【感想・ネタバレ】謙信越山のレビュー

あらすじ

群雄割拠の戦国時代、常に戦に勝利し、戦国最強と謳われる武将・上杉謙信。
彼は越後から関東へ「十数回」の遠征を繰り返した。この遠征は「越山(えつざん)」とも呼ばれ、険しい山々を越えたことから、この呼び名が定着した。
越山は謙信が31歳から16年ほど続けられ、49歳の時、最後となる越山計画の出陣前に倒れ、そのまま帰らぬ人となった。
謙信はなぜ、エネルギーの多くを越山に費やしたのだろうか。「義侠」という道楽か、それとも「略奪」という実益か。
越山の真相とともに、武田信玄、北条氏康ら同時代を駆け抜けた武将らの活躍も網羅した、関東戦国史の幕が開く。
JBpressの人気連載がついに書籍化。大幅に加筆修正を加え、書き下ろしコラムも掲載。西よりも激しい、東の武将の生き様に刮目せよ!

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Posted by ブクログ

謙信の越山が何に動かされたものだったのか、史料を読み直しつつ誤った通説を否定しながら解明していく。
まず関東の情勢を把握する必要があるが、古河公方の晴氏が北条氏の台頭を許すが、対立が生じ敗れた公方方の上杉憲政は長尾景虎を頼る。謙信は望まず関東管領名代に就任、さらに上洛中に知り合った関白近衛前久を摂家将軍として迎える構想を持って越山した。また、第4回川中島の合戦は、局地戦だった1〜3回と違い、小笠原長時復帰も目論まれ政局に連接していた。結局関白は藤氏に愛想を尽かし帰京してしまい、関東には戦災と火種だけが残ったという。
上杉七免許、女性説について本人の性自認は男であったこと、生涯不犯は兄への義理立てであったこと、成田長泰打擲事件の解釈、車懸かりや信玄と謙信の一騎討ちの真偽、関東での乱取り説について、敵に塩を送るは甲相それぞれと和睦が成るなかで今川氏真の誘いにのらず値段を釣り上げなかったことなども。

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2023年04月01日

Posted by ブクログ

上杉謙信は、私の好きな戦国武将の一人であるが、小説などで描かれるカリスマ性いっぱいの謙信像とは別な、史実の裏に秘められた人間くさい苦悩などを緻密な調査に基づいて的確に描かれていると思う。

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2023年07月03日

Posted by ブクログ

上杉謙信はなぜ三国峠を越え越山したか。その真相を探る。

気鋭の歴史学者。関ヶ原の戦いの通説を覆したり、日本史のダイナミズムを伝える方として注目している。そんな筆者の近作。

越後から関東へ。上杉謙信が何度も越山したのはなぜか。その真相をあまり知られていない東国史を絡めて詳述している。

織田信長も含め従前の視点に留まらない新たな武将像。

今後の研究にもさらに期待したい。

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2021年08月17日

Posted by ブクログ

上杉謙信といえば武田信玄との川中島の戦いが有名だけど、最近になって謙信が小田原城を包囲したことがあると知り、わざわざ新潟からご苦労なことだ…と思ったら生涯十数回に渡り三国峠を越えて関東平野に攻め込んでいるということが分かって俄然興味を持ったので手に取ってみた。この関東進出を「越山」と呼びあの田中角栄の後援会もここから名前を取っているのだとか。不覚にも読むまで全く関連性に気がつかなかった…。つまり謙信は武田信玄よりもその頃関東平野に進出していた小田原の北条氏康と死闘を繰り広げていた訳で、当時は今のような米どころではなかったにしても港湾都市が栄え、鉱物資源にも恵まれた経済的には侵略などしなくても良いはずの越後の主がなぜ関東平野に異常なエネルギーを注いだのか、についての考察が述べられている。一説には農閑期の略奪が目的、という説まであるとのことだが…時の関白の関東下向やそれに先立つ謙信の上洛と足利将軍への目通り、などを踏まえて説得力のある説が展開されており非常に楽しんで読めた。歴史小説好きな人には強くおすすめします。

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2021年07月16日

Posted by ブクログ

上杉謙信の関東侵攻について、当時の関東の情勢なども共に解説してくれる。ただ、やはり鎌倉公方の分裂や関東管領上杉家の諸家のことなどいろいろとわかっていないと理解するのが難しいかも。所々調べながら読んだ。それだけこの時代の関東が複雑だったという事か。
結局、上杉も北条も武田も、無駄に時間を使ってしまったんだなと思った。もちろん、越山やそれに付随した戦などで彼らの名声も高まり後代に伝わったのだろうが、何も残らなかったということは残念。
歴史の通説を、過去の資料を読み直して再解釈していくのは読んでいて楽しい。でも、こういうのって学者の方々は既にしてないのかな?この分野の他の専門家の著書も読んで比較してみたい。

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2021年12月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

越後から関東へ十数回遠征をした上杉謙信
1552年の31才から1566年の45才迄、この膨
大な労力の行動の意味・見合う成果とは?

著者からは混迷の関東統治に覚悟を持てたのは
北条氏だけで、その他は謙信を含めて政治的思
惑を叶える場として利用したとうかがえた

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2021年08月24日

Posted by ブクログ

どのターゲットに向けたどのような趣旨の本なのか、よく分からなかった。

細かな日本史の歴史解釈、武将のキャラクター等について「ご存知のように〜〜、でもその解釈は弱点があり、私はこう考える」という風に進むので、分からない情報に分からない仮説が被せられてストレスを感じた。

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2021年04月13日

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