ガブリエル・ゼヴィンのレビュー一覧

  • トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー

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    ゲーム開発 × ビジネス × 恋愛感情 × 友情 × 現代社会のさまざまな問題、状況

    知的な男女の友人同士が
    ゲーム制作に取り組む物語。

    その中の一人は過去の事故によって足に障がいを抱えており、歩行に独特の癖がある。かつてそれを理由に揶揄された経験が描かれており、深く共感し、自分事のように読みました。

    このキャラクターは複数の国にルーツがあり日本もそのうちの一つ。作中では東京旅行の描写も登場。

    奈良美智、葛飾北斎、映画『AKIRA』、藤田嗣治、小島秀夫、村上隆といった、日本出身で海外的にも評価されている作家や作品が言及されるので、日本のサブカルチャーに深い関心を持つ読者にはたまらない要

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    2025年08月31日
  • トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー

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    ネタバレ

    大河。病院で出会った11歳と12歳の2人が
    ゲーム作りのパートナーとなり、お互いを誰よりも大切に思いながら、憎しみ、離れる。落ち込んだときの乗り越え方をサムに尋ねられたセイディが「仕事は効くよ」「ゲームも効く」と答える。結末は2人が再びタッグを組むハッピーエンドは描かれないけど、「人を絶望から守るのは、遊びを求めるその心なのかもしれない」と地の文にもあるように、誰よりもゲームを愛する2人が、また一緒にゲームを作る未来があってほしい。
    ジェンダー、人種や民族など、現代のアメリカに生きるマイノリティの様子を隣で感じることができたのも、面白い読書体系だった。

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    2025年08月12日
  • トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー

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    ネタバレ

    サムとセイディがくっついて欲しかったけど、私みたいなのには理解できないほど絆が深いんだろうと思った。恋人だけじゃ片付けられない何かがあるんだろうな。

    それにしてもなんで、マークスが死んじゃうんだろう。ドーヴみたいなきもいオジさんは残って、セイディやサムを支えてきたマークスがあの世に行くんだろう。物語って不思議。それに、セイディがドーヴを思う気持ちも分からない。妻帯者なのに、なんで愛せるんだろう。分かる時が来るかもしれないけど、分かろうとは思えなかった。

    アントとサムソンが仲睦まじくてかわいらしい。アントも体調が良くなって何より。てか申し訳ないけどアントがアリの英語にしか見えなくてやばい。赤

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    2025年08月16日
  • トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー

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    ネタバレ

    「ゲームは現実世界の苦しみを癒すことができる」がテーマ。
    「恋愛以上の友情がある」がサブテーマ

    かつての日本のゲームが実名で出てくるのが誇らしい。ファミコン時代からゲームで遊んできた人に特におススメ。

    アメリカで二人の大学生がゲームを製作しながら葛藤と悩みを乗り越えていく、まぎれもない傑作。

    以下ネタバレ

    特に第7章で、マークスが死ぬ場面。
    長い長い走馬灯のように架空の世界を彷徨いながら自分の命が少しずつなくなっていくシーンが素敵な詩のような表現でつづられるのが美しく素敵。

    英語圏の文学でこんな表現をする人がいるんだ!と驚いた

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    2025年07月12日
  • トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー

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    今出せる一番の速度で読み切ってしまったかもしれない。先が気になる表現、展開に、表紙もタイトルもうまく使っていて、作品全体がとても魅力的な世界だった。ゲーム開発者がテーマだけど、それを単なる設定にせず、作品全体がゲームと強く結びついている印象も(ゲームが好きな自分にとって)とても好ましかった。

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    2025年06月26日
  • トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー

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    読書備忘録911号。
    ★★★★★。

    久しぶりの翻訳本。堪能しました。

    作者はあとがきで、この作品は働くことの小説である。と言っています。
    さらに作者は、この作品は愛についての小説である。とも言っています。
    加えてシンタローは、この作品は家族についての小説である。と言っています!
    しつこくシンタローは、この作品は生きることについての小説である。とも言っています!

    アンフェア・ゲームズ社のメンバーは家族ですよ。
    どんなにすれ違っても、いがみ合っても、愛し合っても家族という関係だったんだと思う。
    なので絶対に見捨てず、置き去りにせず、寄り添う。家族だから。
    そして最後、さて次のゲーム作ろうか!

