ガブリエル・ゼヴィンのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ゲーム開発 × ビジネス × 恋愛感情 × 友情 × 現代社会のさまざまな問題、状況
知的な男女の友人同士が
ゲーム制作に取り組む物語。
その中の一人は過去の事故によって足に障がいを抱えており、歩行に独特の癖がある。かつてそれを理由に揶揄された経験が描かれており、深く共感し、自分事のように読みました。
このキャラクターは複数の国にルーツがあり日本もそのうちの一つ。作中では東京旅行の描写も登場。
奈良美智、葛飾北斎、映画『AKIRA』、藤田嗣治、小島秀夫、村上隆といった、日本出身で海外的にも評価されている作家や作品が言及されるので、日本のサブカルチャーに深い関心を持つ読者にはたまらない要 -
Posted by ブクログ
ネタバレ大河。病院で出会った11歳と12歳の2人が
ゲーム作りのパートナーとなり、お互いを誰よりも大切に思いながら、憎しみ、離れる。落ち込んだときの乗り越え方をサムに尋ねられたセイディが「仕事は効くよ」「ゲームも効く」と答える。結末は2人が再びタッグを組むハッピーエンドは描かれないけど、「人を絶望から守るのは、遊びを求めるその心なのかもしれない」と地の文にもあるように、誰よりもゲームを愛する2人が、また一緒にゲームを作る未来があってほしい。
ジェンダー、人種や民族など、現代のアメリカに生きるマイノリティの様子を隣で感じることができたのも、面白い読書体系だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレサムとセイディがくっついて欲しかったけど、私みたいなのには理解できないほど絆が深いんだろうと思った。恋人だけじゃ片付けられない何かがあるんだろうな。
それにしてもなんで、マークスが死んじゃうんだろう。ドーヴみたいなきもいオジさんは残って、セイディやサムを支えてきたマークスがあの世に行くんだろう。物語って不思議。それに、セイディがドーヴを思う気持ちも分からない。妻帯者なのに、なんで愛せるんだろう。分かる時が来るかもしれないけど、分かろうとは思えなかった。
アントとサムソンが仲睦まじくてかわいらしい。アントも体調が良くなって何より。てか申し訳ないけどアントがアリの英語にしか見えなくてやばい。赤 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「ゲームは現実世界の苦しみを癒すことができる」がテーマ。
「恋愛以上の友情がある」がサブテーマ
かつての日本のゲームが実名で出てくるのが誇らしい。ファミコン時代からゲームで遊んできた人に特におススメ。
アメリカで二人の大学生がゲームを製作しながら葛藤と悩みを乗り越えていく、まぎれもない傑作。
以下ネタバレ
特に第7章で、マークスが死ぬ場面。
長い長い走馬灯のように架空の世界を彷徨いながら自分の命が少しずつなくなっていくシーンが素敵な詩のような表現でつづられるのが美しく素敵。
英語圏の文学でこんな表現をする人がいるんだ!と驚いた -
-
Posted by ブクログ
読書備忘録911号。
★★★★★。
久しぶりの翻訳本。堪能しました。
作者はあとがきで、この作品は働くことの小説である。と言っています。
さらに作者は、この作品は愛についての小説である。とも言っています。
加えてシンタローは、この作品は家族についての小説である。と言っています!
しつこくシンタローは、この作品は生きることについての小説である。とも言っています!
アンフェア・ゲームズ社のメンバーは家族ですよ。
どんなにすれ違っても、いがみ合っても、愛し合っても家族という関係だったんだと思う。
なので絶対に見捨てず、置き去りにせず、寄り添う。家族だから。
そして最後、さて次のゲーム作ろうか! -
Posted by ブクログ
子供の頃に出会った男女。友達以上、恋人以上、の想いをお互い持つが故にぶつかり時には憎しみ、何年も口聞かない、とか極端な行動もするのに、根っこの部分でリスペクトと、お互いをかけがえの無い存在だと認めているから、時が経つとまたお互いを必要とする人間関係性にとてつもなく惹きつけられました。
2人の関係が男女の恋愛じゃ無いけど、そこに確実な何かがずっとあるのがひしひしと伝わってきました。
サムもセイディも素直で、でも素直になりきれなくて、勝手な誤解や妬みがあってピタッとハマる時もあれば思い切りぶつかる時もある。ぶつかる時は思い切りソッポ向いちゃうのがなんかアメリカらしいな、なんて思ったりしました。
-
-
Posted by ブクログ
サムとセイディの30年弱を、共に葛藤しながら伴走させてもらった。
私は、こういう主人公と長い時間を過ごせる小説が好きみたい。
深くその人を知れるから。
才能のあるお互いがお互いにとって唯一無二の存在であるふたりが、ゲーム作りを通して時を重ねていくんですが、価値観のズレに傷ついて、猜疑心や嫉妬心で溝ができてしまう。
でも、周りに素敵な仲間や家族がいて、ふたりを見守ってくれている…
たくさんの苦難を乗り越えて、互いの大切さを知る。
等身大の人間っぽさが、すごくよかった!
安っぽくふたりを恋仲にしないのがよかった!
現実の辛さを、ゲームで癒されていく描写もすごくよかった。深くて寄り添ってくれる感 -
-
-
-
Posted by ブクログ
いろいろな人がお勧めしているのを見て読んだ。書店主フィクリーのものがたりの著者だと気付かなかった。長い物語だし、辛い場面もあるので読み終わるのは時間がかかってしまった。
あとがきには「働くこと」「愛」の小説とあるけど、私は喪失と再生の物語だと感じた。読み終えて、改めて本のタイトルが沁みる。「続けてさえいればいつか勝てるという希望」。辛いことはあるけれど、毎日の生活・仕事・やるべきなにかを続けることが希望となる。
自分はゲームをしない人間だけど楽しめた。逆にゲームに興味も湧いた(でもやらないと思うけど)。ゲーム好きな人はもっと楽しめるのかもしれない。ゲームのジェンダーについて言及があるのも良か -
-
Posted by ブクログ
いやー、おもしろかったぁ…。偶然出会った本で読み終わったあとこんなふうに思えるのは年に2-3回あるかどうかだと思っているけど、それに1月早々出会ってホクホクした気持ち。
物語の前半の舞台は、アメリカ東海岸のボストンはケンブリッジエリア。1990年代、子供の頃の親友であるハーバード大の男子学生サムとMITの女子学生セイディは再会を果たし、ある夏一緒にゲーム開発をする。男女だけど2人は友達。恋人にはならない。恋よりも愛よりも濃い信頼で結びついた2人は、バディとしてゲームを開発し、成功を目指す。
一方は足が不自由なアジア系、もう一方は裕福なユダヤ系。そして彼らを支援しのちにプロデューサーになるの -
-
Posted by ブクログ
ネタバレ面白くて550ページ一気に読み進められた。
プログラミングやゲーム作りなどの天才たちの物語を読むのが好きで、この作品もすぐにハマった。
全体的にフェミニズムやジェンダー、人種、障害、そしてインターセクショナリティといったものに関する描写が多く、それらに関心のある方にもお勧めできる作品。
特に婚姻制度についての言及やセイディの態度、セイディとサムは一度も恋愛的な関係にならなかったけれど、お互いに誰よりも深く結びついていたことがすごくよかった。
作中に出てくるゲームはほとんどやったことがない(名前は知っているのも多かった)くらいゲームには疎いけどとても楽しめたし、セイディとサムが作ったゲームをプレ -
-
-