乃至政彦のレビュー一覧

  • 戦国の陣形

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    資料の無いなかで、室町時代以前の合戦についても、分析を試みているのに驚く。川中島や三方ヶ原や関ヶ原についても、兵種ごとの配置、運用に思いを巡らせ、信頼のある資料と矛盾しない範囲で膝を打つような説明を見せてくれている。
    旧陸軍の作戦研究でも、日本史上の合戦についてはいろいろ分析していたのかもしれないが、近代戦闘の分析視点でみると誤ってしまうのだろう。そもそも日本には数万騎といわれる大軍を展開して騎走を恣にする場は、ほとんどなかったのではないか。

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    2018年10月19日
  • 戦国武将と男色 増補版

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    <目次>
    プロローグ  戦国時代の武家男色、その俗説と実相
    第1部    室町幕府のと男色文化
     第1章   公家・宗教社会の男色
     第2章   足利将軍と男色
     第3章   守護大名と男色
    第2部    戦国武将と男色の実相
     第4章   東国の戦国武将と男色
     第5章   奥州の戦国武将と男色
     第6章   西国の戦国武将と男色
     第7章   信長・秀吉・家康と男色
    エピローグ  江戸時代の武家男色、その隆盛と衰退

    <内容>
    2013年刊の単行本に加筆修正したもの。これを読むと、男色はブームと言うほどではなかったようだ。古くは院政期の藤原頼長、そして本書に出てくる足利義尚。大内義隆。あと

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    2024年05月24日
  • 戦国大変 決断を迫られた武将たち

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    「学者でも作家でもない」と自称する著者が数々のエピソードの定説に異議を唱える。
    信長が天下布武の印判を作らせたのはかっこいいから、という結論は面白い。
    誤記がけっこう多い。

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    2023年10月03日
  • 戦国大変 決断を迫られた武将たち

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    とても良く調べられ、非常に良い作品だと思うが、一点だけ上げるとすれば、タイトルがちょっとミスマッチかと思った。

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    2023年08月06日
  • 謙信×信長 手取川合戦の真実

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    信長と謙信
    幕府という権威の元に戦略を進めた上杉謙信
    権威から離れて自由に戦略を進めた織田信長
    2人がそれぞれ越後と尾張を統一するまでの過程や、親密な時期を通して、武田家に対する両者の温度差により長い友好関係が破綻するまで。

    信長か幕府の後ろ盾をなくして、全て敵だらけとなったために壊滅するために魔王とまで呼ばれる残虐な行為に陥ったという見解が面白いなと感じました。

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    2023年07月17日
  • 平将門と天慶の乱

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    一族同士の争いから関東八州の国司を手中に加え、新皇として即位した後、追討された平将門についての研究。
    正しく振る舞っていたにも関わらず、情勢による朝廷の不安感(藤原純友の乱、中国では唐王朝が朱全忠により倒され、朝鮮でも新羅が高麗に滅ぼされるという王朝交代の時期)と讒言により追われる立場となり、最終的に滅ぼされる悲しさを感じた。

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    2023年02月20日
  • 謙信越山

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    上杉謙信の関東侵攻について、当時の関東の情勢なども共に解説してくれる。ただ、やはり鎌倉公方の分裂や関東管領上杉家の諸家のことなどいろいろとわかっていないと理解するのが難しいかも。所々調べながら読んだ。それだけこの時代の関東が複雑だったという事か。
    結局、上杉も北条も武田も、無駄に時間を使ってしまったんだなと思った。もちろん、越山やそれに付随した戦などで彼らの名声も高まり後代に伝わったのだろうが、何も残らなかったということは残念。
    歴史の通説を、過去の資料を読み直して再解釈していくのは読んでいて楽しい。でも、こういうのって学者の方々は既にしてないのかな?この分野の他の専門家の著書も読んで比較して

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    2021年12月26日
  • 謙信越山

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    ネタバレ

    越後から関東へ十数回遠征をした上杉謙信
    1552年の31才から1566年の45才迄、この膨
    大な労力の行動の意味・見合う成果とは?