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    2025年04月18日
  • トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー

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    子供の頃に出会った男女。友達以上、恋人以上、の想いをお互い持つが故にぶつかり時には憎しみ、何年も口聞かない、とか極端な行動もするのに、根っこの部分でリスペクトと、お互いをかけがえの無い存在だと認めているから、時が経つとまたお互いを必要とする人間関係性にとてつもなく惹きつけられました。
    2人の関係が男女の恋愛じゃ無いけど、そこに確実な何かがずっとあるのがひしひしと伝わってきました。

    サムもセイディも素直で、でも素直になりきれなくて、勝手な誤解や妬みがあってピタッとハマる時もあれば思い切りぶつかる時もある。ぶつかる時は思い切りソッポ向いちゃうのがなんかアメリカらしいな、なんて思ったりしました。

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    2025年03月02日
  • トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー

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    とても素敵な話だった、、、
    色々な愛の話でもあり、仕事の話でもあり、人生の物語だった。
    ゲームがテーマになっているけど、ほぼゲームにハマったことがなく、登場する現実にあるゲームの名前もピンとこないのだけど、そんなことは全く問題なく、セイディやサムの熱意、考えに学ばされることがあった。
    やや長いけれど、15年くらいの年月が描かれるので、飽きないし、終わってほしくなかったな、、
    これから先も気になるな、、
    映画とかドラマにありそうだけど、空気感を映像化するのは簡単では無さそう。

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    2025年04月25日
  • トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー

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    サムとセイディの30年弱を、共に葛藤しながら伴走させてもらった。
    私は、こういう主人公と長い時間を過ごせる小説が好きみたい。
    深くその人を知れるから。

    才能のあるお互いがお互いにとって唯一無二の存在であるふたりが、ゲーム作りを通して時を重ねていくんですが、価値観のズレに傷ついて、猜疑心や嫉妬心で溝ができてしまう。
    でも、周りに素敵な仲間や家族がいて、ふたりを見守ってくれている…
    たくさんの苦難を乗り越えて、互いの大切さを知る。

    等身大の人間っぽさが、すごくよかった!
    安っぽくふたりを恋仲にしないのがよかった!
    現実の辛さを、ゲームで癒されていく描写もすごくよかった。深くて寄り添ってくれる感

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    2025年02月24日
  • 書店主フィクリーのものがたり

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    ずっと積読にしていた作品。もっと早く読んでおけばよかった。読んだ直後なのでまとまらない感想になりそうだけど「家族」について、血のつながりとかではないんだなぁと実感。またフィクリーの義理の姉夫妻、警察署長のランビアーズのキャラクターもよかった。マヤの出生の秘密についても徐々に明かされていくがその過程も読み応えがあった。

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    2025年02月03日
  • トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー

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    1章読んだ時点で既に5点つけたが、読み終わってつけ足りないくらいだ。
    普段ミステリーしか読まないが、本作に出会えてよかったと心から思える感動の一作。今まで感動して泣くことなんて2-3回くらいだったと思うが、ボロボロ泣いてしまった。2人のステキな人生に嫉妬してしまう一方、尊敬してやまないもの、決して欲しがってはいけないものだと深く感じたことが大きな感動につながってると思う。小説は面白くても読んだら買取に出しているが、これは小説以外も含めても残したいと悩んでいる。

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    2025年02月07日
  • トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー

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    登場人物が魅力的!描かれている30年間のボリューム感、主人公2人を取り巻く環境や人間関係の変化、皆の思考回路等々、色々と相まって皆に人間味を感じた。30年分も描かれている為、まるで知り合いの様子を近くで見守ってるようなような気分になり、好きだった。距離感が近いと勘違いして登場人物に愛着が沸く。2人の間にしかわかり得ない愛情は、紆余曲折を経ても尚本物。本物って分かるような物語を書いてる作家さんも、訳してる翻訳者もすごい。。

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    2025年01月25日
  • トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー

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    いろいろな人がお勧めしているのを見て読んだ。書店主フィクリーのものがたりの著者だと気付かなかった。長い物語だし、辛い場面もあるので読み終わるのは時間がかかってしまった。
    あとがきには「働くこと」「愛」の小説とあるけど、私は喪失と再生の物語だと感じた。読み終えて、改めて本のタイトルが沁みる。「続けてさえいればいつか勝てるという希望」。辛いことはあるけれど、毎日の生活・仕事・やるべきなにかを続けることが希望となる。

