようにするべきである。リビドー経済、文化産業。消費を生産する。
デジタルメディ -
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「現代思想の教科書」石田英敬を久しぶりに読み直しみた。
放送大学「現代思想の地平」の講義を元につくられたこの本はタイトルのように教科書的(知識を教えることに特化した本)で、私としては退屈なところが多い。思考の動き、ゆさぶりがみられるのはゲストを招いた回で、特に西谷修さんを招いた回はよかった。
「正しい戦争」というものを問わなくなり、「権利があるものどうしの正当な戦」という言い表し方は、9.11以降の混沌とした、形容しがたい靄がかかった戦争に当てはまる。
イラク戦争前に発言された「危機の防止」という言葉は、危機管理にも聞こえるが、実際のところ相手の地を踏み、根絶やしにしようという勢いだった。これ