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なぜ米軍は自国ではできない危険なオスプレイの訓練を日本では行なうことができるのか? なぜ日米地位協定は日本国憲法の上位法として扱われているのか? 基地問題だけでなく原発事故やその再稼働問題、TPP参加問題など、現在の日本で起きている深刻な出来事の多くが在日米軍がもたらす国内法の機能停止状態に起源をもっている。ベストセラー『戦後史の正体』に続くシリーズ第二弾は「戦後日本」最大のタブーである日米地位協定に迫る!
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Posted by ブクログ
全国民、必読の書。 ただ、一点。Q&A14で、砂川判決の統治行為論を根拠に、アメリカとの条約が憲法よりも上位にあるとしている箇所はいささか議論が雑ではないかと感じた。現実に起こっている事象からしてそう結論したくなる心情はわかるが、本書のタイトルにも関連する大事な論点だったはずなので、もっと丁...続きを読む寧に議論してほしかった。
冷静になって読む必要はある。 が、そこまで大袈裟でもないんだろう。 在日米軍が日本に駐留するため、「法的根拠」を与える必要性から設置された日米地位協定。 そこには異常なまでに米軍に対し特権を与え、そこに問題点を認識しながらも1度も改定されたことがない、異様な内容が今も有効に生き続けてる。 時には司法...続きを読むも判断を放棄し、さらには合同委員会で米兵の犯罪行為についての酌量勧告が行われるなど、「主権国家とは思えない」(著者)行為の数々が丹念に説明されている。 現在巻き起こる基地問題の根底、源流がこの協定にある、だから日本国憲法より大切、と著者は説く。 僕が思う問題点はやはり、地位協定の内容について、政治家も官僚も「問題がある」と認識しながら、その改定に動くそぶりすらとられずに現代まできていること。インクリメンタリズムの成れの果て。 気概が必要。いつまでも都合のいいスネ夫じゃいけない。 一番の敵は、「思考停止」そして「無知と無関心」だ。 きっかけにできる本ではあると思う。ありがとう。
冷静に読む必要性は感じますが、間違いなく、知っておかなくてはならないことが書かれている本だと思いました。
今、日本人が読むべき本。アメリカの非道さが良くわかります。アメリカからの独立を安全保障面をケアしながらいかにするのか?真剣に考えさせられます。
映画、沖縄狂想曲観て、気になって読んでみました。 正直、映画とこの本を読むまで、日米地位協定はあまりわからなかったが、日米地位協定がこれだけ不平等な条約で、この不平等な条約で多くの人が被害を被っている事が理解できました。 さらに多く日本国民が沖縄の米軍基地の問題に関して無関心、無教養であること。 日...続きを読む本の政治家、官僚が米軍に忖度している事。 結局そのツケは我々が払わなきゃいけなくなる。 日本が法治国家でない事がよくわかります。 ぜひ、映画といっしょに観ていただきです。 #読書 #読書記録 #読書好きな人と繋がりたい #沖縄狂想曲
覚え書(手を加えた箇所もあります) 日本が国連の常任理事国になろうとして外務省が一生懸命画策していたとき、各国から「そんなことをすればアメリカに2票あたえることになるだけだ」という強い反対があった。(p.63、65より)…そういうことだったか。 1998年確定した、嘉手納・横田・厚木基地騒音訴訟...続きを読むの賠償総額の内、地位協定で定められた75%の米側負担金18億9000万円は結局踏み倒され、日本側が立て替えた。(p.86より)…つまり総額25億2000万円、全部日本がってこと…⁈。 サンフランシスコ講和条約の日本語の条文は「正文」ではなく「仮訳」。(p.98〜より)…正文がないだけでなく、訳にも「仮」が付くって⁈ 安保条約は「基地を使用する権利ではなく、米軍を日本国内とその付近に『配備する』権利」のこと。(p.156より)…これは知らなかった。 「米軍基地返還」→「全自衛隊基地の共同使用」→「米軍の永久駐留と駐留経費の大幅削減」(p.165)すごい目論見では…? 高江のヘリパッド建設の反対運動は、60年代のベトナム戦争時、ベトナムの地形に見立てた演習の場だった。(p.129より)…こういう歴史を背負っているなら反発は当然。 「在日米軍基地を提供する代わりに、日本全土を守ってもらう」正しくは、その時のアメリカの国益にしたがって、守ったり守らなかったりする。こういう言説を振りまいたのがいわゆる「安保村」の人々。(p.180より)…やはり幻想でしたか。 同じ敗戦国のドイツやイタリアと比べても、日米地位協定は不平等。韓米地位協定では「環境条項」が創設され、基地内の汚染について米軍の浄化義務を負う。(p.188-189より)…あまりに不条理。 アメリカは艦船の核兵器搭載について「肯定も否定もしない」という原則(NCND政策)を掲げている。これに対し、ニュージーランド政府は積んでいるかかわらない艦船の入港を認めていない。日本は明らかに積んでいるだろう艦船にも出入国を認めている。「非核三原則」の形骸化。(p.190-191より)…ずっとこの先も弱腰なの? 60年代には最大1200発もの核兵器が沖縄に配備されていた。日本の国家的方針である非核三原則のうち「持ちこませず」は虚構。(p.210-211より) イラク外務省の関係者たちは、米軍地位協定を結ぶ5ヵ月前、5日間の日程で日本を訪れ、日米地位協定について熱心に研究した。(p.213より)…日本が役に立ったのかな。 フィリピンの場合。「基地の存在はフィリピンの指導者たちを米国の政策や利益に従属させ、米国による内政干渉をまねく」として、中立と非同盟を外交の基本政策とすべきと訴えた。