矢部宏治のレビュー一覧
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本書を読んで驚くことがたくさんあったし、自分の無知を知った。
日米地位協定とは「日米安全保障条約に基づく在日米軍とその軍属の地位に関する協定」であり、その前身は日米行政協定である。
戦後体制のサンフランシスコ講和条約、安保条約、行政協定という三重構造の一部である。
敗戦国である日本は、戦後どのような状況でこれらの条約に調印したのかという事実もとても衝撃的だった。
安保条約は、吉田茂一人で調印したのである。
それも直前まで内容を知らされていなかった。
それが、現在の日米地位協定に至っている。
その内容がまたしても驚愕である。
米軍に対して、日本の法律が適用されないというあまりにもひどい不平等条約 -
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日米地位協定自体の不平等ぶりと、その協定にさえない、より不可思議な不平等な話。
アメリカ人のほとんどが、沖縄自体を知らないのではないかという。アメリカの無関心が、この協定の改訂へのハードルの一つ、ではあろうけれど、とうぜんもう一方の我が国側でどんな力が働いているのか。それこそ原子力問題と似た構図がある。
ところで、民主党政権がオスプレイ配備に対して、日本からはどうしろこうしろという話ではない、と言ってしまったが、これは図らずも地位協定による権利(の無さ)を白日のもとにさらしたわけで、自民党だったら「厳重に抗議する」などという演技をして、バレないようにしたのであろう、と。さて、では今度の政権は、 -
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日本とアメリカの関係で一番肝心なことを知らなかった。敗戦直後の占領期以来、吉田茂や岸信介がアメリカと交わした平和条約の裏で重大な軍事上の「密約」があったことだ。それは国の有り様を決める決定的なものにもかかわらず国民には一切知らせず隠し通してきたものであった。
先ず「横田空域」という米軍が支配している東京都西部の専用空域の話からこの話は始まる。いつも不思議に思っていたJALやANAの民間航空機が不自然なルートを飛ばざるを得ない理由もここにあった。この巨大な米軍の管理空域は「日本国内法の根拠は何もなく(立ち入ることができない)アメリカの自由な空域」となっている。
2010年沖縄の「嘉手納空域」が -
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米軍が日本で好き勝手できる理由を暴露する漫画。
峰不二子みたいな謎めいたおねーさんが案内役になり、間抜けな編集者たちが真実を目撃していくストーリーになっている。
日本の政治家も知らない日米合同委員会なる会があり、そこで密約が交わされていて米軍は治外法権となっている。その密約を作ったのがマッカーサーに入れ知恵したアメリカ人。
米軍機が地上スレスレを飛行しているが、米軍の関係者が住む地域の上空は飛ばないことや、横田基地付近の大きな空間は米軍専用となっていて日本の飛行機は入れないことなどを紹介して、いかに米軍が好き勝手していて、付近の住民が苦しんでいるかを紹介している。
原作者が漫画に登場するが、峰 -
Posted by ブクログ
ネタバレ日米間の不平等な関係やどうしてそのような状況になったのかは
歴史的経緯を含めてよく分かりました。
日本全土のどこにでも米軍は基地を作ることができるということや
横田空域のことなどは知らなかったのでそういった事実は
知る必要があるとは思いますし、あまりに世界標準とかけ離れた
日米関係は是正すべきだとも思いますが
この著者の目指したい場所が伝わってきませんでした。
結局戦争のない平和な世界というのが現状絵に描いた餅である限り
自国のことは自分たちで守るかそれが出来ないのであれば
米軍(国連)に守ってもらうしかないと思います。
ただ著者は今のままだと米軍の指揮命令のもと自衛隊が国内外で戦争行為を