平野一郎のレビュー一覧
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読むのが苦痛になる本。というのも、彼ヒトラーの主観が強くて、怒りや僻みや妬みのようなネガティブな心象をエネルギー源にした鬱屈した意見を延々とぶつけられ続けるからだ。ポジティブで力づけられる要素以上にネガティブ要素を強く感じてしまうのは、既に私が歴史的帰結を知ってしまっているからなのだろう。
きっと当時のドイツではむしろこの怒りと熱さは共感を持って迎えられたのだろう。
また影を裏に控えた強いナルシシズムも文章から透けて見える。
更に文章自体も繰り返しや飛躍が多く、テンポが死ぬほど悪い。読みにくいったらありゃしない。構成も良くないし文学的な良さは皆無。
こうすべきだ、という主張に対し、都度その根拠を説明しているようでいて、その根拠がかなりあやふや。ベースとなる論理にはソクラテスやプラトンらしさを強く感じるが、古代ギリシャ思想のネガティブポイントである非科学性であったり差別性である部分が完全に見落とされている。
ヒトラーは演説の天才だったというが、それには本を通さない、対面で使える洗脳的なノウハウや、主張を受け入れざるを得ない時代背景の要素が大きかったに違いない。本書を読んだだけでこの意見を鵜呑みにできるかというとかなり疑わしい。
下巻に進みたくない…。
本の出来としては★1だが、ヒトラーの人柄を知るという貴重な歴史的情報源であるため、総合判断として★3を与えたい。 -
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ナチスがどうして力を得たのか、それを知りたくて読み始めました。人間の弱った時に共通の敵を見つけ(悪いことはなんでもユダヤ人のせい)、選民意識(アーリア人種あげ)を持たせて自己を救うその理論がエグかった…。いろんな潜在的な差別や自尊心をくすぐっていくのがうまくて恐ろしい。
ヒトラー大衆を扇動する方法を知っており、その実行力があったと言う部分はやはり天才だったのかなと思います。
ただ、数々の虐待や戦争はヒトラー1人で成したものではなく、多くの人が賛同した故であることを刻んでおかねばなりません。ヒトラーは無から全てを作り出したのではなく、人々が潜在的に思っていることを都合のいいように言語化して展開したと。それがめちゃくちゃうまかった天才なんだと。
私もいつかその1人にならないように。戒めの本ですね。
ちなみに、読み物としては何度も何度も同じことをいろんな言い回しで書かれてます。なので、読みにくい。多分箇条書きにしたらすごい薄い本になるのに、ここまで言葉を尽くして言えるのかと言うくらいあれこれ言ってる。しかも賛同しえない理論展開なので(そらそう)頭に入ってこない文章も多いです。文章自体もよくわからないと言うのもあります。 -
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上巻同様の理由で星は3つ。
上巻がヒトラー自身の神格化と思想の謳詠にあったわけだが、下巻は思考を凝縮化し仮想敵すなわちマルクシズムとユダヤ人を作り出し当時の大衆を惹き付け政権掌握をした手法と論説が述べられている。
書籍としては読み難いこと極まりないしアドルフ・ヒトラーが書いたものでなければ読まなかったであろうが、「窮鼠、猫を噛む」が如く賠償と外圧に苦しみ追い詰められたドイツ国民が世紀の大悪人に希望の光を見つけて一縷の望みを託してしまったことに第二次世界大戦の悲劇がある。諸悪の根源をシンプルにヒトラー単独に帰すのではなく、人類すべての連帯責任であったことは留意する必要はあろう。 -
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高評価を付けるとファシストと勘違いされそうなので星は3つ。
アドルフ・ヒトラーが起こした歴史的大罪と自決による責任回避行動を振り返って「人類史上最悪の悪魔」「史上最高のペテン師」などと本書を批判することは容易であろう。だが、発刊当時(1925~1926年)のドイツ(当時ヴァイマル共和政)の国状を考えるとまた見方は変わってくる。第一次世界大戦の敗戦後、パリならびにロンドン協定の賠償金に喘ぐドイツ。自信を無くし未来も見えない中で、極めて論理的に理路整然と国家の将来を説く綺羅星の如く登場したのがヒトラーである。正否は別とし、圧倒的な知識量と天才的発想で課題と対策を提示し超一流の演説術で国家論を語り、彼は彼の語る政策を実現し、大衆は日に日に良くなる生活を実感する。ドイツ国民は自信を取り戻し、彼に従っていれば大丈夫という雰囲気が醸成されて圧倒的なナチス党支持・ヒトラー崇拝に大衆が傾いたのである。
本書を読めばわかる通り彼の主張は複雑怪奇で論理の飛躍が多い。歴史解釈の間違いも散見される。しかし読み進めていくと感情むき出しに力強く(そして偏狭に)シンプルな主張を繰り返す。それが「アーリア至上主義」だ。大衆は、おそらく側近も、ヒトラーの語る国家論は半分も理解できていなかったであろう。しかし実績を残し強い国家を実現していく彼の主張は正しいに違いないと思い込み、理解できる「アーリア至上主義」という部分、すなわち人種差別を受け入れ実行していくのである。
我々はヒトラーが画家の夢破れた偏屈者であることを知っている。しかし当時のドイツ国民は、それまで無名であったことが功を奏し、突如現れた救世主に飛びつき希望を託した。言葉がどれほど影響を及ぼし1人の人間が大衆をこれほど煽動できる事実を学ぶ良い教材である。 -
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上巻よりも更に斜め読み。難解。
ほとんど頭に入ってないかも……
私は否定的な感情を盾にしながら、覗き穴から常にチラチラ…怖いもの見たさとはこのこと。
ヒトラー。彼が独裁者になる前の本である。
国家社会主義ドイツ労働者党の党首として、彼は民主主義を民主主義で破壊し、最も優秀なヒトラーが大ドイツ帝国の復活を成すことに全てを懸けて行く。
彼はユダヤ人を世界から駆逐し、共産主義を倒し、最も崇高なアーリア人種の世界を作ることを夢見た。
その後、首相から国家元首として、独裁者に君臨し、ことごとく思想の具現化を進めるに至る。
よくもまあ、こんな本を書いたなぁと思う。
その時代にしか起こり得ない英雄的な発想と、狂乱の大衆扇動はたしかに、高揚感すらある。
ちなみにヒトラーの首相就任演説は一見の価値有り。
YouTubeなどでも見れるので、チェケラ! -
Posted by ブクログ
難解な本。一つの事柄に溢れる感情がテンコ盛り!
