乃至政彦のレビュー一覧
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ネタバレ<目次>
プロローグ 戦国時代の武家男色、その俗説と実相
第1部 室町幕府のと男色文化
第1章 公家・宗教社会の男色
第2章 足利将軍と男色
第3章 守護大名と男色
第2部 戦国武将と男色の実相
第4章 東国の戦国武将と男色
第5章 奥州の戦国武将と男色
第6章 西国の戦国武将と男色
第7章 信長・秀吉・家康と男色
エピローグ 江戸時代の武家男色、その隆盛と衰退
<内容>
2013年刊の単行本に加筆修正したもの。これを読むと、男色はブームと言うほどではなかったようだ。古くは院政期の藤原頼長、そして本書に出てくる足利義尚。大内義隆。あと -
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上杉謙信の関東侵攻について、当時の関東の情勢なども共に解説してくれる。ただ、やはり鎌倉公方の分裂や関東管領上杉家の諸家のことなどいろいろとわかっていないと理解するのが難しいかも。所々調べながら読んだ。それだけこの時代の関東が複雑だったという事か。
結局、上杉も北条も武田も、無駄に時間を使ってしまったんだなと思った。もちろん、越山やそれに付随した戦などで彼らの名声も高まり後代に伝わったのだろうが、何も残らなかったということは残念。
歴史の通説を、過去の資料を読み直して再解釈していくのは読んでいて楽しい。でも、こういうのって学者の方々は既にしてないのかな?この分野の他の専門家の著書も読んで比較して -
Posted by ブクログ
ネタバレ日本に陣形がもたらされたとされる時代から有名な八陣(鶴翼、魚鱗、雁行、長蛇、偃月等)について論じられる。
はじまりは律令制の時代、7世紀からだった。源平合戦にも陣形とは呼べないが隊形や戦略などは存在していた。そして時代の移り変わりとともに集団戦が重要視され戦国時代に武田信玄によって八陣はマニュアル化されるものの、実演という形では現世まで見られることはなかったのではないか。それが著者の考察である。
様々な参考書物をもとに書かれており、なかなか戦略が好きな自分にとっては面白い部分があったが、とくに何かが得られる!といった本ではないので星3つ -
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戦闘、特に陸戦が実際にはどのように行われ、何が勝因・敗因となるのかということは、戦争を知らない私には中々理解できない。そういう疑問に何らかの答えが与えられるのではないかとの期待を持って本書を読んだ。
結果的には、その答えは本書にはなかった。その上、近代以前の日本の戦闘には、戦術的な陣形は実際には存在しないも同然ということで、古代中国から移入されたらしい陣形の名前だけが一人歩きしていたというのが結論だった。様々な陣形の名称も、いわば机上の空論らしい。なぜそうなったのかは、古代から近代までの武士・兵士の成り立ちの歴史に沿って説明されており、ここが本書の最も面白いところかもしれない。