    自分はゲームをしない人間だけど楽しめた。逆にゲームに興味も湧いた(でもやらないと思うけど)。ゲーム好きな人はもっと楽しめるのかもしれない。ゲームのジェンダーについて言及があるのも良か

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    2025年02月24日
  • トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー

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    〜明日、また明日、そしてまた明日と、
    記録される人生最後の瞬間を目指して、
    時はとぼとぼと毎日歩みを刻んで行く。
    そして昨日という日々は、阿呆どもが死に至る塵の道を
    照らし出したにすぎぬ。消えろ、消えろ、束の間の灯火!
    人生は歩く影法師。哀れな役者だ、
    出番のあいだは大見得を切って騒ぎ立てるが、そのあとは、ばったり沙汰止み、音もない。
    白痴の語る物語。何やら喚きたててはいるが、
    何の意味もありはしない。〜


    ちくしょう、シェイクスピアめ!

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    2025年01月16日
  • トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー

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    いやー、おもしろかったぁ…。偶然出会った本で読み終わったあとこんなふうに思えるのは年に2-3回あるかどうかだと思っているけど、それに1月早々出会ってホクホクした気持ち。

    物語の前半の舞台は、アメリカ東海岸のボストンはケンブリッジエリア。1990年代、子供の頃の親友であるハーバード大の男子学生サムとMITの女子学生セイディは再会を果たし、ある夏一緒にゲーム開発をする。男女だけど2人は友達。恋人にはならない。恋よりも愛よりも濃い信頼で結びついた2人は、バディとしてゲームを開発し、成功を目指す。

    一方は足が不自由なアジア系、もう一方は裕福なユダヤ系。そして彼らを支援しのちにプロデューサーになるの

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    2025年01月11日
  • トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー

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    話に出てくるどのゲームのアイデアも本当に魅力的!
    ゲーム化して!と願うものばかり。
    そして、ゲームのクリエイターさんのイマジネーションに驚くばかり。才能。

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    2024年11月16日
  • トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー

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    ネタバレ

    面白くて550ページ一気に読み進められた。
    プログラミングやゲーム作りなどの天才たちの物語を読むのが好きで、この作品もすぐにハマった。
    全体的にフェミニズムやジェンダー、人種、障害、そしてインターセクショナリティといったものに関する描写が多く、それらに関心のある方にもお勧めできる作品。
    特に婚姻制度についての言及やセイディの態度、セイディとサムは一度も恋愛的な関係にならなかったけれど、お互いに誰よりも深く結びついていたことがすごくよかった。
    作中に出てくるゲームはほとんどやったことがない(名前は知っているのも多かった)くらいゲームには疎いけどとても楽しめたし、セイディとサムが作ったゲームをプレ

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    2024年09月29日
  • トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー

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    めちゃくちゃ面白い!
    主人公2人の四半世紀を描いていながら、テンポが良くて全然飽きない。
    人種や性別の問題など、色々なテーマを詰め込んでいるのにスッキリしてる。
    一読しただけでもとても面白いけれど、ゲームと同じように読み込むごとに発見がありそうな作品。
    また読みたいと思った小説は初めてです。

    サムとセイディは似たもの同士。
    もっと素直に、愛も悲しみも伝え合わないといけないなと思いました。

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    2024年09月09日
  • 書店主フィクリーのものがたり

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    珍しく翻訳小説を読みました。
    短編をつなぎ合わせた長編小説。主人公フィクリーがとても大切にしているポイント。
    文体が軽妙洒脱で、とても馴染み深く心地よかった。
    もっとアメリカ文学を知っていたら深く楽しめたと思う。これを機に物語に出てきた短編を読んでみようかな。

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    2022年08月10日
  • 書店主フィクリーのものがたり

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    小見出しの一つになっている、レイモンド・カーヴァーの、愛について語るとき我々の語ることを読んだことがあったんだけど、A・Jが言ってる通り、20歳の時に感じることができることと40歳の時に感じることができることは全然違うんだろうし、小説とはしかるべきタイミングで出会うべきだということを示唆してはずだけど、今の自分にとってしかるべきタイミングだったかどうかは正直分からなかった。

    現段階ではきっと本来の意味で理解していることはあまり多くないんだけど、年を取ってからもう一度読み直したいなぁとは思った。

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    2020年12月06日