    著者からは混迷の関東統治に覚悟を持てたのは
    北条氏だけで、その他は謙信を含めて政治的思
    惑を叶える場として利用したとうかがえた

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    2021年08月24日
  • 戦国の陣形

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    中世から戦国時代はとくに陣形なく、各武将の寄せ集め的な軍隊。
    村上義清が始めた五段隊形(鉄砲、弓、長手槍、総旗、騎馬)を大規模に編成したのが上杉謙信、武田信玄が対抗するために採用、東国に広まりさらに全国に広まった。

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    2021年07月03日
  • 謙信越山

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    どのターゲットに向けたどのような趣旨の本なのか、よく分からなかった。

    細かな日本史の歴史解釈、武将のキャラクター等について「ご存知のように〜〜、でもその解釈は弱点があり、私はこう考える」という風に進むので、分からない情報に分からない仮説が被せられてストレスを感じた。

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    2021年04月13日
  • 平将門と天慶の乱

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    将門記をもとに将門の生涯を解説。将門記をなぞっていくだけな感じがあり、すこし短調。単に将門の事績を追うだけでなく。その時代における東国の制度・情勢について解説があれば、背景知識として広がりがあったのだろうが。
    10世紀の東国である以上、そもそも十分な史料がないのは致し方ないが。

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    2020年03月01日
  • 平将門と天慶の乱

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    将門は蔭子だったのか (´・ω・`)
    長屋王の時に蔭位は21歳自動的に官位が下されるやに書いてあった
    一方、21歳以降時々の事情で下される場合もあるので長屋王の年齢比定の疑義を言う先生もいた
    将門は21歳過ぎても無位無官、仕えたのは政界の有力者の藤原忠平なので条件は良い
    故に931年父の良持(従四位下)の死で帰国したのは20歳ころである(通説より10歳若い)
    本筋じゃないところが面白い

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    2020年02月11日
  • 平将門と天慶の乱

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    平将門について、当時の状況を整理し、その乱の背景を分かりやすく整理しています。また、神田明神や首塚の伝説についても言及しています。
    残念だったのは、先行研究についてあれこれ言及しているにも関わらず、自説については言って終わりになってしまっており、自説についての検討が全く行われていないので、説得力に欠けるところですかね。

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    2019年07月06日
  • 平将門と天慶の乱

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    皇室の永続を運命づけた日本史の転換点、いかに坂東を制し「新皇」として君臨したのか、という帯に釣られて読んでしまった。結局はこの一戦で皇室を守るのが武士という建て付けになってしまったとの論。彼がもっと長く治世していれば、良いか悪いか分からないけど、日本は違う形になっていたのかも。信長は将門の蒔いた種を破れずに、自らが天皇にならなかったのかしら。光秀は何を見たのだろうか。

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    2019年06月04日
  • 戦国の陣形

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    新聞の書評をみて読んでみた。
    戦国時代の有名な戦いの陣形図に根拠がないことを地道な文献検証に基づいた説明には説得力がある。
    確かに、10万人を超える陣立てと言われる関ヶ原の戦いが、なぜ半日ばかりで終わったのか、昔から不思議に思っていた。
    ちょっとした豆知識を身に着けられる。

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    2017年08月21日
  • 戦国の陣形

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    日本に陣形がもたらされたとされる時代から有名な八陣(鶴翼、魚鱗、雁行、長蛇、偃月等)について論じられる。
    はじまりは律令制の時代、7世紀からだった。源平合戦にも陣形とは呼べないが隊形や戦略などは存在していた。そして時代の移り変わりとともに集団戦が重要視され戦国時代に武田信玄によって八陣はマニュアル化されるものの、実演という形では現世まで見られることはなかったのではないか。それが著者の考察である。

    様々な参考書物をもとに書かれており、なかなか戦略が好きな自分にとっては面白い部分があったが、とくに何かが得られる!といった本ではないので星3つ

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    2016年04月22日
  • 戦国の陣形

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    戦闘、特に陸戦が実際にはどのように行われ、何が勝因・敗因となるのかということは、戦争を知らない私には中々理解できない。そういう疑問に何らかの答えが与えられるのではないかとの期待を持って本書を読んだ。
    結果的には、その答えは本書にはなかった。その上、近代以前の日本の戦闘には、戦術的な陣形は実際には存在しないも同然ということで、古代中国から移入されたらしい陣形の名前だけが一人歩きしていたというのが結論だった。様々な陣形の名称も、いわば机上の空論らしい。なぜそうなったのかは、古代から近代までの武士・兵士の成り立ちの歴史に沿って説明されており、ここが本書の最も面白いところかもしれない。

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    2016年04月20日
  • 戦国の陣形

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    なるほどとうなずけるか所も少なくはないのだけれど、我田引水なところも目立つ(白峰旬氏の関ケ原短時間決着説とか「五段隊形」へのこだわりとか)。あと、図表の説明が大ざっぱすぎて、途中でわからなくなるところも散見。

    伊藤潤氏推薦とか絶賛とかの物件には要注意ってことか?w

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    2016年03月21日