あらすじ
「織田信長×森蘭丸、上杉謙信×直江兼続、武田信玄×高坂昌信… 戦国武将が麗しい小姓を寵愛するのは当然の嗜みで、人々はその関係を心から礼賛した―」とする「常識」は、どこまで事実なのだろうか。本書では、史料をベースに、俗説と実像を区別していく。男心と歴史を動かした武家衆道の盛衰史。
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Posted by ブクログ
尊氏≠男色家を知るため購入したけれど、最後まで面白く読めた。
中近世の男色は同性愛ではなく、少年愛。公家や僧侶間の男色がいかに武家の中に入ったか、またその衰退までの説明。数々の文献内の男色描写へのツッコミや考察。現代の小児性愛への警告にも捉えられる「おわりに」と勉強になった。
南北朝沼からの古典太平記を創作多めの二次創作だと知っているけど、戦国物の男色エピソードも創作がほとんどで、その描写の理由が男色を行う者=無能な武将、というイメージを与えるため。というのも納得できる。
面白かったのが『江戸時代成立の戦国物には、無暗に美童が現れて寵愛されるが、いつも都合よく美少年が現れるのは不思議である。』。こんなに美少年いる???ってくらい沢山の男色エピソード。笑ってしまった。
しかし、信長森蘭丸の男色関係も確かな文献としてはないのは驚いた。
他の人が、男色をなかったことにしたいのか?って感想を書いてたけど、作者が言いたいことはそこじゃないと思う。古い文献の全てが正しいわけではない。ただ本の内容をすぐ信じるより、その本を書くことに、そして、そういう風に人物を表現する理由を少し考えるべきというメッセージだと思う。
歴史でよく聞く話は、ほとんど通説である。真実かどうかはわからない、ということを心に留めたいところです。
Posted by ブクログ
<目次>
プロローグ 戦国時代の武家男色、その俗説と実相
第1部 室町幕府のと男色文化
第1章 公家・宗教社会の男色
第2章 足利将軍と男色
第3章 守護大名と男色
第2部 戦国武将と男色の実相
第4章 東国の戦国武将と男色
第5章 奥州の戦国武将と男色
第6章 西国の戦国武将と男色
第7章 信長・秀吉・家康と男色
エピローグ 江戸時代の武家男色、その隆盛と衰退
<内容>
2013年刊の単行本に加筆修正したもの。これを読むと、男色はブームと言うほどではなかったようだ。古くは院政期の藤原頼長、そして本書に出てくる足利義尚。大内義隆。あとは著者によれば、かなり怪しいらしい。お話としては面白いのだが、現実に男色ばかりだと、戦争にはならないのではないか?色恋で主君も家臣も死んでしまうから。全うな人々が歴史を作ってきたのだろう。