(p.218より) フィリピン側は前政権下で結ばれた外交協定を白紙にし、そのうえで新条約を結ぶかどうか米国と交渉をした。(p.220より) …このフィリピンのプライド、うらやましい。 「砂川裁判」。米軍基地をめぐる最高裁での審理において、最高検察庁がアメリカの国務長官の指示通りの最終弁論を行ない、最高裁長官は大法廷での評議の内容を細かく駐日アメリカ大使に報告したあげく、アメリカ国務長官の考えた筋書きにそって判決を下したことが、アメリカ側の公文書によってあきらかになっている。(p.239) 日米合同委員会。問題は発表されない「内容」の実態。どんなやりとりがあって、なにが合意され、なにが合意されなかったのか。日米安保のかかえる課題に、日米両政府はどのような判断をしているのか。詳細な議事内容の開示が必要なものばかりですが、実際には「表題だけ」が開示されているというのが実態。(p.265より) 結局TPPとは、いままで安全保障の分野だけに限られていた、「アメリカとの条約が国内の法体系よりも上位にある」という構造を、経済関係全体に拡大しようという試みなのです。(p.267) 1951年に成立した「吉田秘密外交」の最大の負の遺産、それが日米合同委員会だといえるでしょう。(p.270-271) APECの首脳会議でTPPへの交渉に参加することを表明した野田首相(当時)が、ISD条項というTPPの基本知識について、なにも知らなかった。(p.271より) 国内外の学者、研究者からは「いまだ米国の属領か、被占領国」「米国の植民地」という指摘。(p.281より) 米軍基地は沖縄県面積の10%、沖縄本島面積の18.4%なのに、県経済全体(3兆9000億円)の5%(約2000億円=基地関連収入)しか経済貢献度はない。また、基地従業員総数は9000人で、沖縄の全労働人口(約62万人)の1.5%にとどまる。成田国際空港は沖縄基地全体の25分の1の面積で経済効果は約5倍もある。嘉手納飛行場を国際ハブ空港化すれば1兆円の経済効果をあげることも可能。(p.391-392より)
日本は独立した主権国家ではなく、沖縄だけでなく日本全土が米軍の占領下にある。日常の中で隠されたこの現実が、オスプレイ配備、辺野古移設、福島原発事故、憲法解釈変更といった事件を通して、浮き彫りとなる。 最高裁砂川判決との関連で、改正された「原子力基本法」に、「わが国の安全保障に資することを目的として」...続きを読むという文言がはいったと指摘。米軍基地問題と原発問題共に、加害者が、法的には違法ですらないという仕組みが出来上がっている。
これは強烈だった。読んでいてなんだかどんどん情けない気持ちになった。対等な日米関係だとか、双務性のある日米同盟だとか、よくいうよ、と思わずにはいられない。この協定を放置して日本を取り戻す、なんて、寝言以外の何でもないなと呆れるばかりです。
今まで、自衛隊をもってはいるけど米基地があるのは有事のさいは米が日本を守ると思ってた。尖閣問題をみてもクリントンさんが日米安保条約の範囲内っといってたから、でも血を流して国土を守るのは自分でねって事ですよね、自衛隊も非核三原則も体系的に考えると矛盾を感じる。 アメリカと日本で結ばれた協定、そもそも...続きを読む、終戦し独立したはずなのにおかしいけど、その後も改定したのに裏では密約。そもそものルールか改善されないのだから今までの悲劇的な状況にも対抗できないし、現状ではこのままなんですね。 日本と沖縄は同じ国、米兵の犯罪行為、オスプレイや兵器による事故、全て対岸の火事でないんだと思うと怖い。 知らなかった 羽田空港の飛行ルートが米国の飛行空間が優先され不便で有ること ヤンバルの集落では日本人を標的替わりに訓練していたり、訓練道具とみなし 非核三原則があるのに、米原子力潜水艦の入港を認めている理由がNCND政策だからしょうがないよねって、、おいおいって思ってしまう。 放射性物質について無主物という根拠も、汚染法処々に放射性物質を対象としないようにと明記されていることからして、賠償は有り得ないからそもそも保険システムで賄えるはずのない商業原発が運転できるように色々と地固めができているのかな~っと
この本を読んで、あらためて「平和国家ニッポン」は詭弁だということをまざまざと見せつけられた。 沖縄で頻繁に事件を起こしている米軍は、決してよそ事でない、私たちの住む地域もいつ何時米軍が必要といったら有無を言わさず蹂躙される可能性があることを、現在の日米地位協定、また外務省マル秘の「考え方」なる文書か...続きを読むら前泊氏が指摘している。 そして砂川裁判以降、日本の司法が米軍に対して機能しない、つまり日本国憲法<日米安保(地位協定)という状態が放置されていることは、独立国として非常に恥ずべき状態であることを、もっと認識しないといけないと思った。 また現在の原発問題もその一端が地位協定にあることも見逃せない。 真に「平和国家日本」を実現するには、まずアメリカの横暴な世界戦略に対して間違っていることは間違っていると言うこと、そしてそれを妨げる縛りを解くこと、これなしには不可能であろう。
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「戦後再発見」双書2 本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」
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前泊博盛
明田川融
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