長い長い書き言葉に耐えきれず、斜め読み。
なぜヒトラーは歴史に残る通り、極端なまでの政治思想を持つに至ったかについて書かれている。有名なミュンヘン一揆の失敗により、国家反逆罪で有罪判決を受けたヒトラー。裁判では自らの責任を認めた上で、その弁舌で裁判を演説の舞台とし、自らを弁護した。その裁判は終始、ヒトラーに同情的であり、感動すら巻き起こした。
ともあれ、有罪となったヒトラーはリンツ刑務所内で本書を口述筆記した。刑務所では建物内を自由に歩き、面会も制限がなかったそうだ。
彼はドイツの没落を嘆き、ユダヤ人を憎み、民主主義、共産主義を否定した。
下巻へ。 -
Posted by ブクログ
ヒトラー 民族主義的な国家観を論述した本。国家観、読書の方法、多数決(議会制)批判、大衆運動や宣伝のコツ あたりは 興味深く読める
国家観
*国家の権威は 自己目的にあらず
*人間としての権利は 国家の権利を破る
*経済観、経済的発展とは無関係
*自己存在の目標を達成するための共同社会組織
*民族的な有機体
*全体のために個人を犠牲にする能力と意思が 国家を形成する
*資本に対する国家の課題は 資本を国家の召使いにして、国民の支配者であると思わせないこと
読書について
*歴史を学ぶとは 〜歴史的な事件の原因となった力を発見すること
*読書は 本質を保持し、本質でないものを忘れる
*読書は それ自身が目的ではなく、手段である
大衆、多数
*大衆の心理は 中途半端なものに対して感受性が鈍い
*多数はいつも愚鈍の代表であり
*世論の大部分は 啓蒙によって呼び起こされる
*偉大な運動はすべて大衆運動
宣伝
*宣伝は手段
*宣伝は ただ大衆に対してのみ行う
*効果的な宣伝は 重点を制限しスローガン化する
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Posted by ブクログ
行っていることは民族をちょっと入れ替えればいつでもどこでも言われている自民族優秀、他民族劣等論理で特別な内容じゃない。
また、100%悪な人間はおらずいつも一人一人の正義の争いで負けた者が悪になるんだろうから(受け売りでちゃんと調べてないが、聖書の中で神と悪魔で人を殺した数を集計すると神の方が人を圧倒的に多くの人を殺しているらしい…)ヒトラーのやった中にも経済政策などの良い面があれば評価し見習わなければ折角の人間の歴史の教科書になる部分を捨ててしまうことになるだろう。確かにヒトラーのみに責任を押し付けてお終いにすれば楽だろうが。
そして、気づかずに操られるのが宣伝の効果なのだから自分は操られていないと思っているのは既に術中に陥っていると思う位の方が良い様に思う。
これを読んで思ったのはヒトラーは取り立てて狂気の人では無く、一応今日でも読むことができる内容のそれなりの長さの書籍を書く能力があった事は間違い無いということだ。 -
Posted by ブクログ
ゲルマン人優秀万歳!
ユダヤ人劣等隔離せよ!
な本。
集団をまとめる際には共通の敵を作れに則り、
身近で個別具体例には信じられる内容を織り交ぜながら、冷静に考えるとどうしてそうなるのだけど、想定読者には受け入れやすい結論に導かれる。
ユダヤ人はいつの時代もその特殊環境から勤勉で優秀で強靭で冷徹なためか妬まれるんだね。
日本人も同様に勤勉だと言われる事もあったと思うけど比較的安全に切り離された国土でぬくぬくと少し煽てるとすぐに木に登ってしまうのとは全く別物なのだろう。
当時のまだ世界はバラバラだった時代は多様性があったが、グローバル化で統一化が簡単にはかられる今の時代は簡単に全体でコケる事が出来ると思ってしまったのは別の話。
さて、下巻ではさらに冒頭の内容を補強していくだけなのか?